所持する音楽データに対する私利私欲...イヤ私情私見あふれるコメント、音楽の杜。こういった分野のものは「好み」ですし、優劣を付けるのもそぐわない気がしますので、満足度の☆はあくまで私的な思い入れです。アーティストは、曲を表現することで、自己を表現します。自身の曲の好みとは別に、その曲の持つ雰囲気や主題が、自分の売り出したいイメージとどれくらいシンクロするかと言うのも、楽曲選択の大きなポイントです。1stの王道系の選曲から大きく舵を切った女性声優の2ndシングルをご紹介します。
西明日香(あっちゃん)。女性声優で、「きんいろモザイク」の大宮忍、「三者三葉」の葉山光といったカワイイキャラから、「ほぼほぼ 〜真夜中のツギクルモノ探し〜」でのナレーションのお仕事、「てさぐれ!部活もの」の鈴木結愛や「ひもてはうす」のえにしなど、ギャグ系~ツッコミ系のキャラクターまでこなす。
しかし自分にとってのあっちゃんは、Webラジオ「洲崎西」のパーソナリティの片割れとしてのイメージが強い。ここであやちゃん(洲崎綾)と組んで、ラジオパーソナリティとして開花したあっちゃんは、後に「西明日香のデリケートゾーン!」というアカン名前のアカン内容のラジオもソロで始める。
あっちゃんは、カワイイ声と、気の利いた返しで識られるが、根が関西人だからか、(ラジオでしばしば登場する)面白い家族に囲まれて育った末っ子だからか、「人を楽しませる」「人を面白がらせる」ということに結構行動の主軸がある感じ。
声優なので、「お嬢様」や「もの静かなタイプ」、「ブリッ娘」なども演じたりもするが、どちらかというと本人としてはそういうのは「こそばゆく」、弾けてチャキチャキしているようなのがラクだとか。
そんなあっちゃんが自分名義でリリースした初シングルは、“Honey Face”
の表題曲で、王道アイドル声優系の楽曲。
曲自体は、覚えやすいポップなもので、あっちゃんの声も、表現が良くコントロールされていて、かわいらしく、素敵な曲に仕上がっていたのだが、本人はかなり恥ずかしかったらしい。
どちらかと言えばアイドル系の表題曲よりも、カップリングのコミカルテイストのある「Pump Up!」や、メロディライン自体はジャズテイストがある小粋なものだが、歌詞の着眼点がおもしろい「蟻地獄」の方が気に入っていたような雰囲気。
2ndシングルリリースの話が出たとき、そのあたりのことが念頭にあったのか、1stとは一転して、あっちゃんのエンターテイナー性をグイグイ表に出したものなった。
表題曲の「どきどきしちゃうどっきどき」は、お祭りソング。二転三転する曲調と「演じる部分」つまり声優系の仕掛けもある曲作りは、エビ中やたこ虹、ももクロ界隈を中心に、ジャニーズ系や声優アーティストにも広く曲を提供するヒャダインこと前山田健一。あっちゃんは、前山田健一...というよりは「ヒャダイン」と親交があり、彼のWebラジオ「ヒャダインのわーきゃーいわれたい」が、あっちゃんの「西明日香のデリケートゾーン!」に負けず劣らず..といえかそれを超越するお下劣下ネタ...人間のいろいろな欲求に忠実なラジオであることから、リスナーの重複も多く、そもそもあっちゃん自身がラジオを聴いてもいるというような関係。前山田は曲の依頼を受けたとき、自分のラジオに投稿されてくるあっちゃんネタから妄想イメージを膨らませて曲を創ったとか。若干コミカル調ながらまだアイドルっぽい導入の♪どき/どき/どき/どき/どき/どき/どき/どき/どきどきしちゃうどっきどき♪から♪はい!♪のかけ声で、祭囃子風の?ノリに移り、Aメロに復帰する前には、あっちゃんの貧ny...まだ成長の余地がある胸部装甲を♪ぺったんこ/ぺったんこ/ぺったんこ/ぱいぱい♪といじる。他にも、「ロウリュウ(あっちゃんのハマっているサウナ)」や「デリケート(あっちゃんのラジオ番組)」といったキーワードがちりばめられ、さらには「勝負パンツ」まで飛び出す破天荒さ。これはあっちゃんの歌の確かさや、表現力を味わう作品と言うよりは、ノリと勢いでいてもうたれ!という感じの曲。強制的に耳から「翼を授ける」感じと言うか...
