本の蟲。
実は結構読書家で、特に若い頃は乱読しました。
ジャンル的にはSF~ファンタジー~ミステリなどからコミックまでイロイロ。
3桁では収まらない蔵書の中からトピックをご紹介していきます
そして「芋づる式洲崎綾 Part8」やや番外編。Webラジオのキャラクターの面白さと天使の歌声のギャップ萌えですっかりファンになった洲崎綾(あやちゃん/ぺっちゃん/あやっぺ)関連。年末(12月)といえばあやちゃんのバースデイということで、それに向けてこの1年で増えてきた彼女の参加した作品や楽曲、Webラジオのイベントやそれらの関連商品まで、幅広く芋づる式にご紹介するシリーズレビューの...8回目だが、少しだけ番外編(9巻特装版に付属するドラマCDで、あやちゃん演ずる新宮聖美はでてくるが、あやちゃん自身は小説の方の創作には関わっていないので)。
ラノベ「中古でも恋がしたい!」は、田尾典丈の作品。元々、田尾が太田岳規の別名義で「小説家になろう」に連載していた作品で、それが書籍化される際に田尾名義に統一された(なお、「なろう」に掲載されていた投稿は現在では削除されている)。
自分はあやちゃんが参加した本作品を原作とするドラマCD
をきっかけに、本作に第3巻の刊行のあたりで出会い、「原作本」として遡って読み始めた。
エロゲオタク新宮清一(あらみやせいいち)は、乱暴されそうになっていた女性を偶然助けることになる。その次の日、清一は裏バンとも噂される茶髪改造制服の同級生綾女古都子(あやめことこ)に声をかけられる。前日助けた女性は古都子だったようなのだ。助けられたことで清一に好感を持った古都子に付き合ってくれと言われたが、「二次元にしか興味ないから」と断る清一。すると古都子は「お前の理想になってやる」と宣言し、清一の悪友、実はエロゲオタク仲間の外崎啓太(とざきけいた)から清一の好みを訊き出し、翌日から黒髪ツインテールにして、清一に猛烈アタックを開始する。
一方、現役高校生声優でクラスのアイドル初芝優佳(はつしばゆうか)も清一に接近し始める。これにはクラスの他生徒もいぶかしむが、これはかつての因縁で古都子に執着を持つ男が、自身の親と優佳の父親の関係を悪用して、古都子に近づく男を排除しようと優佳に強要していたものだった。
実は優佳と古都子は以前からの知り合いで、誤解が解けた二人は仲直りする。「中古」のあだ名も、古都子の旧姓(親が離婚したため)「田中古都子」に由来すると判明、ドロップアウトしかかっていた古都子も仲間に恵まれ、更生の道を歩み始める。清一は、付き合うのはともかく、友人となった古都子の悪い噂を払しょくしようと、優佳と外崎、そして兄をDT呼ばわりしているが、古都子や優佳には懐いている清一の妹新宮聖美(あらみやきよみ)と、デジタルゲーム研究会という部活を立ち上げ活動を始めた。
そんなタイミングで現れたのが、ガングロギャルの転校生諏訪間天女(すわまいぶ)。彼女を見た清一は、思い出したくない過去がフラッシュバックする。天女こそ、清一がリアルお断りの二次元信奉となった元凶。小学生のころ天女が好きだった清一は、天女からもらったラブレターに、指定場所の遠方の公園に出かける。しかし、天女は現れず、雨が降り始めた夜の公園で、帰り道もわからなくなり、永い間雨の中をさまよった清一は、何日も熱が続く重症になってしまう。これにより、人間不信になり、不登校も経験し、今ではリアルお断りのSJ信奉のエロゲオタクになってしまった。
当初、過去をばらすことを匂わせながら清一をいいように動かしていた天女だが、意を決した清一から、「おまえのガングロは一番受け入れられない」「昔の話をするなら勝手にしてくれ」と宣言される。その後ガングロメイクから、白ギャルに変貌した天女だが、あきらめずに清一に絡み続ける。
一方、古都子の悪い噂を解こうと立ち上げたデジタルゲーム研究会の活動が実を結び始めたのか、徐々にうわさが改善し始める。聖美の同級生で以前カツアゲされていたところを古都子に助けられた男の娘??才谷龍馬(さいたにりょうま)からもお礼を言われ、古都子は周囲に受け入れられ始めるのを感じるのだった。
