特に使うアテがあった訳ではないのですが、安かったので何となく買っておいたM.2 2280規格のNVMe SSDです。
ドスパラの中古として多数放出されていたモデルであり、恐らくショップブランドPC等の標準仕様で使われていたものでしょう。
コントローラーはPHISON製PS5012-E12Sで、簡単に言うとPS5012-E12というPCI Express 3.0対応のコントローラーのプロセスをシュリンクしたものです。これが実装面積の削減と省電力化に貢献しています。このコントローラーはTLC NANDとQLC NANDをサポートしていて、キャッシュメモリーもDDR3LとDDR4をサポートするという、構成に柔軟性を持たせているという特徴があります。最大転送速度は読み出し3,400MB/s、書き込み3,100MB/sだそうです。
コントローラーの上に写っているのはキャッシュメモリーで、Kingston製DDR3Lチップ、D1216ECMDXGJD(容量は2Gbit)が1つだけ搭載されています。
NAND FlashはMicron製のIA5AG63AVAが4つ搭載されています。これは1チップ128GBの3D TLC NANDです。
型番ラベルには「PS5012-E12S 512G」と記載されています。PS5012-E12Sはコントローラーの型番ですが、PHISONのデータシートで調べたところ、PHISON自身がリリースしているSSDの完成品もこの型番を与えられているようです。
同じPS5012-E12Sシリーズでも、搭載しているNANDがTLCのものとQLCのものとがあり、PS5012-E12SコントローラーとQLC NANDを搭載しているCFD販売CSSD-M2M5GEG1VNEも、基板上に印刷されている型番「Q020012HE0000F1F」は全く同じであり、同じ基板上に実装する部品によってそれぞれの出荷先向けに差別化されていることがわかります。
シーケンシャルリードは速いが他は平凡
それでは簡単に性能を見ておきましょう。テスト環境はCore i7-6700+SUPERMICRO C7Z270-CGのPCで、Windows 10 Pro v1909で動作させています。つまり、以前取り上げたWesternDigital WD Blue SN550 WDS500G2B0Cと同じ条件でテストしていますので、比較させる場合にはそちらと併せてご覧いただければと思います。
まずはCrystal Disk InfoでS.M.A.R.Tの情報を確認しておきましょう。
一応中古扱いだったのですが、使用時間1時間というほぼ新品の状態でした。
速度計測はCrystal Disk Mark2種類と、ATTO Disk Benchmarkで行います。まずはCrystal Disk Markから。
一応PHISONエレクトロニクスの公式サイト上にデータシートが用意されているのですが、そちらでは512GB TLCモデルの場合Read 3,400MB/s、Write 2,400MB/sと記載されています。Writeの方はほぼ公称値通りですが、Readがやや伸びません。とはいえ、格安品の500GBクラスとしては比較的良好な方でしょう。
Crystal Disk Mark 7系よりはどうしても値が悪くなりますが、これはWindows 10で古いCrystal Disk Markを動かしたとき全般に見られる傾向ですので仕方ありません。
続いてATTO Disk Benchmarkを実行してみます。
Read 3,000MB/s、Write 2,200MB/s辺りの値で落ち着きます。シーケンシャルについては概ねWD Blue SN550を上回る性能が出ている一方で、ランダムではWD Blue SN550 の方がやや有利という傾向が見られます。
ランダムがやや弱いものの、PCI Express 3.0世代の標準クラスのSSDとしては比較的良好な速度性能を発揮しています。ほぼ未使用に近い中古品であることを考えると、3千円台は十分にお買い得だったということがいえそうです。
生憎年末年始にまとまった数が販売された後見かけなくなってしまいましたが、もし同じような価格で入手できるのであれば、おすすめできるコストパフォーマンスといえます。ただ、デスクトップで利用するのであれば、出来ればヒートシンクは装着した方が良いでしょう。
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購入金額
3,500円
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購入日
2021年01月03日
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購入場所
ドスパラ千葉店
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