所持する音楽データに対する私利私欲...イヤ私情私見あふれるコメント、音楽の杜。こういった分野のものは「好み」ですし、優劣を付けるのもそぐわない気がしますので、満足度の☆はあくまで私的な思い入れです。プロデューサーを換える、というのは大きな決断です。しかもそれがデビュー時から付き合いがあり、楽曲提供もされてきた人物ならなおさら。しかし、ソロ活動を本格化するにあたり、グループ時代からのコンビを解消して羽ばたこうとしたアーティストの作品をご紹介します。
hiroこと島袋寛子。ツインヴォーカルだったアイドルグループSPEEDの高音域担当メインヴォーカリスト。SPEEDは、プロデューサーの伊秩弘将の曲を歌うグループでもあり、それは一時解散後は絶対的なものではなくなったが、それでも半数くらいのシングルは伊秩が創っていた。hiroもグループ存続中のソロ活動においては、初期は伊秩の曲を歌っていた。
それが、SPEEDの(一時)解散となり、「脱伊秩」に舵を切ったのが本作、通算3rdシングルとなる“Treasure”。
プロデューサーは今後3作に渡って一緒に制作を行う葉山拓亮。葉山は、D-LOOPというグループでキーボーディストとして活動していたが、その活動停止中を中心に、w-inds.や河村隆一、関ジャニ∞、八反安未果など、多くのアイドルやシンガーに楽曲を提供した。
今回の曲(シングル全曲葉山の作詞作曲)は、伊秩とは少し違うカラーだが、歌詞は同路線で、やはり切ない方向で攻める。
表題曲「Treasure」。hiroの特徴である高音域を多く使った楽曲で、高域になると声がハスキー目になるhiroの特徴を強く押し出している(最高音はE5)。♪幼かった恋心/それは経験と共に/愛することの意味を/覚えていったよね♪と「幼かった頃」の恋が愛に変わるのを歌うのはSPEED時代からの伝統??
「Secret Promise」。ストリングス系シンセサイザーのシーケンスパターンで始まる、COOLな肌触りの曲。サビでの転調が印象的で、少し大人っぽい路線を狙ったモノ。後の“Naked and True”のようなオトナの女性にわずかに届かない背伸びしたカンジがある。♪純な想いを守り続けて/生まれゆくものそれは It's just 2 step/誰も真似できないような呼吸/ずっと合わせていきたい♪
「Early Passed Time To Winter」は、打ち込みバックのミディアムテンポな曲。オケはハープのような音のアルペジオシーケンスと非ドラム音のリズムで、ちょっとクラシカルというかアーシィというか、一般的なポップスとは雰囲気が違う。淡々と進む曲だが、hiroの伸びやかな声が曲に抑揚をつける。
このあとhiroは葉山と引き続き2枚のシングルを創るが、いずれも伊秩時代とはカラーを微妙に変えて新味を狙った。ただ、「微妙に」というのが結構難しかったようで、他の制作陣と組んだり、一時伊秩とのコンビを復活させたりして方向性を探った。結局hiro-葉山コンビのオリジナリティが出るのはタッグを復活させた8thシングルの“Notice My Mind”まで待たなくてはならなかった。
しかし、hiro時代のカラーのひとつは、やはりこのhiro-葉山コンビ作品でもあるので、そういう意味ではその原点。
hiroのどの部分を引き出すか、「探っている感」がある作品です。
【収録曲】
1. Treasure
2. Secret Promise
3. Early Passed Time To Winter
4. Treasure (Instrumental)
5. Secret Promise (Instrumental)
6. Early Passed Time To Winter (Instrumental)
「Treasure」
確かに今までとは違う、が。
でも「どう変えればよいのか」まだ迷っている感がある。
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購入金額
1,200円
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購入日
2000年頃
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購入場所
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