古都子と清一の仲が進展し、自分に振り向いてもらえないと感じた天女は清一を体育倉庫に連れ込み、既成事実を作ろうとするが、清一を助けに来た古都子に諭され、改心する。実は天女は、もともと清一のことが好きだったが、小学生の時人気者だった清一を貶めたかった当時の同級生アコこと時雨亜恋(しぐれあこ)に「ラブレターを出して相手が呼び出しに応じるが、それに自分は応えない」というのが、恋を成就させる秘訣だと騙されて、かつての所業をしたのであった。
清一の従姉で清一達の通う高校の教師、そしてデジタルゲーム研究会の顧問でもある小谷桐子(こたにきりこ)の計らいで研究会に加わることになった天女は、清一に対してアプローチを続けることを宣言し、古都子や優佳に競争心を沸かせるのであった。
そんなデジタルゲーム研究会だが、清一と外崎以外は全員美少女ということもあってか、あらぬ疑いをかけられる。清一が美少女を侍らせて毎日いかがわしい事をしている...との噂。この噂を聞いた生徒会長八百谷合梨(やおたにあいり)から部室を明け渡すよう言われる清一たち。どうやら真正百合らしい合梨への、優佳達女性陣の嘆願により、即刻退去は免れたものの、1ヶ月以内に噂撲滅が出来なければ部室明け渡しを言い渡される。
一方この間、清一を自然に連れ出した?聖美の協力もあり、エロゲのイベントスチルに出てきそうな清楚な装いの古都子とのデートが行われ、徐々に古都子に惹かれていく清一。
時が経つにつれて学内の噂はひどくなり、部室の家探しが急遽行われることになる。そうなると貯め込んだ18禁ゲームがバレてしまい、清一は処分を受けることになる可能性が高くなった。百合の生徒会長に身を投げ出して、部室の捜索や噂の拡散を止めてくれるように頼む古都子。それを察した清一はその場に飛び込んで、古都子を合梨から救い出す。立ち去ろうとした清一の喉を、意外な強さを見せて決める合梨。それを止めようと、合梨を締め上げた古都子に、「暴力はだめだ」「以前のお前じゃないだろう?」と息絶え絶えになりながらも清一は語り掛け、古都子も暴行を思いとどまる。
実は合梨は、以前男に騙されて捨てられたため、極度の男性不信。これにより清一を嫌い、古都子に執着していた。ただ、実は18禁の百合ゲー好きな一面もあり、その後は緩く清一たちに絡んでいくことになる。
夏休みが来て、楽しく休みを満喫するために、清一の家で宿題に取り組む古都子や天女。しかし、基礎がなっていない二人はなかなか進まず、ついに清一は最終兵器を召喚する。鬼軍曹優佳である。
優佳のスパルタ教育を受けて、なんとかメドがついたため、エロゲを買いに街に出た清一と古都子。そこで出逢ったのが、かつて天女をそそのかして清一を雨の夜呼び出し、リアル女子への拭いがたい不信を植え付けたアコと、彼女と付き合っているキョーヤこと風晴響弥(かぜはるきょうや)。その場はそのまま別れたが、清一は古都子に過去のいきさつを説明するのだった。
待ちに待った夏休み。研究会の親睦を深めるため、優佳の父親のつてで避暑地で夏合宿をする。川辺のBBQでは、古都子が意外な釣りの腕を披露したが、山での散策中、霧が出てきて清一と古都子が道に迷う。雨も降り始めたとき、二人は避難小屋を見つけて避難するが、古都子の具合が悪くなってしまう。発熱して苦しそうな古都子を見て、清一は古都子の濡れた服を脱がせ、ひたすらタオルを絞っては水滴を拭い、絞っては拭いのbotになるのであった。その後、助け出された二人に優佳が訊く。「コットン(古都子)、もしかして大人の階段上っちゃった?」「「してねぇよ!!」」
オタクの夏休みと言えば次はコミケだ。オタク初心者の古都子を連れて同人系の店に入ったとき、そこにはアコとキョーヤがいた。そして生徒会長の合梨も。キョーヤを見て青ざめる合梨。以前合梨を弄んだあげく、こっぴどく振って、男性不信にさせた張本人はキョーヤだったのだ。
同人系の店で彼らと会ったことに不安を感じながらも、やってきたコミケ当日。天女が体調不良となって救護室に担ぎ込まれるなどのトラブルもあったが、予定コースをほぼ回り終え、やってきたのはコスプレエリア。そこで、清一は古都子が自分の(そして古都子も)好きな18禁ゲームのヒロインのコスプレをしていたのを見せられる。思わず、古都子に目を奪われる清一。そこに出てきたアコとキョーヤ。古都子のコスプレが18禁モノだと言い、高校生なのにルール違反だと追い詰める。その場は合梨の論破で切り抜けたが、会場を撤収したあと清一の家で元気がない古都子。清一は古都子にもう一度コスプレ衣装を着てもらい、本当に綺麗だと思ったと伝えるのだった。
