先日MacBook Pro向け8in1ハブスタンド「J-Cube」のプレミアムレビューにおいて、有難いことに優秀賞にご選出いただいたことで、副賞としていただいたのがこちらのIntel NUC M15 Laptop ノートブックPCでした。
ただ、私はこの製品名を見て「?」と思ったのです、Intel NUCが「Next Unit of Computing」の略であり、主に小型フォームファクターの高性能PC(実際にはクライアントPCだけではなくサーバーなども含めた幅広い用途を想定)であることは理解していました。しかし、NUCといえば
という印象しか無かったわけです。そこで「J-Cube」のプレミアムレビューを書きつつNUCについても調べてみると、私が知っていた上記のようなPCとその組み立てキットやマザーボード単体の他に、NUC Laptop KitというノートPC形状のシリーズが複数展開されていることを、そこで初めて知ったわけです。
現在Intelの日本語公式サイトで紹介されているNUC Laptop Kitは、
・NUC X15 Notebook PC Kit
・NUC M15 Notebook PC Kit
・NUC 9 Extreme Notebook Kit
の3シリーズとなっています。もっとも、NUC 9 Extreme Notebook Kitは第9世代Coreプロセッサーとディスクリートグラフィック(Turing世代のNVIDIA GeForce)という少々古めの仕様であり、実質的にはX15、M15の2シリーズが現行世代という理解で良いでしょう。ちなみにNUC X15シリーズは第11世代Core Hシリーズのプロセッサーと、ディスクリートグラフィック(Ampere世代のNVIDIA GeForceシリーズ)の組み合わせ、M15シリーズが第11世代Coreプロセッサーおよび内蔵のIntel Iris Xeグラフィックスの組み合わせを、それぞれ採用するシリーズとなります。
そして今回いただいたのはNUC M15 Notebook PC Kitとしては上位モデルとなる、ボード番号LAPBC710、型番BC57、Intel Product Code BBC710ECJXBC9というモデルとなります。
主な仕様はIntel公式サイト内の製品情報でご覧いただけますが、簡単に記載すると
・OS:Windows 10 Home
・CPU:Intel Core i7-1165G7(4コア8スレッド、定格2.8GHz、ブースト4.7GHz)
・RAM:16GB LPDDR4x-4266MHz
・SSD:512GB NVMe(PCIe 4.0)
・ディスプレイ:15.6インチフルHD(IPS、10点マルチタッチ対応)
・ネットワーク:Wi-Fi 6 / Bluetooth 5.1(Intel AX201)
・Thunderbolt 4対応(2ポート)
・USB 3.2 Gen2 Type A(2ポート)
・HDMI出力
と、かなり充実した内容となっています。
実は私にとっては、実に第2世代CoreプロセッサーとなるSandy Bridgeを搭載した、Lenovo ThinkPad T420以来となるCore i7を搭載するノートPCということになります。普段はコストパフォーマンス重視でCore i5搭載製品ばかり買っていました。
そしてこのNUC M15 Notebook PC Kitは、15.6インチディスプレイを搭載する大柄なPCでありながら、重量は1.7kgを割る程度に軽量であり、大きさが許容できるのであればモバイル用途にも活用できます。
実は現時点でもどのように活用するか悩んでいて本格運用には至っていないのですが、一応ファーストインプレッションだけでもお届けしておこうと思います。
メーカーロゴが無い外装が妙に新鮮
改めて外箱も含めた外観について見ていきましょう。
ちなみにNUCの公式サイトでは「NUC M15 Notebook PC Kit」が名称なのですが、外箱には「NUC M15 Laptop Kit」と記載されています。どちらが正しいのかはよくわかりませんが、完成品のPCとしてキッティングされた状態であれば「Laptop Kit」ということなのかも知れません。
箱の裏面は本体の写真が印刷されているのですが、その上にシールが貼付されていて、ここに主な衣装が記載されていました。拡大してみましょう。
先ほど書き出したよりも更に詳細な情報が記載されていますが、ここではあまり細かくは触れません。
付属品はACアダプター(USB type Cチャージャー)と小冊子類だけです。ACアダプターは海外製PCでは定番の、通称ミッキープラグでAC入力するタイプです。もっとも、これは65W以上給電可能なUSB type Cチャージャーがあれば代用できるはずです。
