男性デュオ、スキマスイッチの初期のシングル(3枚目)。スキマスイッチはギターとヴォーカルの大橋卓弥とピアノ・キーボード+コーラスの常田真太郎の二人。最近はかなり凝った構成の曲も増えたが、まだメジャーオリジナルアルバムもなかったこの時代の曲作りは、詞の内容とダイレクト感を大切にしたストレートな構成の楽曲。
初期から「初回限定盤」を数多く出してきたスキマスイッチは4枚目の「冬の口笛」以降は特典DVDでライヴ映像などを収録する一般的な?方法となったが、2nd(「奏」)と3rdは異なる手法を用いた。「エンハンストCD」、後年音楽CD分野では一般的には「CD EXTRA」と呼ばれるようになったフォーマット。いわゆる一般的なCDの記録形式部分に加えて、PCで読み取れるデータ記録部分が存在する。CDの記録面をみると途中にドーナツ状の輪があり、内周側がCD音声、外周側がデータ記録部分となっている。音楽CDの部分は通常のCDプレイヤーで再生可能で、PCでCDの中身を見るとデータ記録部分が読み取れる、というつくり。データ記録部分は「データ」なので、ゲームプログラムでもスクリーンセーバーのファイルでもなんでもよいのだが、一般的には、画像ファイルか映像ファイルが置かれることが多かった。映像ファイル形式はCDの容量の問題もあって、MPEG-1が通常形式。320×240や352×240程度の画像サイズで、2フレームレート23.976~29.97 fpsの画像フォーマットで、フルHDの画像を見慣れた現在だとスマホで見るようつべ程度の画質だし、再生には別途PCが必要なのだが、「1枚のCDで」音声と画像(あるいはデータ)を供給できることはDVDをバンドルするより低価格で一時期良く使われた。その初回仕様(ステッカーつき)がオークションに現れたので捕獲。2013年現在、既に所属事務所オフィスオーガスタでもベテランの域に達しようとする彼らの、「若さ」みなぎる声が聴ける。
「ふれて未来を」はファンにも人気が高い曲。初期スキマらしい、スネア4つ打ち+ピアノのコードストローク中心のバッキングにオンで録られた大橋のだみ声寸前の特徴あるヴォーカルかかぶさる。4管のブラス+ストリングスのゴージャスかつハッピーなアレンジで「青春」が歌われる。♪笑いあってたいよ/これもおろそかにしてはノーだ/話してたいよ/同じ時間を過ごすならなおさらそうだ/揺れていたいよ/これを忘れてはいけないのだ!!/ふれてみたいよ/それはまだ早い?いいじゃない!♪
「雨は止まない」は一転して叙情的。リズムマシンバックにほぼ1コーラス淡々と歌われたあとに、同じオーガスタ系のあらきゆうこ(mi-gu)が、ライヴな録音でグルーヴィなドラムを叩く。♪あぁ/雨は止まない♪と切々と繰り返される歌を盛り上げる。
初回盤ならではのライヴバージョンの「奏(かなで)」の動画。最初はアコースティックアレンジでピアノのみのバックだが、徐々に盛り上がり、2コーラス目以降はバンドサウンドに。内容は「奏」リリースから間もないわりにはライヴならではのアレンジの差と臨場感があって貴重だが、動画自体はMPEG-1形式でひと昔前の動画配信、という感じ。
CDという650MB(拡張時700MB)に限られたスペースに、何とか付加価値をつけようとした規格「エンハンストCD」。そこには「ネット動画配信黎明期」にコマオクリで視たような小さなサイズのワクの中で熱演する彼らの若き日の姿が納められている。その姿が、歌の内容が、懐かしい、「青春」の歌です。
【収録曲】
1. ふれて未来を
2. 雨は止まない
3. 天白川を行く<Instrumental>
4. ふれて未来を<Backing track>
-以降エンハンストCD部分(形式MPEG-1)-
5. ふれて未来を(ビデオクリップ)
6. 奏(かなで)(ライブ映像)
「ふれて未来を」
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購入金額
1,500円
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購入日
2013年頃
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購入場所
Yahooオークション
manya嫁さん
2014/02/18
cybercatさん
2014/02/18
CD EXTRAが?ww