所持する音楽データに対する私利私欲...イヤ私情私見あふれるコメント、音楽の杜。 こういった分野のものは「好み」ですし、優劣を付けるのもそぐわない気がしますので、満足度の☆はあくまで私的な思い入れです。アーティストにとって「2作目」というのはかなり重要です。デビュー作は、曲を創る側であれば自分の想いを一番込められる曲を選んだり、プロモーション側としてもイメージを膨らませてせて積極的に攻めに行けたりしますが、2作目は同じ路線で押して印象を強化するのか、新たな面を見せるのかの塩梅が難しいところです。1作目とは曲の雰囲気はかなり違うものの、息の入れ方のコントロールで自分を表現したアーティストの作品をご紹介します。
nonoc。北海道在住のシンガー。中学生になったばかりからニコ生で投稿をはじめ、その後は音楽アプリnanaなどで音楽を発信していた。音楽の専門学校に行っていたときに見いだされ、OVA「Re:ゼロから始める異世界生活 Memory Snow」のイメージソングとエンディングテーマを歌うことになる。それらの曲は“OVA「Re:ゼロから始める異世界生活 Memory Snow」Memory Album”に収められている。
その後、自身の名で出した1stシングルが、あやちゃん(洲崎綾)が主演したアニメ「魔法少女特殊戦あすか」のオープニングテーマ“KODO”。
ハードでミステリアスなガリガリのハードな曲に、ウィスパーヴォイスも絡めて表現力豊かな歌唱力でデビューした。
続く2ndシングルが本作。1作目は、「魔法少女」と言いながら、キラキラしているストーリーではなく、異世界の敵と戦って勝利したあとの世界でも人々の争いはなくならず、仲間を喪って世界に絶望した魔法少女が、友人が争いに巻き込まれて否応なく闘いに身を投じるミリタリーテイストのアニメのため、昏くて激しいサウンドだったが、今回は惑星キャンプに行った9人の高校生たちが宇宙の彼方に放り出されるSFサバイバルストーリーに犯人捜しのミステリーテイストを絡めたアニメ「彼方のアストラ」のオープニング・テーマなので?、前に向かう感じのエネルギッシュなロックとなっている。
「star*frost」がその「彼方のアストラ」オープニング・テーマ。やや暗め導入のAメロから少し吐息を増すBメロ、そこから伸びのあるサビにパーンと抜け、最後のフレーズのみ台詞気味に抜き、という表情豊かな歌唱。彼女の特徴としてはブレスの濃さを上手く変えられるのがあって、こういったノリの良い曲でも緩急が付いていて一本調子にならない。
カップリングの「Hollow Veil」は、KADOKAWA系の複数のアニメがSDキャラでコラボする「異世界かるてっと」 の5話特殊エンディングで流れた曲。こちらは一転して切ないバラード。やや息多めに歌う歌は、nonoc本人も作詞に携わっており(fumio yasudaとの共作)、想いがこもっている。♪cry/手を伸ばせば/まだそこに居るようで/香りの色が眩いんだ/ねぇ/春を告げる/あたたかく白い花/灰色の空に/逢いに行くよ♪Koki Matsumotoのややシンセちっくな音色のギターソロもイイ!
なお、この表題曲、MVが公開されているのだが、それはバンドでの演奏風景となっていて、ロックっぽい造り。映っているメンバーは全員女性で、ガールズバンドのていをとっているが、実は全員レコーディングメンバーとは違うメンツで「当て振り」。ただそれがもったいないほどの豪華なメンバー。ギターは2003年から活動する老舗バンドexist†trace(イグジスト・トレイス) のMiko、 ベーシストはThe Order Madeの北村穂(きたむらみのり)、そしてドラマーは真空ホロウのMIZUKI。特にMIZUKIは、彼女が「いももち」の名でニコニコに動画投稿していた頃から結構好きなドラマーだったので、彼女たち演奏ヴァージョンのテイクも欲しいなー...つか、デビュー作の「KODO」も結構かっこよいMV造っていたのに、MV付きのは発売されておらず、もったいない....
いつかこのイカした(←死語)MVを、円盤でリリースできるように育って欲しいと感じる新進の歌い手です。
【収録曲】
1. star*frost
2. Hollow Veil
3. star*frost (instrumental)
4. Hollow Veil (instrumental)
「star*frost」MV
ブレスの入れ方が特徴ある(色っぽい)
1stの「KODO」は曲調がもう少し昏く、ブレスの取り方はアプローチかと思ったが、2ndの明るいサビの部分でも同じなので、彼女の特徴なのかも。
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購入金額
1,296円
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購入日
2019年09月22日
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購入場所
とらのあな
タカキさん
2019/10/05
オープニングテーマ 「 star*frost 」は作品を盛り上げる音楽としてかなり機能した。
映像音楽的にかなり好き。
OPはの少し不穏な感じの入りはすごく良い。
マスに売るのではなく「アストラのオープニングとして作ったのだろう」などということも想像できる。
歌い手としてはもう少し跳ねるような感じがあるとアイドル感があるかもしれないが着地点はどこなのだろう。
シンガーなので作曲家演奏家と住みわけがないと沈むタイプ。
作詞は結構よい。
良い歌を歌ってくれたので応援します。
cybercatさん
2019/10/05
まだ十代なのに、しゃべりはかなり落ち着いていて、アイドルというよりアーティストに行くのだと思います。今は「突出して」素晴らしいシンガー...という所までは行っていませんが、今「アイコン」としてつけている「角」がなくても、歌を聴くだけで「これがnonoc」という確たるものが確立できれば残れる気がしますね。素材は良いので。