今となっては極めて珍しい、オーディオ分野に特化した出版社である音元出版。その中でもPCオーディオやネットワーク再生など、比較的新しいオーディオ媒体に力点を置いた雑誌として刊行されているのが「Net Audio」誌です。
その「Net Audio」誌が、紙媒体による定期刊行を終了するということで、最終号となるVol.37を購入しました。
率直に言って1,400円(既刊は1,300~1,500円)の雑誌としてはちょっと誌面は薄いかな、と思います。その分、試聴音源などおまけは充実していたと思いますが。
今回はCD-ROMが添付されていて、こちらに試聴音源の「案内」が入っています。音源データそのものは入っていません。
このCD-ROMに入っているのは、ここに記載されている音源データをダウンロードするためのe-onkyoへのリンクと、ストリーミング再生用の「Prime Seat」へのリンクだけでした。これなら別に印刷物でURLを示すだけでも良いような気がするのですが…。
こちらの音源データは取り敢えずダウンロードして聴いてみましたが、個人的には溝口肇さんのチェロの音色が素晴らしいと思います。ただ、384KHzデータの方は、FOSTEX HP-A8が対応しておらず、比較試聴は出来ませんでしたが。
DSD 2.8MHzとFLAC 24bit/192KHzの比較試聴データについては、そもそもマスタリングの段階で音質差が出ていそうな出来であり、フォーマット比較にはちょっと向かないかな、という気がしましたが…。
個人的な思い入れ
はっきり言ってしまえば、この雑誌の以前の号は、一冊も買ったことはありませんでした。ただ、この雑誌のVol.31から連載開始となった「有形と無形のソノリティ」という企画に、ちょっとした思い入れがあったのです。
この「有形と無形のソノリティ」は同じ楽曲について、LPやCD等の物理メディアによる音源を評論家の小原由夫氏、ダウンロードやストリーミング等のデータ音源を同じく評論家の土方久明氏がそれぞれ用意して、そのオーディオ的な差異を追求するという企画であり、その第1回のテーマが「Bohemian Rhapsody / Queen」でした。
以前オーディオユニオンで開催された「ハイレゾでロックを楽しむ」という試聴会で、講師役を担当されたのが機材を提供したSOULNOTEの開発者である加藤氏と前述の評論家土方氏であり、その試聴会の中でこの「有形と無形のソノリティ」の内容が紹介され、会の終了後にそれについて土方氏と色々とお話をする機会を得ました。
それ以降、オーディオ系のイベントで顔を合わせるたび(特に意図せず、偶然お会いする機会が意外と多くありました)に土方氏とは色々と話をさせていただくようになり、その縁がやがて昨年のOTOTENにおける「有形と無形のソノリティ」の出張版となる「Bohemian Rhapsody / Queen」を聴き倒す会まで繋がっていく形となったわけです。
ちょっとした縁ではありますが、そのきっかけとなった雑誌の刊行終了ということで、あえて手元に残すために購入したというわけです。そのうちバックナンバーで、Bohemian Rhapsodyを取り上げたVol.31も買っておこうと思っています。
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購入金額
1,400円
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購入日
2020年01月21日
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購入場所
楽天ブックス
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