秋には文化祭がある。清一達の研究会の出し物はメイドカフェ。メイド服を着て、かいがいしく働く古都子を他生徒に見せて悪い噂を払拭するという狙いもある。古都子の家でメイドの言葉遣いの練習をしているときに、やってきたのが古都子の姉の養護教諭で、妹を溺愛する田中徳子。清一の書いた台詞集を読み上げ、意味ありげに冷たく笑う徳子。清一は身の危険を感じるのであった。
文化祭が迫る中、近隣の黒陵高校から合同文化祭の提案があり、それを受け入れることになる。合同文化祭の実行委員にアコを見つけ、きな臭いモノを感じる清一。合同文化祭に向け、クラスの出し物は劇に決まる。ヒロインのジュリエットは優佳か...と思いきや、合同委員会から放送を頼まれているので、と断られ、古都子に落ち着く。
ついに始まった文化祭。劇は2日目なので、1日目はメイドカフェに注力。わざとこぼしたコーヒーを古都子に拭かせ、さらにコーヒーを掛けようとした不良が、雷神の異名を持つ数学教師田所につまみ出されるような多少の波乱はあったが、つつがなく終わった。一方、優佳が担当している校内放送の後半の原稿には、古都子の所業があることないこと書かれたものが混ぜられていることがわかる。この放送は、優佳がかつて声優としての功を焦るあまり、18禁ゲームに声を当てたことがあり、それを掴んだアコ達が優佳を脅して仕組んだことだった。清一達は放送をやめさせようとするが、アコに阻まれる。そこを突破しようとしている最中に、優佳が放送でリスナーからの恋愛相談の手紙を読む。それには「自分の親友が自分と同じ人を好きなのだが、その親友は自分に悪いことをしたと思っていて負い目があり、好きな人にも一歩引いてしまう、親友とは正々堂々と勝負したいと思っているが、どうすればよいだろうか」というもの。恋愛相談のていをとっているが、あきらかに古都子が清一を念頭に優佳に宛てた手紙だった。それに気づいた優佳は吹っ切れ、アコ達が仕組んだ手紙は読まず、18禁作品に出ていたことをバラしたければそうすれば良いとアコに告げる。そしてその日の最後に、清一は優佳に呼び出され、告白を受けるのだった。
文化祭は2日目。クラスの出し物は「ロミオとジュリエット」。プロの声優、優佳の演技指導を受けた、清一のクラスの劇のレベルは高く、ロミオ役に愛の言葉を告げるジュリエット役の古都子に、清一は嫉妬らしきものを感じるほどだった。劇も終盤、照明係の清一はセットしてある大道具が舞台上の古都子の上に落ちそうになっているのに気づく。いまにも落ちそうな状態に、清一は思わず舞台に滑り込み古都子をかばう。「古都子おおおおおおおおおおっ!」優佳のアドリブナレーションでなんとかその場を収めたが、犯人は大道具係の西羽良(にしはら)だった。西羽良は以前アコにイジメから助けられたことがあり、アコの依頼を断れなかったのだ。そしてアコが古都子に敵意を持つ理由が判明する。以前キョーヤがカツアゲをしていたところ、止めに入った古都子に殴られて歯を折り、サッカー選手としての将来を潰されたことを逆恨みしているらしい。そして自分も消えない傷を受けたという。アコは文化祭のラストにミスコンを企画し、自身も出場し、背中の傷を晒す。そしてこれは古都子に付けられたモノだと主張する。古都子に集まる非難。その時清一は、その傷がよく出来たタトゥーシールであることを見抜き、さらに古都子がキョーヤの人生を狂わせたというが、それを言うなら自分もアコはによって人生を狂わされたと主張し、アコを論破する。アコの棄権によってミスコンは終わり、文化祭は幕を閉じた。
文化祭後、他校の養護教諭だった徳子先生が、自校に着任し、不吉なモノを感じたものの、清一(たち)はクリスマスイブに発売される大作エロゲを楽しみに待つ...ハズだった。
