山スキーで雪上キャンプしたくて一人用で超軽量の山岳テントを購入しました。
テントは、クロスポール自立タイプで耐久性と快適性を両立させた4シーズン対応のテントです。
テントの長辺側に入口を設け広い前室を確保し、前室を張ったまま出入り可能なダブルスライダーファスナーの入口となっています。また、暑いときには風通しをよくすることができる入口に設けた開閉できるメッシュ窓など、快適な機能を装備した純国産のテントです。
製品情報
- インナー(ナイロン100%(PUコーティング),グレー,ボトムの耐水圧1,800mm)
- フライ(ナイロン100%(PUコーティング),濃いオレンジ色とグレー,耐水圧1,600mm)
- ポール:2本(ジュラルミン製)
- ペグ:8本(アルミ製)
- 収納袋:3袋(フライとインナーは兼用,ポール用,ペグ用)
追加したオプション部品
(追加予定)
積雪期以外では、中国製の安い1枚テントを使用してきましたが、簡単にテントを設営できるものの、結露が酷かったり、換気が良すぎて寒かったりと、不便でした。しかも、結構重いのです。
これからは積雪期以外でも、このテントを積極的に使用していこうかと思っています。
積雪期では、あまり必要性を感じなかったインナーの下に敷くフットプリントの購入も考えています。
雪上キャンプの実際
このテントを使用しての雪上キャンプは3シーズンとなりました。この間、GW以降の雪上キャンプであるにもかかわらず風速30m以上の暴風雪に曝されたり、気温マイナス12度になったり、新雪が20センチ以上積もったり、雨にたたられたりしましたが問題なく耐えられました。
では、実際に雪上のテント設営を解説したいと思います。
雪面から30センチ以上スコップで掘り下げます。
インナーの入り口を風下方向にして広げてポールを挿し込み四隅の輪っかに通して立てます。クロスポール自立タイプなのでポールを挿す順番は、下のポールを挿してから上のポールを挿した方がテントを立てやすいです。逆順でポールを挿し込むと、より強い力が必要となります。
ポールを四隅の輪っかに通したら、風に飛ばされないように下記の雪上ペグで四隅を固定します。
この時、油断していると突風に飛ばされることがありますので要注意です。また、雪上ペグは真下ではなくテントの中央に向かって斜めに差し込みます。
フライを被せて4本のインナーの紐をフライの穴(下の写真では黒い三角部分)に通します。
全ての紐には下記の様な竹箸で作ったアンカーを雪の中に埋めてテントを固定します。
埋める深さは20センチ以上が必要です。なぜなら昼間に天気が良いと融雪してアンカーがむき出しになってしまうことがあります。
完成です。ご覧の様に日が透けるほど薄い素材ですが丈夫な素材で作成されています。強風が予想されるときは、テントの周りに雪のブロックを積み上げます。
冬季の場合、別売オプションのウィンターライナーをインナーの内部にも付けます。これで最低気温マイナス12度で風速30m以上の暴風雪を乗り切ったことがあります。なお、ウィンターライナーには保温素材入りの物もオプションであります。
ちなみにエアマットは使用しません。使用するマットはウレタン製です。なぜならエアマットは内部が結露して重くなってきます。スポンジ内蔵のエアマットですと内部に溜まった水を排出できませんしカビが生えてしまいます。
使用するシュラフも厳冬期用の羽毛のシュラフです。これで体感温度マイナス20度ぐらいなら快適です。
更に低温に耐える必要があるなら、オプションで保温素材入りのウィンターライナーを付けたり、スノーフライを付けたりできます。
雪上キャンプはGW頃だけでなく6月になっても過酷なことがあります。一番嫌なのは雨ですが、標高2500m以上ですと気温はマイナス10度以下になったり暴風や降雪があったりします。
しかし、雪上キャンプは装備と準備があれば意外に快適です。晴れて風の弱い日の夜には満天の星空が広がります。新雪が積もると別世界です。
そんな雪上キャンプを体験してみませんか?
