KORGから発売されていたMIDI音源です。USBがなかった時代の製品なのでPCとの接続にはシリアルケーブルを使用していました。今のPCでシリアルポートやMIDIポートを装備している機種はまずないので、USB/MIDIインターフェイスを用意する必要があります。シリアルポートだと32トラック使用できるようですが32トラック必要なケースはほとんどありません。MIDIケーブルで接続する場合は1系統16トラックまでです。
私の入手した個体では、液晶のバックライトに色むらが出ています。おそらく経年劣化と思われます。
筐体の特徴
サイズは1Uハーフラックです。ほかのメーカーのだと2Uサイズあるのですが(でもSC-88Proは2Uにしては薄い)、この機種は1Uサイズなので薄い印象です。それでも可変抵抗器のつまみを模したドット絵を表示できるようなドットマトリクス液晶や、ロータリーエンコーダがあります。
電源スイッチはボリュームと兼用になっています。SC‐88Proではボリュームのつまみを押すと選択中の音色を試聴できますが、本機では電源のオン・オフになっています。本体に整流回路が内蔵されているようで、電源ケーブルは眼鏡ケーブルを使用するようになっています(なお、SC-88Proでは電源ケーブル直付けになっています。MU2000はACアダプタを使用します)。
ローランドのSCシリーズやヤマハのMUシリーズと違い、出力端子はRCAジャックではなく標準ジャックになっています。しかも、ステレオ用(3極)ではなく、モノラル用(2極)を2本使います。X5DRでもそうだったようですが、ほかのDTM音源と比べてシンセ寄りといわれる本機の特徴を反映しているのかもしれません。
筐体の色が白ですが好みが分かれそうです。ヤマハの音源を搭載したモデルであるNX5Rがのちに発売されましたがそちらの筐体は黒です。
音色の特徴
GMバンク、独自バンクのほかに「rバンク」「yバンク」も搭載しており(もちろん「某R社(Y社)の音源互換マップ」の意味)、GSやXGのデータも一応再生できます。しかし、SC-88Proと比べて高域が弱いか、カマボコになっている気がします。ただ、ディストーション系の音色主体のデータは比較的違和感が少ないようです(蛇足:ギターを弾く時、ディストーションと違ってごまかしの効かないクリーントーンは初心者には向かないそうです)。浜松のY社の資本参加を受けていた影響か、rバンクよりyバンクのほうが音色が用意されていることが多いように思います(その後前述のようにY社のドーターボードを搭載してXG正式対応になったモデルを発売するのでした)。
GMバンクはAとBの2つあり、Aは他社との互換(MSB=0)、Bは05R/WやX5DRとの互換(MSB=56)で、出音が異なります。
一方、GM音源より独自音色では本気を出していて、シンセサイザーのベストセラーとなった同社の「M1」で人気だったプリセットが入っています。(以下、バンクMSB、LSB、プログラムチェンジの順。但し、独自音色ではLSBが意味を持ちません)
- Lore (82, 0, 34) M1の特徴的な音の一つ
- M1 Piano (82, 0, 42) ファンの多いM1ピアノ
- Universe X (82, 0, 91) これもM1の特徴的な音
- Organ 2 (83, 0, 115) GM-aマップの同名パッチとは別物。M1オルガンとして有名
なお、XGシステムオンを受信すると液晶のバックライトが緑色になります。これはMUシリーズの液晶はバックライトが緑色であることのオマージュです(ここでいう「緑色」は、黄緑色。青色LEDはまだ発明されていなかった)。一方、GSリセットを受信するとオレンジ色になるはずですが(これはSCシリーズのオマージュ)、私の個体では緑色になります。システムエクスクルーシブで黄緑や橙色のほか、赤にしたり消灯したりできます(2色LEDの構造上、赤と黄緑を同時に点灯することでオレンジ色になります)。
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購入金額
8,000円
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購入日
2019年12月08日
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購入場所
ヤフオク
jive9821さん
2019/12/30
MIDIをよく使っていた時代はSC-88ばかりで、NX5Rはかなり値下がりしてから買いましたが…。
後にSC-8820やMU100Bsは買いましたが、色々なデータを幅広くそこそこ鳴らせるNX5Rは結構重宝しましたね。