しかし、懸賞で欧州旅行が当たったと、急に清一の両親が出かけることになってしまう...ということは兄を毛嫌いしている聖美との同居生活?憂鬱すぎると、出て行け、お前が出て行けの応酬の後、聖美が採った「プランB」は、古都子の召喚。ちょうど自分の母親も出かけていたのを幸い、花嫁修業?と嬉々として家事に励む古都子だが、徳子先生の耳に入らないはずもなく...清一の家から夜叉の形相をした徳子先生が古都子を連れ去った翌日。呆然としている古都子が、雷神田所とともに生徒に恐れられている風神村上という教師に粗相をしてしまう。悪気はなかったが、ここぞとばかりに古都子を責める村上に、清一と優佳が古都子を擁護したところ、村上の逆鱗に触れ、期末考課でクラスの平均80点以下なら冬休み補講、とくに清一と古都子は90点以上を申し渡される。
古都子になぜ気がそぞろなのか清一が訊くと、「お姉ちゃん(徳子先生)にエロゲ全て捨てられた」とのこと。その中には、清一が貸していたものも入っており...墓までも持っていくつもりだった名作エロゲの喪失に震えながらも、気持ちを切り替え、期末考課対策をする清一たち。クラスの中で一番国語が得意な西羽良に教えを請い、部活先輩ネットワークを使って過去問などを全て取り寄せ、特に点数が心配な古都子や天女には鬼軍曹優佳を召喚してテスト対策。なんとか、クラス全員80点をクリアし、村上のハナを明かしたのだった。
...そうこうしているうちに、徳子先生からの呼び出しが来た。汚らしいものを見る目つきで説教をする徳子先生に、なんと言っても年齢的に法律違反している清一は勝てない。ただ、リアル女子に失望していたときに、立ち直るきっかけをくれたのは、良作のエロゲだったとは伝える。桐子先生も当時の清一の唯一のよりどころはエロゲだったと加勢してくれ、この問題は棚上げに。
そしてクリスマスイブ当日、桐子先生からの外出禁止令や監視もかいくぐって念願の大作エロゲを手に入れた清一と古都子の二人は、ゲームプレイにいそしむのだった。
次のイベントは修学旅行。旅行先は例の大作エロゲの舞台、京都・奈良。つまり聖地巡礼。清一はこの機会をとらえて確かめたいと思っていることがあった。徳子先生から言われたからと言うわけではないが、いい加減「答え」をださないと、と。そこで、この旅行中に、古都子と二人だけの単独行動で聖地巡礼し、自分の気持ちを確かめようと考えた。
その計画は優佳に漏れてしまい、優佳とも単独行動を取る約束をさせられるが、無事グループ行動を抜け出し、古都子と清一は二人で聖地巡礼する。しかし、渋滞にはまり目的地を回りきれず、店に行ってみると休業だったり、代わりに入った茶菓子屋では他の客より出てくるのが遅かったりと散々な状態。古都子は「二人で行動できたからいい」と慰めてくれたが、惨めに感じた清一は古都子に「逆に惨めになる」と冷たく告げてしまう。宿屋で同様な行動をして上手くいかなかった級友と落ち込んでいると、外崎にプラン通りに行かなくて不機嫌になっているのは自分たちであり、古都子たち相手に不機嫌な態度を見せるのは間違っている、と指摘され、二人は夜の行き来が禁止されている女生徒宿泊階に突撃して謝り、「もう一度チャンスをくれ」と告げるのだった。
次の日は約束させられた優佳との単独行動。前日の二人の様子を見て、でも「諦めたくない」という優佳。ただ、古都子と付き合うことにするなら、自分を振ってからにして欲しいと告げる。単独行動の最後に優佳は「あなたを好きになってよかった」ととびきりの声で言い、清一を動揺させる。声優のオーディションのセリフだとは言っていたが、果たして...古都子とのリベンジ周回もおわったが、心残りがありそうな古都子を見て、徳子先生に相談してみると、京都・奈良はふたりの両親が離婚する前、最後に計画されていた旅行先だったので、「やり残し感」があるかも、とのこと。清一は古都子の想いを叶えるべく、三度目の離脱を試みる。それは教師陣の知るところになったが、最近の清一の変化を観察していた教師田所から、予想外の援護射撃を得られ、ふたりで伏見稲荷に行く。そこで清一は、自分は古都子に幸せになって欲しいんだ、と気づく。そして古都子からは、清一に改めて優佳には負けない、と宣言される。
修学旅行で一人清一との単独行動が叶わなかった天女は、バレンタインを前に行動を起こす。ゆるふわ白ギャル風ファッションから、髪を黒く染め戻してストレートにし、小学生時代の天女がそのまま育ったような正統派美少女に戻る。「もう、ウチとせーいちは、昔には戻れないの?」と問う天女に清一は「時間を巻き戻すことはできないんだよ」と答えるのだった...
