まず、中身としては、スティングのソロ3作目「The Soul Cages」のタイトル曲となっている楽曲のシングルで、このアルバムリリース時のツアーに合わせた限定仕様の12インチ盤となっています。
同じ12インチ盤シングルでも、こちらの限定仕様と通常盤とが別々にリリースされていて、カップリング曲の内容が異なっていたりします。
こちらの限定仕様盤は大判のポスターが同梱されるため、ダブルジャケットの内側にレコード自体とポスターを収納できる構造となっています。
ダブルジャケットの内側にはツアーデータとミュージシャンが記載されています。ただ、なぜか「The Soul Cages」ではサックスソロを吹いている、ブランフォード・マルサリスの名前は記載されていません…。
収録内容は
Side A
1.The Soul Cages
2.Walking In Your Footsteps (Live)
Side B
1.The Lazarus Heart~Too Much Information (Live)
となっています。
ちなみに通常盤の12インチシングルでは、これが
Side A
1.The Soul Cages
2.Walking In Your Footsteps (Live)
Side B
1.Don't Stand So Close To Me (Live)
2.Oo La La Hugh
となっているそうです。
ちなみに、アルバム「The Soul Cages」自体は、以前からCD、重量盤リマスターLPを所有していて、楽曲「The Soul Cages」は全く同じものが収録されています。LPについては、こちらのBOXに含まれているというのが正確ですが。
それでは、なぜ敢えて既に持っている楽曲をわざわざ12インチレコードで買ったのかといえば、以前から言われている「12インチシングルは音が良い」という説を確かめてみようと思ったためです。
リマスターLP以上の音
これは以前から、この分野に通じている方が言われていたことですが、LPは同じディスクの大きさで、低回転(45rpm→33 1/3rpm)かつ長時間(10分前後→20分以上)収録するため、12インチシングルと比較すれば音質上の限界が低いということは容易に想像が付きます。
逆に言えば、回転数が速く溝の幅が広い12インチシングルは情報量でもダイナミックレンジでも、LPよりずっと有利ということです。
回転数が速いほうが情報量が有利というのであれば、SPレコードの時代の78rpmの方がより有利なのでは無いかという疑問がここで出てきますが、これは実際にある程度は正論といえます。
昨年のアナログオーディオフェアで、オーディオ評論家の潮晴男先生が実演されたのですが、元々45rpmの重量盤で市販されている、自身が主宰するウルトラアートレコードから発売されているタイトル「Balluchon / 小川理子」の収録曲を、78rpmのレコードに起こし直したレコードを持参されていて、両者を聴き比べてみたのですが、78rpmの方の情報量は圧倒的でした。45rpm盤もそれだけ聴いていれば素晴らしい音だったのですが。
ただし、78rpmのステレオ盤向けのRIAAカーブは規格上存在していなかったため、他の回転数の特性に合うよう独自に設定したそうですが…。
というわけで、1991年にごく普通にリリースされた12インチ盤と、2016年にリマスター重量盤で発売されたLPとを聴き比べてみました。
どちらも十分に高音質ではあるのですが、より空気感などが充実しているのはやはり12インチシングルの方でした。
リマスター盤と比べても、より低域の深さや高域のキレが感じられますし、途中のサックスソロの存在感も12インチ盤が上回っていました。
実は過去にも何枚か12インチシングル盤は買っているのですが、大抵の場合12インチシングルの方が明確に音が良かったのです。ただ、オーディオ的に質の高い録音の盤がさほど多くなかったため、オーディオ的にきちんと配慮されたスティングの曲で比べてみたのですが、やはり結論は変わりません。
ちなみに、12インチより小さい10インチシングルレコードが存在する楽曲も一部にあるのですが、こちらは音質への配慮が感じられないものの方が多いように思えます。
レコードを使われている方は、お気に入りの曲の12インチシングルを探してみると面白いかもしれません。
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購入金額
1,600円
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購入日
2019年12月11日
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購入場所
ディスクユニオン
北のラブリエさん
2020/03/02
jive9821さん
2020/03/02
LPの方もリマスター重量盤なのでかなり善戦はしているのですが、それでも12インチの方に分があるように思います。
手持ちで他にこれは良いと思った12インチ盤は、「Sowing The Seeds Of Love / Tears for Fears」でした。これはCDも持っていますが、レコードと聴き比べるとCDは全く物足りなくなるほど素晴らしい音です。
たっつぁんさん
2020/03/02
アルバムの中ではAll This Time がかなりヒットした記憶がありますが12インチシングルではこの選曲なんですね。
jive9821さん
2020/03/02
1991年のアルバムですから、当時は日本ではレコードが発売されなかった筈ですね。
前作のNothing Like The Sunでは一応発売されていましたが、売っているところは滅多に見かけませんでしたし…。
調べてみたところ、シングル「All This Time」も海外盤では12インチ、7インチともレコードがきちんと発売されていたようですので、いつか12インチは手に入れてみたいです。