所持する音楽データに対する私利私欲...イヤ私情私見あふれるコメント、音楽の杜。こういった分野のものは「好み」ですし、優劣を付けるのもそぐわない気がしますので、満足度の☆はあくまで私的な思い入れです。MV。以前は単に歌唱/演奏風景を映すだけのものがほとんどでしたが、Michael Jacksonの“Thriller”のあたりから、単体で作品として愉しめるものが出てきました。アーティストがMVの中で映画を観ており、そこで演じられている世界が実は...という込み入ったMVを収めたDVDを含む作品をご紹介します。
スキマスイッチ。大橋卓弥と常田真太郎の男性デュオ。正統派美声...とは言えないが、時にファルセットを交えながら歌う、微ダミな存在感のある大橋のヴォーカルと、それをうまく色づけする常田のピアノが特徴で、メロディの美しさもさることながら、歌詞の良さでも「聴かせる」グループ。
彼らの2012年の16枚目のシングルが本作、“ラストシーン”。表題曲は大ヒットTVドラマの映画化版「臨場 劇場版」のイメージソング。
彼ららしいさわやかな表題歌と、カップリングには実験的な曲、そして初回限定盤のDVDには印象的なMVが収められる。
表題曲「ラストシーン」。ドラムス河村"カースケ"智康+ベース沖山優司という、グルーヴ命のシンプルドラムと装飾が多い饒舌なベースラインで、感動的な曲調のこの曲が「これでもか」と盛り上げられる。弦一徹ストリングスに生ブラスも入って、「シンセのストリングス音/ブラス音」とは一線を画する仕上がりで壮大なラヴソングを盛り上げる。♪どんな映画も/「終」はある/でも記憶の中で生き続けていく/喜怒哀楽で染まる/僕の生き方すべてが/君の人生の道しるべになれるように/そしていつの日にか/幸せを見つけた時/この想いが/君の心に/そっと咲いて欲しい♪
「またね。」は、半年前にリリースした5thオリジナルアルバム“musium”のラストを飾る曲だが、「betsu-oke ver.」として、別伴奏版が収められる。アルバムは生ギター+オルガンのシンプルなバッキングで、でも大橋のヴォーカルは若干エコー多めで遠めの造りだった。こちらのヴァージョンは、生ギターが中心と言うのは変わらないが、弦一徹ストリングスからヴァイオリンの弦とセロの堀沢真己が参加してゴージャス。周りが厚いから大橋のヴォーカルは逆にソリッドで迫ってくる感じ。
「フォノグラフ (Instrumental)」は、何曲かあるスキマスイッチのインストナンバーの中でもかなり実験的な曲。ハネるリズムの元、ループしているリズムマシン+ファンキィなベースラインにワウがかかったギターとアコースティックギターのカッティングが乗り、レイジィな雰囲気。ところどころに入るヴォイスもラジオ調の音色に加工されており、ヴォイススクラッチなども入って、まったく違うグループの曲みたい。ただ、この曲、彼らのファンの間では評価が高いらしい。...間口の広いファンだ←おまいう(^^ゞ
DVD収録の「ラストシーン」のMVは、12分を超える大作。映画「オボの声」で主演した結城貴史が演じる侍が、タイムスパイラルや踊る大捜査線、相棒などにバイプレーヤーとして起用されることが多い広澤草演じる盲目の娘とその弟を、ならず者から助けるという時代劇を、スキマスイッチの二人が観ている...という造り。映画は、娘を憎からず思う青年が、娘の気持ちが傾いていく侍に突っかかりながらも、娘が幸せになるのならと身を引きかけるが、姉弟がならず者にかどわかされそうになった時に立ち向かい、でも力及ばず斃され、その仇を侍が打つという筋書き。...なのだが、その劇のラストが本当に意外で、そこも楽しませる(あえてここには書かないw)。
「Self Cover Best Recording Diary」は、セルフカバーベストアルバム“DOUBLES BEST”
のレコーディング風景...なのだが、音入れの部分よりもむしろ、打ち合わせの部分が多い造り。この“DOUBLES BEST”、「ベスト」アルバム、と言いながら、単なる「寄せ集め」ではなく、すべて再録音されていて、一部は大きくアレンジが違うので、そのあたりの打ち合わせが聞けて興味深かった。
ブースでの録音風景より、ミキサールームでの打ち合わせシーンの方がむしろ多い
この作品は気合いの入ったMVが主。「音」楽なので音が主という捉え方が正しいのかもしれないが、目から味わう音楽もあって良いのでは?そんなことを感じた作品でした。
ちなみにこのシングル、装丁凝りすぎで...①盤種がここにしか書いていない
②プラケースの「7割ほどの深さ」の外ケースがあり、「履かせる」と白黒の写真が見えなくなる
【収録曲】
<CD>
1. ラストシーン(映画「臨場 劇場版」イメージソング)
2. またね。 (betsu-oke ver.)
3. フォノグラフ (Instrumental)
4. ラストシーン (backing track)
<DVD>
1. 「ラストシーン」ビデオクリップ
2. Self Cover Best Recording Diary
「ラストシーン(Short Edit ver.)」
必「聴」度というより必「見」度だが
歌とともに、映画のストーリーが進み、それを観ている二人の表情もよいし、劇のストーリー自体も深みがある。
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購入金額
1,890円
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購入日
2012年頃
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購入場所
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