バレンタインデーに向けて、様々なことが動き始める。聖美がチョコレートを作り始めたが、食い物とは思えないダークマターを作り出しては、清一に喰わせていた。途中から外崎や龍馬にも食べさせて犠牲者を増やしているらしい。食後悶絶する物体を作り出して、一体何をするつもり...?聖美がヤケ気味にチョコレートを作る意味...以前は聖美も清一と普通に接していた。ここまで清一を毛嫌いするようになったのは、天女との事件後が決定的だったような記憶があるが、それ以前も小学校以前の仲の良さからは崩れてきたような気がする。清一には何がきっかけかわからなかったが、常に優秀な姉(徳子先生)と比べられていた古都子が答えにたどり着く。上の子が優秀だと、下の子を兄や姉と比較する大人たちがいる。その上の子に負けないよう頑張っていた状況下で、目標にしていた兄が天女との事件で、ダメになり、登校拒否になったりエロゲオタになったりして、目標がなくなってしまった。その気持ちが理解できる古都子は、清一に一度真剣に聖美と勝負することを提案する。勝負は清一と聖美がチョコレートを作り、第三者に判断してもらう..というチョコレート対決になった。それを受けた清一は聖美に勝負を持ちかけ、清一には優佳が、聖美には古都子がコーチとしてついて、猛特訓。出来上がったチョコレートを、3人の審査員、生徒会長の合梨、天女、龍馬が判断したが、龍馬が決めきれず、引き分けになり、清一と聖美は互いの作品を味わうことになる。清一はダークマーターを生み出していた聖美の成長を、聖美はチョコレートを作ったことのなかった兄の努力を認めるのだった。「・・・・・・ようやく、お兄ちゃんに認められたから」
年度が替わり、清一達は最上学年になった。新入生が親しげに清一に接近する。「せー先輩!」彼女こそ、清一のリアルお断りを決定づけた人物、結城麻奈。清一が天女との事件のあと、それでもリアルにまだ「夢」があったころ、麻奈からラブレターをもらい、懲りずに待ち合わせ場所に出向いたが、結局麻奈も現れなかった。この事件を最後に清一はリアル女子には興味をなくし、二次元一直線になるのだが、麻奈によると待ち合わせ時間を勘違いしただけで、本当に悪かったと思っていると。それから清一の高校に受かるまで、ひたすら自分を清一好みに磨き上げたとのこと。その甘いヴォイス、かわいらしい姿、まさに2.5次元少女。
麻奈は公衆の面前で清一に告白すると、その後も積極的に突撃してくる。古都子よりもさらに吹っ切れたスキスキ攻撃。古都子も恋敵とは認識したようだが、自分自身がまだ清一の恋人ではないので、麻奈のアタックを容認する考え。麻奈は古都子より出遅れている認識があり、エロゲで磨いたエロゲヒロインスペック?で、猛烈なアタック。でも清一は「・・・・・・今、オレの理想に一番近いのは古都子だ」と告げる。しかし、諦めない麻奈。
そんな2.5次元エロゲヒロイン美少女の麻奈のアタックを受け続けたせいか、清一にも変化が。あれほど楽しみにしていたエロゲのプレイ中に寝落ちしてしまうのだ。エロゲと一度距離を取ろうと、リアルイベントに行くかと部員(古都子たち)に相談すると、彼女たちとリアルデートをすることになってしまう。
最初は優佳。ゲームより、リアルを、とばかりにリアル脱出ゲームに興じる二人。その後ボードに乗って。当然?ボートは揺れるもの??次は天女。ボルダリングで汗をかいた後は、水場着用のスパでサッパリ。天女の他を圧倒するメロンに目のやり場が...。古都子とは釣りと射撃場。相変わらず古都子の弁当は美味い。最後は麻奈で二人で手作りシルバーアクセを贈り合い、動物園へ。苦手な犬に絡まれ、ズタボロになった麻奈は、バイト先のメイド喫茶に立ち寄り、メイド衣装に着替えて、清一を接待。
全てのデートが終わって、三次元女子とのデートに心動かされながら、結局麻奈とエロゲショップに行くことになった清一。そこで古都子と逢い、結局3人で購入したエロゲをすることに...ゲームをやっていた3人だが、いつの間にか寝てしまったらしい。
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清一が目を覚ますと、隣には全裸の古都子と麻奈が寝息を立てていた??
