現在、音楽鑑賞には、イヤホン/IEM類とスピーカーを半々くらいの比率で使っていて、ヘッドホンの出番が少ない。
その理由のひとつは、出先で聴くことを考えると、ヘッドホンはイヤホン/IEM類ほど持ち出しやすくないし、再生側に駆動力を要求するものも多く使いづらい。家で聴く場合も、(ワイヤレスヘッドホンはサラウンドヘッドホンの1種のみなので)ケーブルによる制約があって場所に縛られるし、スピーカーほど自然な音場ではない...とイヤホン/IEM類とスピーカーの長所を、それぞれ上回れないと感じて。
あともう一つの理由は、単純に「ボロくなってきたから」。
現在、手元に6つヘッドホンがあるのだが、使用頻度が少ないサラウンドヘッドホンと、一番新しいKonohazuk H3
以外は、パッド部分が腐ってきた。ほとんど全てのヘッドホンのイヤーパッド部分とヘッドバンド部分のPUレザー(人工皮革)が加水分解してボロボロになってきたのだ。
乾燥箱などに入れているわけでもないし、台所スペースと完全分離出来ていない間取りなので、油廻りもあるかもしれないとは言うものの、5年も経ってないものもあり、「ワタシの耐久性低すぎ?」w
そのため、ヘッドホンを使うと、イヤーパッドの切れ端が耳などについてしまい、音楽聴取後耳を濡れタオルで拭わなければならないようだと....使わなくなる罠w
ま、「音を聴く」デバイスに不足はないので、しばらくイヤホン/IEM類とスピーカーしか使っていない時期があったのだが、最近ある理由で、ヘッドホンの稼働率が上がってきた。
それがASMR配信聴取。
現在何人かのYouTuberの配信を定期的に聴いているのだが、その中の一人、吉花こころちゃんがASMR配信
を定期的にやっている。
ASMR(Autonomous Sensory Meridian Response)は音によるセラピーで、囁き声だったり、耳かきの音だったり、スライムを切る音だったり、揚げ物の音だったり、なぜだか癒やしを感じる比較的単調な音を聴かせることで、リラックス効果を得るもの(前述の音の全てがこころちゃんの配信にあるわけではない)。
こころちゃんも、最初は機材が揃っていなかったこともあり、普通のマイクを用いた「ASMR風」の囁き配信をしていたのだが、スパチャなどで得た資金で専用マイク(3Dio社の「黒3Dio」ことFree Space ProⅡ)を導入し、去年夏からASMR配信を本格化した。
このASMR配信を聴くとき、(とくに耳かき配信の場合)スピーカーでは低域の音がノイズっぽくなってあまり快適ではない。一方イヤホン/IEM類は、持っているのがほとんどカナル型であるために、「耳の奥で鳴る感じ」があって、耳のオイルマッサージなどの本来外耳部で発する音を使ったASMRには適さない。
耳のそばで、空間を挟んで聞こえる感じのリスニングデバイスが一番向いている。
そうなると、一番良いのはヘッドホン。特にオープン型、もしくは、開放感を感じる密閉型が最適。
いくつか手持ちを試してみたところ、開放型に通じる空気感を持つ音場と、耳介をすっぽりと覆う遮音性が高くて没入感が得られる大きめイヤーカップを兼ね備えた、AKG K550
が群を抜いて適性が高い。そこでASMR配信はK550で聴くことにしたのだが、いつも夜遅く(23~24時付近開始が多い)に行われるこころちゃんのASMR配信を聴き終わったあと、やおら濡れタオルで耳を掃除する...というのは...著しく「癒やし効果を減ずる」なとw
そこで、イヤーパッドを換えることにした。
AKG K550は、2010年代に10年近く売られた息の長い「定番」ヘッドホンで、ワールドワイドで販売された機種なので販売数も多いせいか、複数の会社から「交換用イヤーパッド」が販売されている。
ただ多くのものは、イヤーパッドの部分のみ。自分の持っているK550は、同素材の頭頂部のヘッドバンドのパッドもボロボロしてきていて、リスニング後、髪の毛にそのカスがくっついたりしていたので、そこも改善できるものがないかと探した。
ヘッドバンドもボロボロで、使用後髪の毛にカスがつくのが...
