レビューメディア「ジグソー」

音の良さを追求したディスクリートオペアンプ

Sparkos Labs(米国コロラド州)から発売されているディスクリートオペアンプです。1回路版のSS3601もあるようです。

 

商品紹介ページには堂々と「IC op amps are dead. And we killed them.」と書かれており、自信満々のようです。

更新: 2020/05/09
音質

なめらかで開放感がある

スペクトル的に言えばフラット~ややカマボコです。しかし、音に滑らかさがあり、MUSES03と比べ潤いが出ています。「ディスクリートは音がいい」とよく言いますが、当方が聴いてきたものから言って「ディスクリートはむしろ音が悪い」と思っています。しかし、SS3602は例外です。ここまで音質が良いのは珍しいのではないでしょうか。

 

と書きましたが、上には上がいるものです。OPA1612には勝てないかもしれません。特に、ノイズ特性では負けています。商品ページに「IC op amps are dead」と書いたのは嘘だったのですか?

ただ、SS3602のほうが音に開放感があります。ここまでくると、もはや好みの問題です。

 

と書きつつOPA627APで聴き直してみましたが音の滑らかさでは負けていませんでした

なんでやねん!!

でもSS3602のほうが透明感はあるし、さすがにOPA2134には勝っていますが。

過渡応答(A=1 Vin=200mVp-p f=100kHz Rfb=0 位相補償なし Rl=15Ω ガラエポユニバーサル基板)
過渡応答(A=1 Vin=200mVp-p f=100kHz Rfb=0 位相補償なし Rl=15Ω ガラエポユニバーサル基板)

更新: 2020/05/09
使い勝手

すぐに使えるNE5532互換配列

DIPの2回路入りなので、差し替え用途に使いやすいと思います。

電源電圧は±6~±18Vで使用可能で、たいていのオペアンプの差し替えに使えるとしています。但し、以下に述べる理由によりポータブル機器には使いづらいと考えられます。

 

OPA1612と比べて、良いところ

  • ピンアウトが最初からNE5532互換になっている
  • 音に開放感がある

悪いところ

  • ポップノイズが大きい
  • 直流特性が悪い(上記過渡波形参照。100mV/divです)
  • ノイズ特性がやや劣る
  • 電源電圧の関係でポタアンには使いづらい(OPA1612は±2.25Vから使用可能)
  • rail-to-railではない

こう書くと、SS3602をdisっているように聞こえますが、ほとんどのオペアンプICよりも音が良いので安心してください。

なお、使用後基板がやや熱くなるようです。

  • 購入金額

    7,900円

  • 購入日

    2020年04月23日

  • 購入場所

    ヤフオク

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