雪上キャンプの注意事項まとめ
- テント設営場所は雪崩を避ける
周りを良く見て、近くに雪崩の跡がないか、斜度は少ないか、木が生えているなら木の間隔を見て判断します。また遠くても直上に雪庇が無いことも重要です。
過去のデータをネットで調べても、毎年雪の付き方が異なりますので現場での判断は重要です。緩やかな尾根にテントを張ることが多いです。 - 突風に注意
テントは広げて放置しない。必ず手に持つか雪上ペグを使用して仮止めする。 - 防風対策もしっかり
周りの雪の付き方を見て、入り口を風下方向にする。大抵は東向きが多い。
雪面から30センチ以上スコップで掘り下げて30センチ以上の壁も積み立てる。 - 残飯はひとかけら,一滴も残さない。全部完食する
外出する時は、食料や残飯がついてしまったプラスティック容器は袋に入れて匂いが漏れないように強く口を縛って雪に埋める。テント内に放置しておくと野生動物にテントを破壊されるかもしれません。もちろん、撤収時にゴミは必ず回収し持ち帰る。 - ウンチは携帯トイレを使用し、お持ち帰り
積雪期は、トイレあっても凍結していて使用できないことがあるので携帯トイレは必須です。
一泊程度なら我慢する手もありますが... - 使用するマットはウレタン製
エアマットは結露するので使用しません。もちろんマットは必須です。
マットは床全面に必要です。僕はシュラフの下に引くロールタイプマットと百均の薄いマットも持参しています。理由は、床が結露するのを防ぐためです。 - マイナス10度以下でガスコンロを使用する時は要注意
携帯用ガスボンベはブタンが入っています。ブタンは沸点が高い為、低温では蒸発しにくくなります。その状態で火をつけるとプロパンが先に燃えてしまい、残ったブタンだけになると異常燃焼します。その時の炎は1m以上になる事もありテント内ですとテントが火事になります。従ってガスボンベは火をつける前に温める必要があります。その様な低温の場合、ライターにも火がつきにくくなります。
ガスコンロを使用する時は、屋外が基本です。 - シュラフは、防水性のある羽毛シュラフが軽くて収納時コンパクトなので良い
防水性の無いシュラフの場合、防水性のあるシュラフカバーを使用しますが、大きさに余裕が必要です。大きさが不足すると羽毛シュラフの防寒性を損なうことになります。 - 換気口を開けて酸欠を防ぐ
酸欠は予想以上に恐ろしいです。酸欠になると息苦しさを感じたりします。更に我慢していると異様に眠くなって突然意識を失うと思います。
積雪期には、フライ,インナーに加えてウィンターライナーを使用するので3層構造となり酸欠になりやすくなります。そこで換気口をある程度開ける必要があります。
テント内でガスコンロを使用する場合も急激に酸素を消費してしまうので換気に注意する必要があります。 - 天気予報は必ずチェック
特に気を付けたいのが雨です。大雨の予報なら中止か撤収です。
雪は平気でも雨は違います。不快なだけでなく透湿性のあるテントでも結露で濡れます。
もっとも怖いのが雨による全層雪崩です。
小雨でもテントの周りに排水溝を作る必要があります。なぜなら掘り下げてテント立てていますから周りの雪から水が浸みだしてきてテントが水没する可能性があります。 - 結露を防ぐ
床は直接雪に触れているので薄いマットで全面を覆います。
新雪がテント上に積もっていたら、その部分が極端に結露しやすくなるので、内側から軽くたたいて雪を落とします。それでも不十分なら雪かきする必要があります。
オールシーズン使える丈夫で耐久性のある本格派軽量山岳テント
特徴
- 超軽量
重量:1,130g 収納袋・ペグ8本を含む総重量は1,280g - 収納時コンパクト
収納サイズ:本体8×15×25cm ポール39cm - 生地は薄くても丈夫で耐久性が高い
防風性,耐水性が高く水に濡れても吸水しません。 - オプションが豊富
オプション部品を増やしたり減らしたりして標高3000mの厳冬期からサマーキャンプまでオールシーズン使用可能です。 - 居住性が良い
壁が高い角度で立ち上がるため、有効な室内空間が広いだけでなく、オプションでロフトを付けることができます。このロフトに小物やランプを置くことが出来て便利です。 - 長辺の前室が最長高さ50センチ
靴だけでなくザックも前室に置けることが出来、雨や雪でもテント内部に雨や雪の侵入を防ぐことが出来る。
このテントの素材は国産技術の粋を集めたと言っても良いくらいです。素材や加工の詳しい技術解説は、製品のHPで確認してください。
https://www.finetrack.com/products/kamina-dome/
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購入金額
59,400円
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購入日
2017年頃
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購入場所
ホーリーさん
2019/07/10
さすがに5月中旬ともなると、キャンプ場のトイレも水場も使えるので便利です。
お風呂も近くの山荘に入れます。