超能力でキーボードを打たずに仕事したいな、と購入。
正確には、人の脳波を読み取って集中やリラックスという脳の状態を認識しデバイス側に受け渡し機器をコントロールするというものです。
パッケージは2重になっていて、外装の化粧箱をとるとこんな感じ。
対応したアプリは充実していて、かなり遊べるようです。
日本語版ではないので全て英語です。
構造は単純(?)で、脳波を取得して PC にフィードバックするだけです。
配線も何もないので原価はかなり浮きますね。
タブレットなんかにも対応しています。
パッケージ内容。
紙とヘッドセット本体のみ。
ちなみにこの商品は数年前に購入して、直後に長期海外出張になったので開封すらしてませんでした。
当時はセンシングに興味あってむさぼるようにして部品を買い集めたり作ってみたいしていたのですが、瞬間を逃すとなんだか熱が冷めますね…。
値段も1万ちょっとというお手頃価格だったのですが、当時はこういったデバイスに興味を持つ人が少なかったらしくあんまり売れなかったみたいです。
今の時代なら Youtuber とかクリエイティブをやる人が多いのでネタ的にも売り上げが見込めたんじゃないだろうかと思います。時代に先駆けしすぎたんでしょうね。
日本だとたぶん売ってないと思うのですが(少なくとも当時は)海外から個人輸入してわざわざ入手したので、全部英語です。
わかりにくい英語のマニュアルが多い中、これは簡単な英語で構成され文法的にも読みやすいです。
ヘッドセット。
チープというほどチープでもなく、しっかりしているというほどしっかりしていないという感じ。お洒落でもなんでもなく武骨でもないです。
柔らかく肌障りの良い材質でできており、多少汗ばんでもからっと乾くような印象の素材です。
マイクのように見える部分は額に当てるセンサーで、ここから脳波を読み取ります。
写真下に見えるクリップのようなものは、耳たぶに装着します。
この電極から脳波を読み取って信号に変換する仕組みのようです。
乾電池で動くのですが、ここに入ります。付属してませんでした。
こういう乾電池が付いてないというのも興がそがれるところですね。
写真の右下部分にクリップのようなものがあるのですが、これを耳たぶに挟んで使用します。
お前らなんか言いたそうだけど、別に耳たぶから脳波を取得したっていいじゃん!
で、「脳波ってどれぐらいの正確さで取得できるの?」とかいろいろ聞きたいことあると思うのですが、僕が所有している環境では接続できませんでした…。
機器は動作しているようですが接続が確立しないため、動作確認できませんでした。
ソフトやプロダクトに組込可能
額と耳たぶにドライ電極があり、そこから脳波の周波数帯を計測しているようです。
メーカー発表資料によると、搭載された脳波モジュール「TGAM」チップは集中度・リラックス度の信号をデジタルに変換できるということのようです。
機械としては信用があるかもしれないですが、集中度やリラックス度というのが分かりづらく、脳がどのような状態になればいいのかという説明に欠けています。
ちなみに測定可能なデータは以下のようです。
・生波形(12bit)
・信号品質(0-200)
・デルタ波(0.5-2.75Hz)
・シータ波(3.5-6.75Hz)
・低アルファ波(7.5-9.25Hz)・高アルファ波(10-11.75Hz)
・低ベータ波(13-16.75Hz)・高ベータ波(18-29.75Hz)
・低ガンマ波(31-39.75Hz)・中ガンマ波(41-49.75Hz)
・集中度合(1-100)
・安静度合(1-100)
面白いのは、開発ツールや SDK が無償公開されているという点です。
https://store.neurosky.com/collections/apps/developer
いろいろ作って遊べそうなので、クリエイター的には楽しそうです。
既に脳波で動くドローンなど市場になるようですね。
(ドローンなのでコントロールできなくとも墜落しにくいのは良い)
初期接続に難
一応ちゃんと説明しますが、インチキデバイスではなく、ちゃんとした Bluetooth デバイスです。