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...と言う感じに話は進む(上記までが12巻までの動き)。学年変わって、麻奈が出てきて、リアルのデートをこなして...と盛りだくさんの12巻だったが、次の13巻で終了。結末自体は突拍子のないものではなかったが、そこへの到達が激動すぎて、少々ついていくのが大変だったかも。少なくとも麻奈の想いはもう少し軟着陸させて欲しかったな..
全13巻(CD添付でサイズが異なる9巻を除く12冊/3巻には「ドラマCD化決定」の帯が)
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なお、この原作本の第9巻には、ドラマCDが付属する特装版があるが、キャストはそれまでのシーサイド・コミュニケーションズ制作のドラマCDと同じになったので、そちらからこの物語に入った自分には違和感がなかった(追加キャスト1名あり)。それまでのドラマCDは原作第1巻から第3巻の内容を再現していたものが、今回は趣向を変えて「私立ドキワク学園 青春編」という完全オリジナルストーリー。
優佳の父親の会社の関係会社が開発したというVRゲームに興じていた清一たち。リアルなゾンビゲームをプレイしていて、叫びながら覚醒する清一。頭をぶつけ、劇中でゾンビに噛まれた肩がまだ痛むようだという清一だが、次に学園物のギャルゲーのプレイを提案される。多人数プレイ対応ということで、「また頭をぶつける人がいたら」介抱しなければならないから、という養護教諭で古都子の姉田中徳子以外のその場にいた古都子や優佳、天女に聖美や龍馬、外崎もプレイすることになる。
全員がVRゴーグルをつけ、ゲームにダイヴしたとたん鳴り響くエラー音....
清一は妙にリアルな空間にいるのに気づく。朝、優佳に起こされる清一。彼女は「幼馴染のゆかすけ」だという。優佳とは幼なじみではないだろう、と突っ込む清一だが、彼女は「そんなことも忘れたのか」というスタンス。
登校時に古都子に出会うが、古都子は出会った当初の茶髪改造制服で、清一に「馴れ馴れしく下の名前で呼ぶな」とすごむ。
高校1年のクラスの担任は徳子で、そこにはガングロギャルの天女や外崎のほかに、なぜか同級生の聖美や女体化した龍馬もいる始末。そんな清一を廊下に呼び出した徳子先生はこう告げる。「システムがバグったようだ」「登場キャラを攻略し、卒業時に屋上で告白されないとゲームを抜けられない」「好感度はデートなどで上がるが、ひとりに集中しすぎると他のキャラクターの好感度が下がり、悪評を垂れ流すなど悪影響がある」とのこと。徳子先生はゲーム攻略をバックアップするので、清一は攻略に励め、とのこと。ただ、古都子溺愛の徳子先生からは、「古都子ちゃんを無下に扱ったら...」とくぎを刺される。
親友キャラで、女の子のデータ情報源の外崎とのやり取りで、攻略対象の電話番号などをゲットしながら、ゲームを進める清一。古都子とのデートでは、釣りが好きなどの現実の記憶などを活かしながら、返答し、順調に好感度を上げていく。
しかし、なかなか好感度が上がらない聖美が、周りのキャラへの悪影響を与え始める寸前だという警告を聞いて、イヤイヤながらデートをするが、どうしても兄を毛嫌いする現実の聖美を思い出して下手に出れず、デートの途中に聖美を怒らせてしまい、全キャラの好感度が最悪まで低下する。「触るな、ドーテ○!おまわりさん、こっちです~!!」
徳子先生に諭され、今度はまんべんなくデートをこなして、再び全員の好感度を高く持っていく清一。
天女とのデートでは、怪力キャラ設定の彼女とのボーリング。レーンに着地しない剛速球でストライク連発する天女に400点(ぉぃw)対0点でボロ負けしながらも、好感度アップ!優佳との勉強会デートでは、勉強を教えるとなるとドS女王となる「優佳様」にシバかれながらも、好感度アップ!!ヤンデレ女子キャラ龍馬との、睡眠薬を飲まされての緊縛デートでは、身と精神の危機の恐怖を味わいつつも好感度アップ!!!..と、全キャラの好感度を上げる。
古都子ともデートを重ね、「下の名前で呼んで欲しい」と言われるほど、好感度を爆アゲし、ついに卒業式を迎える清一。
はたして屋上で清一は誰に告白されるのか...最悪、親友エンドのルートもあるらしい??
