として発売された機種です。
当時の主力機種であったPEG-NX70V/60が備える特徴は全て備えた上で、デジタルカメラ
は200万画素化(当時はコンパクトデジカメの主力クラスで300万画素程度)、FeliCaリーダー
内蔵など、今後の流行を先取りしたような仕様となっています。
装備水準からすれば間違いなく最強なのですが、その分Palm OSや電力の制約を強く意識
させられる製品でもあります。
まず、CLIEとしては珍しい着脱型バッテリーパックを採用しているのですが、これは利便性
追求などというわけではなく、電力消費が激しいため1日持ち歩くとバッテリーが持たない
可能性がある事に対しての対策だったと思われます。特にデジタルカメラの電力消費が
激しく、バッテリー残量が90%以上ある状況でカメラを起動しても、数枚でバッテリー切れと
なってしまうことがあったほどです。
また、豪華な装備品を実装した結果として本体は厚手で、重量も大幅に増していました。
通常は本体底面にあるはずのHotSync端子も、実装スペースの都合なのかカメラの付け根
辺りに埋められていて、クレードルも細いスタンドのような妙なものが添付されています。
そもそも自慢のカメラ自体が、当時200万画素で小型のユニットというものが無かったためか、
重量ロスペースを大きく割いてしまっています。普通のデジカメとして使える画質にこだわった
のかもしれませんが、PDAに搭載するのは無理がありました。なお悪いことに、出荷時の
CCDセンサーは後にリコールとなった製造不良品で、1~2年で使えなくなったカメラも多かった
ようです。
また装備品が増える分それを動かすソフトが必要となり、16MBしか使えないPalm OSの
メインメモリー容量も圧迫していました。
内蔵のオーディオプレイヤーについては、PEG-VZ90ほどの実力ではないものの、CLIE
の中ではかなり良質なものです。私もしばらくはこの機種にリモコンを接続してmp3再生
プレイヤーとして使っていました。
開発陣が壮大な理想を掲げて作ったと思われるフラッグシップ機ではあるのですが、当時の
実装技術ではそれをPDAとしてまとめるにはあまりに無理があったのでしょう。もう数年経って
携帯電話用の小型・ハイスペック化された部品が使えれば全く違った仕上がりになっていた
と思われるだけに、世に出るのが少し早すぎた製品という印象です。
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購入金額
27,800円
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購入日
2003年07月頃
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購入場所
aoidiskさん
2012/03/21
自分の使い勝手とか、見合ったことできるかと
自問自答の繰り返し、
CLIE 欲しかったな~
わくわく感が、途切れずにありましたね。
※その当時ですら市場は縮小傾向にあっても・・
jive9821さん
2012/03/21
コメント有難うございます。
もともとこの類のガジェットは大好きで、他のPDAも何台か所有していましたが、CLIEは
かなりの台数を集めましたね。ここでも少しずつ紹介していこうと思っています。
他のPDAよりもハマった理由というのは、後で思うと、どの機種にもそれぞれ何か所有
したいと思わせるものがどこかにあったからではと。
実はCLIEの低価格ラインナップが出たときに、周囲の知人たちも1台くらい買おうか
と多くの人が言っていました。実際に買ったのは2~3人で、それ以外の人はやはり
どう使って良いかがイメージできないと言っていましたね。それでも買った人たちは、
「この1つの機能のために買って良い」とまで思えた人たちだったようです。