耳たぶの血管から脳波データを取得するというのは富士通などのウェアラブルセンサーでも実用化されています。また Neurosky 社の技術は東芝など国内メーカーでも使用されており、ちゃんとしたメーカーです。脳波センサーは自動車の自動運転関連技術(睡眠感知や安全面)でも注目されており、導入が期待される分野でもありますね。
この製品に関しては日本国内ではレビューが無いので海外のサイトも確認しましたが接続に難というのが多かったので、そもそも動作させられる人が少ないようですね。
しっかりした作り
商品名はそのまんまですが、メーカーは NeuroSky 社。
業界以外の方は聞いたことが無いと思うのですが、社名よりも「Necomimi(ネコミミ)」という商品名の方が有名かもです。
Necomimi を知らない人のために説明すると、コンベンション業界で大きな話題となった製品で、カチューシャに獣耳が付いた製品で、それが感情によってぴょこんと動くというものです。
大きなイベントなどで、可愛らしい女の子たちが猫耳を付けている映像を見たことがあるかもしれないですが、あれが動くのは自動ではなくて嬉しいや哀しいなど感情の高ぶりを感知させてモーターが駆動するという仕組みになっています。
たぶん Necomimi の中身(ぬいぐるみの猫の耳が付いていない基盤部分)がこの商品なのだと思います。値段的にびっくりするくらい格安になってるのですがこれが本来の値段で、猫の耳を付けるだけで値段が跳ね上がるってブランドデザインの力ですね。
脳波コントロールというパワーワード
技術と値段的に胡散臭さがオーバーロードしている感じですが、脳波用耳電極を使用した測定器は実際に日本の大手企業も研究している分野であり、製造元もちゃんとした機関企業であり、ちゃんとしたデバイスです。
脳波によるセンシングは流行というかこれから需要のある研究とされていると聞くので、今後、市場に大量に並ぶことも予想されます。
この製品は、そんな新時代の到来のための試金石。
エントリーモデルながら、「脳波デバイス」という製品を世に送り出し、技術を定着させる狙いがあったのだと思います。未来に片足をつっこんだという感覚がないといえばウソになります。
その後、みなさんも知っての通りウェアラブルデバイスやスマートスピーカーの台頭にあい、失速の憂き目にあったわけですが。
実際にデバイスは稼働するということですが、その稼働内容が自分の脳波によるコントロールなのかそれとも乱数によるものなのかはイマイチ自覚ができないところです。
脳情報が明確に解析分析されていない現代においては、良くも悪くもオカルトデバイス。
そのデータが脳情報によるものなのかは誰も証明できない第2の「マイナスイオン」みたいな根拠のないブームでしかありません。
果たして、この製品が人体の神秘の微細な何かしらを読み取るデバイスであるのか、それとも単純機構の乱数を発生させるだけの基盤を積んだだけのフェイクアイテムだったのか。
勝手に想像はできるのですが、企業は大まじめに取り組んだ前者の製品としています。
精神状態を可視化するメンタル医療分野においても優位があり。
疲労を可視化するスポーツ分野や労働環境改善の一手にもなり。
テレパシーのように非言語コミュニケーションをとることも。
自動車分野では自走運転支援としても有効。
これらで世界を全く違うものに変貌させる可能性を持った技術であり製品です。
そんな夢のデバイスの実現の第一歩だったわけですが、製品自体はデリケートで OS 側が不安定だったこともあり、なかなか正常に動作させることは難しかったように思います。
今の技術でもう一度作り直してくれたら、絶対買うのにな。
そう願ってメーカーに脳波を飛ばす次第です。
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購入金額
14,000円
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購入日
2021年06月04日
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購入場所
mickeyさん
2021/08/11
いろいろ出来そうで欲しくなりました。
yasukawaさん
2021/08/12
https://www.neurosky.jp/mindwave-mobile2/
市場在庫があるかどうかですね……