といったもの。
VRゲーム内でのこと、という設定なのもあって「中古でも恋がしたい!」のキャラのエッセンスを使った別ストーリー、という感じ。単体として楽しめるようになっているのは良い面だが、あやちゃんファン視点で見ると厳しい面も。
今までと違ってあやちゃん演じる聖美が同級生キャラで攻略対象でもあるので、絡みは多く、しゃべっている時間数・セリフ数自体はむしろ今までのドラマCDよりも多いくらいなのだが、「清一をDT扱いする難易度高のツンツンキャラ」という立ち位置のみで、今までのドラマCDのように、古都子などに対する快活な後輩キャラ、龍馬を引っ張る姉さんキャラと言った別テイストの演技がないので、画一的テイスト。
ちょっとそこが「堪能」という点ではやや辛めにせざるを得ないか...といった感じ。
ただ、別会社企画の先行ドラマCDと、出版元が手掛けるドラマCDではキャスト変更もあることが珍しくないのに、変更せず制作してもらえたので、声のイメージが崩れずに済んだのはマル。
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一方、ラノベ「中古でも恋がしたい!」、小説としてみると、若干竜頭蛇尾のイメージ。
全13巻の割り振りは
①古都子との出会いと、古都子のツインテ化、「清一の理想になる」宣言、優佳との仲直り
②天女登場、かつてのトラウマ事件がアコの差し金だったことが判明、龍馬も登場
③八百谷生徒会長から言われた廃部の危機を乗り越え、古都子との確かな友情を確認する
④アコとキョーヤとの再会、夏合宿で具合が悪くなった古都子と避難所で一夜を過ごす
⑤アコとキョーヤとのさらなる接触、古都子のゲームヒロインコスプレに目を奪われる
⑥アコに脅されていた優佳が、古都子の手紙で吹っ切れ、清一に告白をする
⑦アコが古都子にケガさせようとした事や、傷つけられたと偽証しようとした事を清一が暴く
⑧徳子先生に古都子がエロゲをしているのがバレ、それが清一の(悪)影響だと知られる
⑨古都子への気持ちがなんなのか確かめるべく修学旅行で単独行動するが、デート失敗
⑩優佳との単独行動で再告白を受け、古都子との行動で清一の気持ちに整理がついてくる
⑪変身した天女の再アタックにお断り、聖美との料理対決で(多少)和解する
⑫最強の後輩キャラ麻奈登場、清一のエロゲへの熱が冷めかける?古都子と麻奈との同衾
⑬上記がバレて、清一の謹慎、退学の危機...を乗り越え、リアルな決着
という感じ。
優佳、天女といったライバルキャラとの恋の決着に10巻以上もかけているのに、清一の理想に合わせて自分を磨き上げたという「最強のライバルキャラ」麻奈の攻撃と決着が足かけ2巻、実質1巻半では「ラスボス感」が希薄。むしろ、時間かけてじっくり描かれた優佳とのエピソードの方が:古都子との仲直りをさせてくれた人物に対する好意⇒部活で人となりを見てますます高まる好感度⇒あふれ出る想いで古都子への負い目を振り払い告白⇒宣戦布告後積極的なアプローチ⇒古都子へ傾く清一の気持ちを把握しながらも、最後まで頑張る...といういじらしさがあり、よっぽどラスボス感が強い。
刊行スピード的にも10巻までは正確に3か月ピッチで順調だったが、10⇒11巻、11⇒12巻はそれぞれ半年、12⇒13巻に至っては1年10か月間隔とスピードが落ち、〆の部分が相当な難産だったことがわかる。
一応、読者の期待する座りの良いエンドにはたどり着いたが、最後の最後が待たされた割には、超高速でドドドドド駆け抜ける...というよりすべてをなぎ倒しながらゴールにたどり着くという感じで終わってしまったので、「余韻」不足。最終巻は少なくとも1.5冊分以上のヴォリュームが欲しかった...
