先日開催されたポータブルオーディオ展示会イベント「ポタフェス 2019 秋葉原 夏」で購入してきた品です。
実は今回はそれほど試してみたい新製品があったわけでは無く、最初から物販の入場列に並んでいました。結構早くから行っていましたので、物販の入場順は5番目で、狙ったものがあれば買えるという位置でした。
ただ、今回は入場前に閲覧できるプライスリストにはB級品やアウトレット品の案内はなく、会場側面側の台に並んでいるものが特価品なので、そこで目に付いたものがあれば買うというシステムとなっていました。結果的にここでは一応の収穫はあったのですが、当初予定していたジャンルではなく、消化不良気味だったので、会場内のもう一つのお買い得ポイントであるエミライブースのジャンク市の方に移動します。
ここは一般入場で入った方が殺到していて、めぼしいものは概ね売り切れてしまったのですが、最後の方に残っていたジャンク品の一つがこのイヤフォン、FiiO F9でした。装着済みイヤピースとリモコンケーブル以外の付属品はありませんでしたが、何となくで買える程度の金額だったのでこれも入手してきました。
ジャンク入りコンテナの中に、この状態で置かれていました。私がたどり着いた時点で残り3つ程度でしたが…。
エミライのジャンク品は、店頭展示やイベント等に貸し出したものを引き上げてきているだけであり、直前まで使われていたものばかりでハズレをひく可能性が極めて低いというメリットがあります。
もっとも、このイヤフォンはMMCX端子によるリケーブル対応であるため、ケーブルの方は傷んでいても仕方ないかと思いつつ購入しました。結果的には正常動作品で、ジャンク扱いとしては外観もまずまず良好というレベルでしたが。
この価格帯としてはバランスは良い方だが…
それでは実際に試聴してみましょう。前述の通りMMCXによるリケーブルには対応していますが、今回は純正ケーブルでのみ聴いています。
最初はこの組み合わせ、Astell&Kern KANNで聴いていたのですが、率直に言ってかなり安っぽい音しか出てこないでがっかりしてしまいましたので、急遽プレイヤーをこちらに変更しました。
Luxury&Precision L5PROというDAPです。このプレイヤーは出力が3.5mmシングルエンド端子のみなのですが、代理店直販価格118,800円というなかなかの高額製品です。このプレイヤーについてはまた後日紹介する予定です。
L5PROとの組み合わせでは、KANNとは異なり露骨な安っぽさがかなり軽減されます。とはいえ、高域方向の質感はどうしても作り物感が残りますし、低域は30~50Hz辺りに妙な強調感があるように感じられます。
F9は1DD+2BAというハイブリッド構成のイヤフォンなのですが、上位モデルとなるF9 PROとは異なり、BAドライバーの製造元が公表されていません。F9 PROはBAドライバーの製造元としてお馴染みのKnowles製とアナウンスされているのですが、無印F9は恐らく俗に言う中華イヤフォン用の安価なドライバーということなのでしょう。特にハイハットの金属感がどうしても出ません。
ヴォーカルや弦楽器などは、音色がおかしいということはなくごく普通に鳴っています。ただ、生々しさのようなものはなく、味気ない印象が常につきまとってしまいます。良く出来た5千円クラスの製品と比べて、価格分良く感じられるかというと、少々厳しいかも知れません。少なくとも実売価格が近い、Acoustic Research AR-E100と比べてしまうと見劣りは避けられません。
恐らくリケーブルによって味気なさはそれなりに改善できると思いますが、このクラスのイヤフォンに高価なケーブルを組み合わせる意味も、何処まであるのかは疑問が残りますし、このまま使うか5千円以下クラスのリケーブルを組み合わせて変化を楽しむかという辺りが適切な使い方でしょう。
買って後悔するほど出来が悪いわけではなく、かといって積極的に薦められる良さがあるわけでも無いという、何とも評価の難しい製品です。強いていえば、私の好みからはそこそこ遠いといえますが…。
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購入金額
2,000円
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購入日
2019年07月13日
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購入場所
ポタフェス 秋葉原 2019 夏 エミライブース
harmankardonさん
2019/07/24
”試してみた”感が支配的に感じでしょうか.
欲しいものと安いものは,なかなか一致しませんね.
jive9821さん
2019/07/24
まさに「買ってしまいますが,欲しいわけではない」という表現に集約されますね。
販売店の試聴機ではイヤーピースも限定されますし、買って試さないと判らないと思ってつい買ってしまうんですよね。結果的に買うほどでもなかったかと思うのですが、後の祭りな訳で…。