レビューメディア「ジグソー」

FiiOのフラッグシップイヤホンとしてリファレンスサウンドを目指した意欲作

FiiOのFH7を購入してから1年程使い込んだのでレビューをまとめておきます。

 

FH7と付属のケーブルLC-3.5C

 

FH7はベリリウムコートの13.6mmダイナミックドライバにKnowlesのBA4発を金属削り出し筐体に詰め込み449ドルで発売されたハイブリッドイヤホンです。

現在はより高額なマルチBAイヤホンのFA9が登場していますが、発売時はFiiOのフラッグシップでした。

 

ポッキリ折れてしまった可哀想なER4S

 

夏場は蒸れるので自宅でもヘッドホンよりイヤホンを使うことが多く、今までは主にEtymoticのER4Sを使用していました。ですが不慮の事故で破損してしまったため代役が必要になりました。

ER4Sも最新型としてER4SRが登場しているのですが、現在の最新イヤホンの実力を知るためにハイブリッド型のFH7に手を出してみることにしました。

更新: 2020/07/10
パッケージ内容

必要なものは一通り

パッケージの中身 

 

中身はイヤホンと3.5mmのケーブル、音質調整用の交換用フィルターに収納用の革ケースと布ケース、そしてイヤーピースのセットと盛り沢山です。

強いていうなら2.5mmか4.4mmの4極ケーブルも付けてくれれば完璧でしたね。

 

イヤーピースのセット 山盛りです

 

イヤーピースはバランス型/ボーカル型/低音型/フォームチップ/ダブルフランジ/スピンフィットなど多数しており、フィット感だけでなく音質の調整も出来るように配慮されています。

 

 高音の量を調整出来る交換用フィルター

 

フィルターは最初から装着されているものを含めて3種類付属しています。

大幅に音質が変わるわけではありませんが微調整の重要な要素を担っています。

更新: 2020/07/10
作りの良さ

隙のない出来

 

FH7とER4S

 

5ドライバを詰め込んだ金属筐体なのでそれなりに重さ大きさがあります。見た目は綺麗でかなり上質です。

ノズルは直径5.8mmと太めですが大抵のイヤーピースは使えます。

 

金属のバリのようなものもなく合わせ目もぴったり合っていて仕上がりはバッチリです。

中華メーカーの仕上げは安かろう悪かろうなんてイメージもありますが、FiiOは流石に歴史も長いためそこらの中華メーカーとは違いますね。

 

 

コネクタがとてもとても硬いです

 

ケーブルに実売8000円の8芯銀メッキ銅ケーブル"LC-3.5C"が付属しています。耳に沿うように熱収縮チューブでカーブがつけてあるので扱いやすいです。

このケーブルとイヤホンのコネクタが回転しないように硬めのフィットになっているのですが、これが本当に硬く外すのに力が必要で、勢いに任せてポキッと折ってしまうのではないかとドキドキします。

 

MMCXコネクタは元々イヤホンのような物に使うための規格ではないため、各社が独自の仕様変更をしていたり、より厳しい精度基準を設けたりして、機構を強化しているものがあります。

FiiOはコネクタ部分が緩く回転して音切れや劣化損耗してしまうことを嫌い硬めにしたのでしょうが、これはこれで取り外しに神経を使います。

 

購入当時に撮った写真と今の現物を見比べていて気付いたのですが、最初は銀メッキ線を使ったケーブルはクリアで白〜銀色だったのに対し、今は少し黄ばんで来ています。

いつも日の当たる場所に置いていたので紫外線の影響でしょうか・・・ちょっとショックです。

更新: 2020/07/10
音質

再現力は高く上から下までフラット系 万能型を目指すなら後一歩か

このイヤホンはインピーダンス16[Ω]に111[dB/mW]とイヤホンとしてはインピーダンスは普通、感度は少し高めでしょうか。

この感度の高さゆえに据え置き機器やPCに繋ぐと結構残留ノイズを拾います。

この場合アッテネータであるIFIのIEMatchを使うことでノイズを軽減して使用することができます。

如何せん音が少し眠くなるので出来ればアッテネータは使いたくありませんから、なるべく高感度IEMに対応したオーディオ機器で使用したいところです。

 

 

FH7は本体が大きく重量もあるため、装着時に密閉と快適なフィット感を得るのにはなかなか苦労しました。

Mサイズだと密閉し切れずLだと大きすぎる・・・微妙なさじ加減が合いません。

結局軸の長い"Sedna Earfit"のMサイズで蓋をするように装着する事でうまくいきました。

 