そこが若干残念ながらも、あやちゃんも参加したドラマCD計4枚と合わせて楽しめ、まるでReDrop画伯の美麗なイラストが動き出しているような「ライヴ感」を感じられる作品でした。
この作品は、なんだかんだ最後まで刊行が楽しみだったな...
7巻は挿絵担当RedRop画伯の設定集などがついた小冊子付き限定版を入手
...RedRop画伯のオリジナルストーリーのマンガやSSなどが収められた
原作は3巻以降はリアルで追えたので、なんだかんだ購入店特典も結構...
【9巻特装版ドラマCD「私立ドキワク学園 青春編」】
<収録内容>
1. 部室に最新型VRゲーム機がやってきた!
2. 見せてやるぜ!エロゲゲーマーの実力をな!
3. 聖美とデートで好感度爆下げ
4. 優佳、天女、龍馬とのデートで闇を見る
5. 古都子とのデートで高感度急上昇
6. ひとりの女子として見てもらいたいんだ!
7. キャストトーク1:田丸篤志・大坪由佳
8. キャストトーク2:内山夕実・西明日香・洲崎綾・本渡楓・植田佳奈
<キャラクター&キャスト>
綾女古都子・・・内山夕実
新宮清一・・・田村篤志
諏訪間天女・・・大坪由佳
初芝優佳・・・西明日香
新宮聖美・・・洲崎綾
才谷龍馬・・・本渡楓
外崎啓太・・・逢坂良太
田中徳子・・・植田佳奈
9巻のドラマCDは単体で楽しめるが...
本筋とは完全に独立したオリジナルストーリー=VRゲーム内の出来事ということで、古都子は最初スケバン風だし、天女もギャル語が多すぎ、女性キャラ化した龍馬はヤンデレ口調と、原作に忠実なシーサイド・コミュニケーションズのドラマCDとは微妙にキャラが違う。この作品は「中古」の舞台設定を使った、パラレルワールドとして楽しみたい←ゲーム内の話...ということである意味正しいのか。
最後の数巻(特に最終巻)が詰め込みすぎた
古都子、優佳、天女の3ヒロインの登場や、ハーレム状態で学園行事をこなしつつ、微速前進で進む古都子と清一の関係を味わっていたころは、とてもテンポがよかったが、主軸ストーリーが動き始めてからが、少々性急で、特にラスト2巻、刊行間隔があいて待たされた割には急転直下に話がたたまれ、不完全燃焼感大。12巻で、憧れの清一先輩の好みにすべて合わせるよう自分を磨いたという2.5次元美少女後輩麻奈に関しては、「主人公の恋路に立ちはだかる最強ラスボスキャラ」というような雰囲気で登場したわりには、結末があっけなさ過ぎて、当て馬感が否めない。基本的に「古都子を選んでハッピーエンド」か「結局決めきれないハーレムエンド」かのどちらかにしか行く先がないストーリー展開というのは序盤に読めていたため、いわば「結果を知っておりながら過程を楽しむ物語」。特に中盤以降、古都子とのイベントが多く、好感度が急上昇していたため、前者のエンドというのは途中から読者はわかっていたはず。それまでの展開速度からは、「最強のライバル(麻奈)」が登場したら、2~3巻は清一の心も揺れつつ、でも最後には本命=古都子が勝つ!という感じを期待していたのが大多数だと思う。それが1年以上も待たされた割には、パタンと本を急に閉じたような結末となったところがザンネン。この巻数で終わりなら、ムリに麻奈を出さず、優佳と天女との誠実なお断りイベントをこなして、最終的に古都子を選ぶ...という方が、自然だったように思う。
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購入金額
10,662円
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購入日
2020年06月28日
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購入場所
いろいろ
くーねるさん
2020/12/01
cybercatさん
2020/12/01
ただ、あまりにストレートだったので、コミック化の時には「現実の彼女はいりません!」に改題されました。