レビューメディア「ジグソー」

移植の完成度は格段に向上

PlayStation3/4向けに計4作発売されて、ストーリーが完結した「英雄伝説 閃の軌跡」シリーズ。

 

当初のリリースからは随分時間が経過したものの、Steam等の配信サービスを通じて、Windows PC向けに移植が進み、先日シリーズ3作目の「英雄伝説 閃の軌跡III」がリリースされました。過去2作は以前紹介していますね。

 

 

 

 

 

 

 

この前半2作は、コンシューマーゲーム機ではPlayStation3向けにリリースされていました。後半2作の「英雄伝説 閃の軌跡III」「英雄伝説 閃の軌跡IV - The End of Saga -」はPlayStation4向けのタイトルです。

 

前半2作は日本でPlayStation3向けにリリースされた後、海外のベンダーによるローカライズ版がリリースされ、それをベースにWindows PC向け移植版のリリースがあり、そこから日本向けに逆ローカライズされたものがSteam等で提供されています。

 

一方、今回はおそらく最初から多言語向けにリリースされていたのでしょう。Windows PC版も逆ローカライズではなく、最初から日本語・英語・フランス語の全対応(音声は日本語・英語のみ)という形になっています。さらに今回からはPlayStation4向けに開発されていましたので、おそらく同じx86互換プラットフォーム(PlayStation4はAMD Jaguarを搭載)向けということもあり、PlayStation3(PowerPCを核とするCell B.E.)よりは移植の難易度も下がったのではないかと予想されます。前作まで色々と細かい部分のローカライズに難があったものが、今回は全くありません。

 

 

 

 

▲Steamの商品ページ
▲Steamの商品ページ

 

 

 

 

というわけで、前の2作よりは販売価格が大幅に上がってはいますが、最初から買うつもりでしたので発売開始と同時に購入しました。なお、商品ページのデモ版は、序章をまるごとプレイできて、セーブデータもそのまま製品版に引き継げるというものです。

 

 

シリーズ3作目ということで、当然ではありますが少なくとも前の2作品、可能であれば前シリーズの「英雄伝説 零の軌跡」「英雄伝説 碧の軌跡」、さらには前々シリーズの「英雄伝説 空の軌跡」(全3作)をプレイしていないと、内容を十分楽しめないかもしれません。単体でプレイしてしまうと理解できない部分は結構出てきてしまうと思います。

 

 

ゲームの動作設定は、専用のツールを起動して行います。この設定ツールは前の2作と特に変わっていません。描かれているキャラクターも、これまでと同じく登場人物の一人であるフィー・クラウゼルですが、ゲームの年代に合わせて年齢は重ねた姿になっています。

 

 

 

 

▲設定ツール
▲設定ツール

 

 

 

元がPlayStation4向けであるだけに、前の2作よりはグラフィックの品質も進歩していて、動作はいくらか重くなっています。今回プレイしているのはCore i7-970+GeForce GTX 970の入れ替え寸前のメインPCですが、品質設定をプリセットの「高」にすると、場面によっては描画が重くなる部分がありました。

 

それではここからは、実際にゲームを起動してみることにしましょう。

更新: 2020/04/10
総評

次作をプレイしないと救いのない展開となる

まずは起動直後の状態です。

 

 

 

 

 

今回もLogicool製ゲームパッド、f710を使ってプレイしました。キーボード操作は既に諦めています…。

 

 

 

 

 

パッド上の任意のボタンを押下すると、メニュー画面へと遷移します。

 

 

 

 

 

 

背景のグラフィックは、ゲームの進捗等にも影響されるのだとは思いますが、起動するたびに数パターンがランダムで表示されます。

 

 

 

 

 

 

 

基本的なゲーム画面はこんな感じです。カメラアングル等は任意に変更可能ですが、プレイするときにはある程度引いたこれくらいの画角が見やすいのではないかと思います。

 

前作まではある程度限られた場面でしか使えなかった馬やバイクによる移動が、かなり序盤から自由に使えるようになったのは便利です。特にバイクはスピードが大幅に上がり、移動時間をかなり短縮できるようになりました。

 

 

 

 

▲バイクで移動。展開に応じてサイドカーも現れる
▲バイクで移動。展開に応じてサイドカーも現れる

 

 

 

 

▲馬で移動。いずれも操るメンバーは限定される

 

 

 

本作は前の2作で士官学院生だった主人公リィン・シュバルツァーが、新たに開設された士官学院の分校に教員として赴任するところから始まります。そのため、行動を共にするメンバーは自身が受け持つクラスの生徒たちが中心となります。

 

 

 

 

 

 

パーティーの構成はこんな感じです。メンバー4名+サポート2名という基本構成は前作までと変わっていません。戦闘に新要素は盛り込まれているものの、基本部分はこれまでの概念が踏襲されています。

 

展開については、プレイしていただいてのお楽しみとしか言い様はありませんが、前に触れた通り移植の完成度は過去2作品よりも格段に向上しています。既に一度クリアしていますが、最後まで明らかに移植時のミスと思われるような部分はありませんでした。

 

 

 

 

▲前2作はこのような部分でミスが目立っていた
▲前2作はこのような部分でミスが目立っていました

 

 

 

 

また、操作の快適性は格段に向上していて、ショートカットメニューが使いやすくなっていたり、ゲーム中に一度訪れた場所にワンタッチで移動できたり、マップ上にイベント発生ポイントの表示があったりと、今まで感じていた煩わしさはかなり解消されていると言えます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ただ、ゲームのストーリーは快適になった操作性とは裏腹に、バッドエンドへ一直線という展開となります。途中まではいつもの割合平和的な展開(とはいってもあちこちでかなり厳しい戦闘を繰り広げたりはします)ですが、終盤は最悪の状況へと一気になだれ込んでいきます。次作が最悪の状況から立ち上がってくるという始まり方なので当然と言えば当然なのですが…。

 

前の2作品「英雄伝説 閃の軌跡」「英雄伝説 閃の軌跡II」がストーリー上ワンセットであったように、今回も1つのストーリーの前後編として捉えておくのが正解です。

 

技術的には以前よりは移植の難易度もやや下がっていると思いますので、できる限り早期の続編リリースを希望します。もっとも、PlayStation4向けはとっくに完結していて、ストーリーも実は概ね知っているのですが…。

更新: 2020/04/09

ちょっとした小ネタ

本作の登場人物で、主人公リィンの教え子の一人となる人物に「クルト・ヴァンダール」がいます。

 

 

 

 

 

そして、軌跡シリーズの初期から登場している登場人物の一人に、クルトの兄「ミュラー・ヴァンダール」がいます。実は当初から、この兄弟の名前に何となく引っかかりを覚えていました。そしてふと思い出したのが、こちらです。

 

 

 

 

古くからのオーディオファンであればご存じかと思うのですが、このVictor SXシリーズの振動板として用いられていたのが、当時有名だった独クルトミュラー・コーン紙でした。おそらく先にミュラーの名前があり、その兄弟ということで連想してクルトが出てきたのではないかと思いますが、果たして真相はいかがでしょうか。

 

ちなみに同じようなネタは、軌跡シリーズの前にあった「ガガーブ・トリロジー」の最終作「英雄伝説V 海の檻歌」でも登場していて、2体の操り人形に付いていた名前が「ペドロ」と「カプリ」でした。これは元ネタは「ペドロ&カプリシャス」でしょうね。

 

細かく拾っていくと他にも「ひょっとして」というネタはあったのですが、パッと思いついたのはこの辺です。

  • 購入金額

    7,678円

  • 購入日

    2020年03月24日

  • 購入場所

    Steam

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