 

Fiioのフラッグシップとしてどんな音楽にも対応できることを目指したということで、基本的にフラット・ナチュラルで若干ドライ寄りな音作りです。
見通しが良く奥行きも出ており、タイトだがクリーンで深い低音、自然な中音域、くっきりした高音といったバランスです。

 

13.6mmとイヤホンとしては大口径のドライバを積んでいるのでド迫力の低音かと思いきや、かなり節度感のある量です。

EDMなどを聴いてみると低音自体はかなり深く出す能力があるのですが、あくまでもソースに含まれている分だけ再現しますよ、という感じです。

 

癖として少し気になるのが高音域で、硬いかなと思う瞬間があります。
ここが好みに合うか、もしくはアンプ・イヤピース・後述するフィルタ交換による調整などで受け入れらればお買い得なイヤホンだと思います。
例えば真空管アンプに代表されるようないい意味での甘さを持つ上流とのマッチングは最高です。

 

 

前述した通り、3種類のフィルターが付属していて高音の量を調整できるようになっています。
ノズル内にある高音用BAの音だけを減衰させることで音のバランスを調整する仕組みになっているので、中低音はほぼ変化しません。
基本的なイヤホンのキャラクターは大きく変えず、3kHzから上の高音の量を調整するようです。

 

高音型・バランス型・低音型のフィルター

 

  • 低音型 赤フィルター - 高音の量を5dbほど減らす 決してウォームではない
  • バランス型 黒フィルター - 高音の量を2~3db減らす 標準搭載
  • 高音型 緑フィルター - 高音をそのまま通す 量は増えるものの最も滑らか

 

実際に聴き比べると、標準搭載の黒フィルターと比較して、高音の量が増えている緑フィルターはよりナチュラルで自然に聴こえます。

例えば弦楽四重奏をこの緑フィルターで聴くと最高に心地良いです。


タイトルに書いた後一歩というのはこのフィルターの話です。
高音用BAの音を素通ししている緑フィルターで自然な音が実現されている事に比べて、減衰させている黒フィルターで僅かでも硬さが出てしまうのは惜しい、もう少し頑張れたのではと思いました。

 

緑フィルターを持ち上げるような事を書きましたが、最終的にはやはり好みの問題ではあります。

海外のレビューでも「緑フィルターがスムーズで最高」という私と同様の意見以外にも

「標準が普通に一番」「赤フィルターに銀線ケーブルがちょうどいい」

というような多様な声が見つかります。

 

私自身たまにフィルターを入れ替えて変化を楽しんでいますし、最近は赤フィルターを常用してみています。

フィルタ変更で過剰にキャラクターを変えず微調整に留めているのはリファレンスサウンドを目指してチューニングしたFiiOの心意気なのかもしれません。

 

最近の常用 FH7/低音フィルター/SednaEarfit/Qudelix5K

 

総合的には十分よく出来たイヤホンだと思います。店舗などの試聴機は恐らくバランス型の黒フィルターが装着されているでしょうから、高音部分が好みに合わないと思ったら是非別のフィルターも試してみてください。

  • 購入金額

    49,430円

  • 購入日

    2019年06月10日

  • 購入場所

    Aliexpress

14人がこのレビューをCOOLしました!

コメント (4)

  • Takahiroさん

    07/10

    ER4Sがもしも手元にあるならば、『E4UA』さんにER4S修理&エティモ2ピン→MMCX変換アダプタを制作して貰うという方法も・・・
    https://e4ua.jp/?p=2005
  • brkさん

    07/10

    Takahiroさん
    破損自体は自分で修理してまだ使っているのですが、2ピンからMMCXへの変換をすると汎用性が上がって便利そうですね。
    しかしその予算を出すならもうちょっと足してER4SRを買っても・・・いやいや無駄遣いは良くないのでアダプタだけ・・・そもそもアダプタも無駄遣いじゃないか・・・などと散財プランがまた進んでしまいますね。
  • Takahiroさん

    07/10

    ちなみに、ちなみにですが、俺がE4UAさんに制作を依頼した『ソニーMDR-EX1000/800ST/600→MMCX極短変換アダプタ』は送料込みで約13,500円です。
    俺の持ってるEX800STのケーブルから抽出なので若干安い・・・

    E4UAさんに”ER4S→MMCX変換アダプタの見積もり欲しいなぁ~”と伝えて仕様等を決めれば「このくらいの価格ですよ」と教えてくれます。
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