レビューメディア「ジグソー」

GYARI風味?が濃厚なサウンド(ヴォイス)コラージュ

所持する音楽データに対する私利私欲...イヤ私情私見あふれるコメント、音楽の杜。こういった分野のものは「好み」ですし、優劣を付けるのもそぐわない気がしますので、満足度の☆はあくまで私的な思い入れです。サウンドコラージュ、という手法。いろいろな音源から切り貼りして新たなものを創りだす手法ですが、一般的には有名な楽曲の切り貼りであることが多い手法です。そこを、自分が創造したVTuberたちの配信から切り取ったセリフを切り貼りして楽曲に載せることで、新たな世界を創造したクリエイターがいます。そんなクリエイターの「セリフ満載の」楽曲をご紹介します。

 

GYARI、ことココアシガレットP(ココシガP)。2008年より継続的に同人系で活動するアーティストだが、近年は、自身で創った作品を自身で演奏し(コンピューター打ち込み含む)、発表することよりも、自身がデザインしたVTuberをプロデュースする方(というほどガッツリはかかわっておらず、VTuberのデザインをしたほかは、プロジェクトとしての規約を決めて、その範囲内では比較的自由に活動させているようだけど⇒いや、ときどきVOMSメンバーの動画配信中に「神」と呼ばれて出てくることもあるか...)に興味が移っていて、自身の名を冠した楽曲はしばらくリリースされていない...と、個人名義の(2022年5月現在も)最新作のレビュー

で書いた。

 

ただ、たしかにGYARI名義の完全オリジナル曲に関しては、2019年以降まだリリースされていないのだが、自らが創設したVTuberプロジェクト「VOMS(ボムズ)」のリリース時点のメンバーの配信をコラージュした楽曲がダウンロードできるコードと、それにちなんだイラストが載った小冊子を、2021年末のComicMarket99でリリースしている。

実質GYARIの新譜と言える“Hello VOMS”
実質GYARIの新譜と言える“Hello VOMS”

 

しみじみと苦労がうかがえるクレジットだ...
しみじみと苦労がうかがえるクレジットだ...

 

つまり、本作は「VOMS Project」名義であって、GYARI名義ではない。...ないものの、VOMS Project所属のVTuberたちは音声素材を提供しているだけで、それらをサウンドコラージュしたのはGYARIだし、クレジット的にも「作詞」のところには(?)がついているが、作編曲もイラストも動画も、そして「声と余計な音が被った箇所を波形編集ソフトで声だけ残して素材化するクソ地味な作業」もGYARIの仕業?なので、まさしく彼の作品。もともとGYARI名義の作品でも、彼自身が歌っていたわけではなくボカロに歌わせていたので、それがVTuberたちの声の切り貼りになっていても、GYARIの曲としては全く違和感がない。

 

ここで参加しているVOMSのメンバーは、

天野ピカミィ:“雷”属性のおしゃべりモンスター

緋笠トモシカ:“炎”属性のおしゃべりモンスター

羽渦ミウネル:“渦”属性のおしゃべりモンスター

大門地リューゴン:“地龍”属性のおしゃべりモンスター

 

小冊子には、彼らの配信から特徴的なセリフを抜き出して、サンプリングスクラッチした曲が一曲だけ収められている...というかダウンロードコードが示されているが、それが「Hello VOMS」。♪OHAO~!/よっす雑魚ども/Good Miuning/チャオ~♪とピカミィ、トモシカ、ミウネル、リューゴンのおきまりの挨拶を、流麗でクセになるほどキャッチーなメロに乗せたサビと、擬音語や擬態語、感嘆詞が多いピカミィ、「ミウネルさんは清楚なんです」と言いながら「いっぱい(命を)刈っちゃうぞ」と物騒なミウネル、魚や樽を投げつけられて無事昇天?する、いじられキャラのリューゴン、追いつめられるとテンパりぎみのトモシカの順に、ラップ調に曲に彼らの声が載せられる。まったく彼らの配信を聴いていなくても、何となくそれぞれの性格と、彼らの関係性がわかるあたりが、「VOMSのプロモーションソング」としても秀逸な出来。

4人の挨拶がつなげられ、サビを形成している
4人の挨拶がつなげられ、サビを形成している

 

ピカミィって、ひょっとしてアHOの子??
ピカミィって、ひょっとしてアH◯の子??

 

自分で「清楚」と言うヤツは信用できない
自分で「清楚」と言うヤツは信用できない

 

リューゴンはみんなのおもちゃいじられキャラ
リューゴンはみんなのおもちゃいじられキャラ

 

トモシカ.....
トモシカ.....

 

名義は「VOMS Project」で「裏方」を装っている?が、まごうことないGYARI節で、懐かしい。

 

また、コミケごとに1作リリースしていた時代のような、楽曲リリースの一線に戻ってきてくれないかなー...

 

【仕様】

A5横 / 28P / カラー / イラスト漫画 / ダウンロードコード

 

ダウンロード内容

audioフォルダ

 Hello VOMS - off vocal - LimiterOFF.wav

 Hello VOMS - off vocal.mp3

 Hello VOMS - off vocal.wav

 Hello VOMS.mp3

 Hello VOMS.wav

illustフォルダ

 front-cover.png(冊子の表紙データ-2894×2039)
 front-cover-square.png(冊子の表紙正方形変型データ-1600×1600-)
 Hello VOMS.pdf(紙の冊子全ページのpdfデータ)
 mainvisual.png(冊子の表紙データ~文字なし絵の部分だけ~-2618×1736-)

movieフォルダ

・Hello VOMS.mp4(YouTubeにも上げられている動画)

 

「Hello VOMS」

更新: 2022/05/11
必聴度

GYARI中毒患者へ、一服の清涼剤?

GYARI名義ではないが、曲全体としては凝っていて複雑な構成なのに、妙にキャッチーなサビの造りや、コミカル要素満載でストーリー性がある楽曲は、まごうことなくGYARI節。

  • 購入金額

    1,650円

  • 購入日

    2022年02月13日

  • 購入場所

    メロンブックス

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