一般的なメーカー製PCではメーカーCIロゴやシリーズロゴなどが刻まれている、ディスプレイ裏の天板に何も文字が無いというのが新鮮に感じられます。この銀色の筐体は陽極酸化加工されたアルミニウム製とのことです。一般的な表現でいえばアルマイト処理ということでしょうか。
裏面はシンプルなデザインですが、筐体の両端を横断するような大きなゴム足がアクセントとなっています。印刷されている文字を拡大しておきます。
▲左右の側面それぞれにThunderbolt 4、USB type Aがある
ディスプレイはIPSパネルということでかなり発色は鮮やかですし、輝度も高めです。長時間見るのであれば画質調整で少し大人しくしても良いかもしれないくらいです。
モバイルPCとしてはかなりの高水準
仕様については既に説明している通りですが、特徴となるのはIntel EVOプラットフォームに対応しているという点でしょうか。
Intel EVOプラットフォームの詳細についてはIntelの公式サイトでご覧いただいた方が良いかと思いますが、
・高性能なCPUによりマルチタスクを高速に処理
・Wi-Fi 6による高速ワイヤレスネットワーク
・内蔵バッテリーで1日作業を持続できる省エネ設計
という辺りが特徴となるようです。まあ具体的な数値で表されている項目が少なく、やや漠然とした感はありますが…。一応該当する部分をデバイスマネージャーで確認してみました。
速度性能については、次からベンチマークテストの結果を掲載していますので、そちらでご覧いただければと思います。
初期導入OSはWindows 10 Homeですが、当然ながらWindows 11も正式にサポートされています。念のため「PC正常性チェックツール」も実行してみましたが当然問題ありません。
私もタイミングを見計らってWindows 11に更新するつもりです。
携帯性を考えれば文句ない高性能ぶり
まだ本格運用していないので簡単になりますが、一応ベンチマークテストをいくつか実行してみました。
まずは実用速度に大きく影響するストレージ速度です。Crystal Disk Mark 8.0.4で確認してみましょう。
さすがにPCI Express Gen 4に対応すると明言しているだけに、圧倒的に高速です。搭載されているSSDはSAMSUNG製MZVL2512HCJQ-00B00で、これは主にOEM向けのPM9A1というシリーズの製品ですが、コンシューマー向けの高性能モデル980 PROとほぼ同等の製品です。
処理速度については、PCMark 10 Expressと3DMark Fire Strikeの結果を載せておきます。私としては文句ないレベルと思いますが、この結果をどう評価するかは皆様の判断に委ねたいと思います。
さすがに3Dゲームが快適という水準ではありませんが、そもそも重いゲームを動かすPCとも思えませんからね。
ビジネス用途であればメインPCより速いかも…
というわけで、簡単ではありますが高い携帯性を確保したPCとしては望外とも言える高性能であることがおわかりいただけたでしょうか。
特にストレージ速度に関しては最新プラットフォームと、最高レベルの性能を誇るSSDを組み合わせていることで、私のメインPCよりも遙かに快適な性能を発揮していることに驚きます。実際Windowsを使っていて動作にもたつきや引っかかりが一切感じられず、ノートPCという次元では無いほどに快適でした。
強いて言えばCPU内蔵のグラフィック機能であるIris Xeについては、競合製品と比べて優位性を感じられるほどでは無く、この辺りがベンチマークテストの結果をやや地味なものにしてしまっているのかも知れません。
しかしIris Xeの描画性能もビジネス用という前提であれば、ビデオ会議や写真/動画の編集に至るまでほぼ困ることは無い性能は十分に発揮していますので、ゲームをやろうなどと考えなければ不満は感じられないでしょう。
久々に現行世代の高性能PCを使わせていただいたことで、普段自分が使っているPCの性能が厳しくなっていることを嫌でも実感させられた面はあります。このまま環境を構築して、自分のメインモバイルPCとして使おうという気持ちが強くなってきました。それだけの魅力は十分に感じられました。
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購入金額
0円
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購入日
2022年06月09日
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購入場所
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