まずいきなり言ってしまいますが、私は特にローリング・ストーンズが好きというわけではありません。1960年代に活躍していたロック・ポップス界の大物といえば何といってもビートルズでしょうし、ビーチ・ボーイズやサイモン&ガーファンクルなど、後々まで絶大な存在感を放ったアーティストもいました。それらのアーティストの作品はすべてとは言わないまでも、ある程度はレコードまたはCDを所有しています。
しかし、ローリング・ストーンズについてはこれまで全く持っていませんでしたし、特に欲しいと思っていませんでした。ただ、不意に彼らの楽曲「She's A Rainbow」を聴きたいと思い、探してみたところ、この曲を収録したアルバム「Their Satanic Majesties Request」のDSDリマスターLPが特売に出ているのを見つけて買ってしまったというわけです。
元々彼らの楽曲についてもさほど興味が無かったことから、「She's A Rainbow」を除く収録曲も知らないまま購入しています。
DSDとSBM Directのロゴが併記されています。DSDマスタリングなのでDSDは解るのですが、SBM Directはどこで使われているのかよく解りません。というのも、SBM(Super Bit Mapping)は元々より高いビット数で記録されたデータをクオリティを保ちつつ16bitまで落とす技術であり、SBM DirectというのはDSDをCDフォーマット相当まで落とし込む技術なのです。DSD→PCM→カッティングというプロセスだとすると、わざわざアナログカッティングに適したDSDをPCMに変換する意味がわかりません。
デザインも色使いも、妙にサイケデリックな印象を受けますが、ある意味中身のサウンドをよく表したものともいえます。
このLPは180g重量盤となっています。DSDマスタリングも含め高音質仕様ですが、当時の原盤がそこまで高音質だったのかという疑問はありますね。
アレンジが妙に突飛に感じる
まずは、収録曲を確認しておきましょう。
Side A
01. Sing This All Together
02. Citadel
03. In Another Land
04. 2000 Man
05. Sing This All Together (See What Happens)
SideB
06. She's A Rainbow
07. The Lantern
08. Gomper
09. 2,000 Light Years From Home
10. On With The Show
私のお目当てであった「She's A Rainbow」は公式ビデオがYouTubeで公開されていますので、そちらを紹介しておきましょう。
この曲は日本では数年前に進研ゼミのTV-CFで使われていたはずですので、聞き覚えがあるという方も多くいらっしゃるのではないかと思います。
ただ、この作品は主要メンバーたちが丁度薬物問題で逮捕されたりしていた時期の制作であり、後に本人たちもその影響で出来が悪かったと認めているとのことで、確かに全体的に掴みにくい音作りという印象を受けます。その中で「She's A Rainbow」と「2,000 Light Years From Home」については楽曲としてまずまず良いかな、と思いました。これは本人たちもほぼ同意見のようですが。
ただ、その良いと思う楽曲であっても、突飛な音が突然挟み込まれたりと、何か普通では無い感がどうしてもあります。「She's A Rainbow」など、後にレッド・ツェッペリンで活躍するジョン・ポール・ジョーンズがストリングスアレンジを務めて、基本的には素朴で美しい曲なのですが…。
やはりサイケデリックな造りで話題となった、ビートルズの「Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band」の直後にリリースされただけに、どうしてもビートルズの方の存在が大きく、より時代に埋もれてしまうという不幸はありましたが、この作風では当時のファンの期待に応え切れていないのは確かでしょう。
高音質リマスター盤としては割安でしたし、特定の曲を聴くためと割り切って買うには悪くなかったかと思いますが、アルバム全体を通して聴いてもそれほどしっくりこなかったのは確かです。
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購入金額
2,145円
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購入日
2020年02月05日
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購入場所
HMV
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