ま、ここに関しては汎用の製品=ジッパー等で閉じると筒状になるタイプの「ヘッドバンドカバー」もあるのだが、そういういかにも「被せました」というものより、純正に近いものとの「交換」の方が見栄えも付け心地も良いかと。
探していて見つけたのが、defeanというメーカーのAKG K550/K551/K553用交換用イヤーパッド・ヘッドバンドのセット。defeanはAliExpressでイヤーパッドやイヤーピース、リケーブル用ケーブルなど、ヘッドホン/イヤホン関係のアクセサリー/パーツを扱う店を持つメーカー。Amazonにも一部商品を出品している。ま、本製品に関しては、いくつか他店取り扱いでほぼ見分けがつかない類似品もあるので、defeanは単に「パーツ取り扱い商社」なのかもしれないが。
注文するとすぐに、パーツらしくビニール袋にポイッと入れられただけのパッド類が届いたので交換作業へ。
イヤーパッドの部分は、オリジナルを外すときに構造を観察していれば特に難しくはない。パッドのドライバーユニット側が、2重になっていて、業務用ルーツのヘッドホンらしく、「L」「R」と大きく書かれたドライバーの「前」に位置する「カバー」の薄い布と、ドライバーハウジングよりやや径が小さい「縁」とに別れているので、その「縁」の方を、ドライバーハウジングの溝に「履かせる」だけ。「脱がす」ときよりは難しいが、片方1分ほどで交換できる。
一方、ヘッドバンドは交換パーツを見ると、「両面テープ固定」。ということは純正品も両面テープ止め、ということ。
で、こちらは苦労した。
経年変化なのか、元々そういうものなのかは判らないが、元のヘッドバンドの接着が強力で、ベリっと剥がしただけでは、両面テープだけではなく、ヘッドバンドのクッション材がかなりヘッドホン側に残ってしまった。
単に旧パッドを除去しただけでは、ヘッドバンド部にはべったりと接着剤とクッション材が
ガシガシスクレーパーなどでこそげ落とそうにも、AKG K550は片出しケーブル仕様で、このヘッドバンド部に「フィルム」ケーブルが入っていて、左右を繋いでいるので難しい。ケーブルを傷つけては元も子もないので、マニュキュアの除光液(主成分アセトン)で、接着剤を溶かしながら、木べら=アイスクリームの使い捨てスプーンで慎重に除去。フィルムケーブルにもべったりと両面テープの接着剤が残っており、これは指で丁寧に落としたので、ここの工程はほぼ30分ほどかかった。
ここまで掃除するのに、除光液使いつつ30分以上(黄色いのがフィルムケーブル)
全て落ちたら乾燥させて、交換パッドを貼付。しかし、また交換したくなったときに再び苦労するのはタマランので、新しい方は中央のフィルムケーブル部分となる剥離紙を残すように切り込みを入れて、その部分は接着しないようにして、周りだけ接着する方式に変更。
交換すると、非常に快適。全く新品時と違いがわからない。特に、ヘッドバンド部は苦労しただけあって?、非常に良いでき。
ヘッドバンドのパッドは中央部を接着していないが、きちんと固定できている
これでASMR配信が捗るかなー...
【仕様】オーディオなんちゃってマニア道
カラー:ブラック
内容:イヤーパッド1ペア、ヘッドバンド1ピース
素材:フォーム、レザーレット
互換性:AKG K550 K551 K553 ヘッドホン
蘇った。とくにヘッドバンドのパーツがあるのが◎
イヤーパッドの替えは他でも売っているが、ヘッドバンドが交換できたら、一気にボロボロ感が払拭された。
つけるのはたやすい。オリジナルの除去が大変。
交換に関しては、装着するのは全てのパーツ合わせても5分とかかっていない。一方オリジナルの除去には時間がかかった。
イヤーパッドは簡単だが、ヘッドバンド部分を除去するのが.....
接着剤も含めての完全除去には30分以上....
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購入金額
1,999円
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購入日
2021年12月15日
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購入場所
Amazon
Takahiroさん
2022/02/04
完全ワイヤレスイヤホンとかで聞いたりしないんですか?
cybercatさん
2022/02/04
ヘッドバンド部のパーツもあるし。
ヘッドホンは、永く使うにはそのあたりが重要ですね。
完全ワイヤレスイヤホンは、使いませんねー。
メインDAP
jive9821さん
2022/02/04
メインで使い続けるのも同じ理由ですね。どの部品でも普通に売られて
いるというのは大きいです。勿論音への愛着があってのことですが。
現在使っている廉価版のHD6XXも、ヘッドクッションとイヤーパッドを
HD650純正に入れ替えることで、ほぼHD650と同等に出来ていることで
古いHD650からスムーズに移行できています。
cybercatさん
2022/02/04
ヘッドホンに関しては、消耗品がイヤホンのイヤピのように他社製も使える汎用品ではないので、これ重要ですよね。
れいんさん
2022/02/04
私も10年ぐらい使ってるヘッドフォンの部品交換してみようかな
部品あるか探さなきゃいかんががが
cybercatさん
2022/02/04
ヘッドバンドも、AKGやBEATS、SENNHEISERやSONYなどの一部モデルではあります。
harmankardonさん
2022/02/04
cybercatさん
2022/02/04