一転して「Tresure Chest」は前作の「Honey Face」系のアイドル声優系のポップで真面目な曲。曲はTHE IDOLM@STER系やAKBにSKE、茅原実里や田所あずさ、ゆいかおりなど声優・アニメ界隈にも曲を提供する俊龍。あっちゃんはかわいらしい声音を使い、伸びやかに歌う。♪瞬く星に/願いを込めて/おやすみ♪と歌詞もロマンチック。re-ziことイシダレイジのギターソロとサビの裏メロが気持ちいい!
ミディアムテンポのしっとりした曲、「Everyday for ever」は、ももクロなどに曲を提供する音楽ユニットinvisible mannersの曲。生ギターのアルペジオと、リズムマシン然としたリズムで、淡々と続く小品だが、♪ずっと/一緒にいると/思っていたんだ/約束をした訳じゃないのに♪と切なく歌うあっちゃんの良い声が堪能できる。
DVDは,この「アニメイト限定盤」では、2016年12月24日に「洲崎綾クリスマスパーティー~バースデーイブ2016~」
と同じくニッショーホールで開催された「西明日香クリスマスショー」が収められる。トナカイの衣装で登場したあっちゃんは、会場からのアンケートに応えたり、プレゼントを配ったり。朗読もやったのだけれど、あやちゃんのように真面目な感じにならないのは、キャラクター??
途中であやちゃんも登場して...でもそうなると「いつもの感じ」になってしまうのは、この二人ならでは。
このシングル、あっちゃんの性格には合っているのかな、と思うのだけれど、せっかくのカワイイ声質は活かしていない。ちょっと企画先行しすぎた感。
昨年(2018年)3rdシングルが出るか...と思っていたが、昨年はシーサイド・コミュニケーションズ自体の音楽方面の活動が低調で、年初に行われた男性声優コンビ(田丸篤志、内田雄馬)のライヴ以外は、年末の恒例ライヴもなし。
そして、ちょうどこのレビューを起こしながら聞いていたあっちゃんのWebラジオ「西明日香のデリケートゾーン!」(2019年7月15日深夜放送198回放送)で、番組の終了の告知が!その中で、この番組が、そもそも楽曲プロモーションのために始まったという初耳な話が(今明かされるショーゲキな事実w
...ということは、もうアーティスト楽曲のリリースの予定はないのかな...
本シングルの「Tresure Chest」や、1stの「Honey Face」系の楽曲を歌うあっちゃんの声は、とてもとても好きなので、またその方向性の楽曲歌ってくれないかな~と微かな期待を持ちつつ待とうかな。
【収録曲】
<CD>
1. どきどきしちゃうどっきどき
2. Tresure Chest
3. Everyday for ever
4. どきどきしちゃうどっきどき (Instrumental)
5. Tresure Chest (Instrumental)
6. Everyday for ever (Instrumental)
<DVD>
・西明日香 クリスマスショー ディレクターズカット版 (2016年12月24日 於 ニッショーホール)
①OPENING
②西明日香 萌え萌えショー
③西明日香 朗読ショー
④西明日香 アンケートショー
⑤西明日香家サンタの史上最大のクリスマスプレゼントショー
⑥ENDING
「どきどきしちゃうどっきどき」
あっちゃんの性格には合っているけれど、声質的にはどうかな...
根が「関西人」のあっちゃんの性格的には、1stの「清純派」ソングより歌いやすいのかもしれないが、声質・歌唱力的にはもったいない...
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購入金額
2,916円
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購入日
2017年10月18日
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購入場所
アニメイト
北のラブリエさん
2019/07/18
cybercatさん
2019/07/18
内容は酷いけど。