所持する音楽データに対する私利私欲...イヤ私情私見あふれるコメント、音楽の杜。こういった分野のものは「好み」ですし、優劣を付けるのもそぐわない気がしますので、満足度の☆はあくまで私的な思い入れです。2020年3月、新型コロナウイルス(COVID-19)は多くの人の生活に影響を与えました。罹患予防には「密閉」「密集」「密接」の「三密」を避けることが推奨され、学生や保護者が講堂などに一同に集まり執り行われる卒業式や入学/入社式が行われなかった学校や企業も少なくありませんでした。本来であればそんな季節に合うはずだった懐かしい曲をご紹介します。
SCANDALは日本のガールズバンド。結成は2006年で、現在でも活動を続ける中堅バンド。結成以来メンバーチェンジをしていない結束の強いバンドでもある。曲は他者のものも多いが、作詞と編曲は自ら手がけることがほとんどという、ルックスからは想像しづらいかもしれないが、実は「正統派」のバンド。
全員が歌えるが、メインのヴォーカリストがギターも弾くHARUNA。もう一本のギター担当がMAMI。リズム隊がTOMOMI(ベース)、RINA(ドラムス)という構成。もともとダンススクールの生徒で組まれたバンドのため、全員フリが激しいというのが特徴。
このシングル“ハルカ”は、アニメーション映画「豆腐小僧」の主題歌。弱虫妖怪である豆腐小僧が新しい世界(現在の人間界)で頑張るという映画内容と季節(4/20リリース)に合わせて、「旅立ちの歌」になっている。
その「ハルカ」。詞の内容がいい。♪覚えたばかりの歌/贈るようなぎこちなさで/僕は「さよなら」の代わりに「またね」と言った♪淡々と続くミディアムテンポの8ビートに「熱唱」ではなく、切々と歌詞を載せるのが切ない。別れと旅立ちの曲だが、歌詞の内容としては「別れ>旅立ち」の比率なのを、前を向く感じの歌い方で「別れ<旅立ち」に聴かせるのが良い。彼女たちの曲としては珍しく、ストリングスが大きめに入っているのも好アレンジ。卒業式あたりに聴きたい曲だ。♪いつの日か叶えられる/愛はキミのそばにある/きっと必ずまた出会える/ハルカ離れていても♪
「サティスファクション」は、彼女たちらしいノリの良いロックンロール。基本指弾きなのだが一瞬スラップが挟まれるベースのセンスが良い。あと半速になりヘヴィさが加わる間奏が印象的。自分は一番TVを見ていなかった時代なので、同時代的には観ていないのだが、実はWindows 8のCFソングに取り上げられていたらしい。
「Want you」は三連系のロックで、ちょっと懐かしい感じ。これはメンバーのMAMIの作詞作曲。ヘヴィなギターのリフとディストーションが効いた音が似合うソロがギタリスト作曲の曲らしい。
付属のDVDは表題曲「ハルカ」のPVなのだが、主題歌として採用されたアニメ「豆腐小僧」とのコラボ版。「豆腐小僧」の映画のシーンから様々なカットが取り上げられ、そこに時々SCANDALのライヴ映像やオフショット映像が挟み込まれる感じのもの。SCANDALの映像は、画面いっぱいになることはほぼなく、「豆腐小僧」の各シーンと重ね合わせられていたり、歌詞が書かれたノートの一部、という風情に編集されていたりして、「SCANDALのメンバーの表情を堪能したい」という向きには今一歩かもしれない。取り上げられていた映画のカットは印象が強いシーンが多いので、映画に興味はわいたからPVとしては成功なのか?
彼女たちだけが映っているところも、ノートの1ページ風にトリミングされている
自身を思い返すと、卒業式にはとくにイベントがあったわけでもなく、特筆すべき想い出や特段の感慨があるわけではないのだけれど、そのチャンスさえ奪われた人たちへ、人生の区切りを彩る音楽として...
そんな気持ちで、思い出して引っ張り出してきた、懐かしの作品です。
【収録曲】
<CD>
1. ハルカ
2. サティスファクション
3. Want you
4. ハルカ (Instrumental)
<DVD>
1. ハルカ -「豆富小僧」スペシャル・ミュージック・ビデオ
「ハルカ」(PV内の演奏は楽器にシールドさえ刺さっていないので、ダンス重視の当て振りです)
Windows 8 CF 30sec:BGM「サティスファクション」
♪涙なんて流さないよ「終わり」じゃない「始まり」さ♪
歌詞の「別れ」色を薄めて、「旅立ち」の期待感を盛り上げているのは彼女たちの歌声。
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購入金額
1,575円
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購入日
2011年頃
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購入場所
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