Amazonで見つけた中国製の安定化電源モジュールです。
出力電圧や電力別に3タイプあり、今回購入したものが一番安価で小型のモデルです。
出力は0~32V, 0~3A(最大96W)まで対応しています。このモデルはファンレスですが、より大出力の他のモデルはファンがついていたりします。
動作時の画面を撮影していなかったという失態のため、画面のイメージは取説でつかんでください。
上の画面が通常の動作時の画面です。
最上段の小さな数字が出力電圧/電流の設定値です。VSETスイッチを押すと電圧のデジットがハイライトされ、ロータリースイッチで設定値を変更できます。同様にISETスイッチとロータリーダイヤルで電流値を設定できます。
12.00Vとか2.000A、24.00Wと表示されている部分が出力電圧/電流/電力のモニターです。
最下段の数字は入力電圧のモニターです。入力電圧は40Vまで対応しています。
丸いアイコンが4個ほど並んでいますが、キーロック、正常動作、CV/CCのステータス、出力状態のステータスアイコンになっています。
取説の下の方の細かい数字が並んでいる画面は詳細設定?画面です。SETスイッチを押すとこの画面に切り替わります。↑↓スイッチで項目を移動し、プッシュスイッチ兼用のロータリーダイヤルを押すと数値を変更できます。
電圧/電流/OVP(OVPを超える電圧が発生した場合に出力断にする保護機能)/OCP(同様に過電流の保護機能)/OPP(電力の保護機能)/バックライト輝度/設定値メモリー などが設定できます。意外と本格的です。
昨日持ち物登録したTektronixのDAQ6510で、PCでデータを取り込みながら5~10分ほどサンプリングして電圧値のばらつきを確認しました。
DAQ6510のレビューのほうに画像を入れていますが、電圧の偏差は5Vに対して約5.01V(無負荷)、これが3.3V、1.8Vでも同じように設定値に対して10mVほど高めに出ます。
これが個体差なのか共通的なものなのかはわかりません。ただし0.8Vに設定した時はほぼ設定値通りの電圧が出力されましたが、これは電圧ステップの刻みとの関係で偶然合っただけかもしれません。
また経時ドリフトですが、10分程度の測定で、5Vの設定で2mV程度変動したように記憶しています。
(データの整理ができたら修正するかもしれません)
価格から考えると、出力電圧精度的には十分満足できるものでした。
ただ弱点もありまして、それが過渡応答というか負荷が急変した時の電圧の安定度です。
3.3V出力時の設定で3Aの負荷を接続した場合に、瞬間的にですが1.3vまで電圧が低下します。
5V出力の設定で、3Aの負荷および2Aの負荷をON/OFFしたときの電圧変動を測定しました。
↓5V出力の設定で、3Aの負荷ON/OFF。 負荷ON時には2.54Vまで電圧が低下します。
3A負荷時は元の5Vに戻るカーブが直線的で2A時よりも復帰にかかる時間がかなり長いです。DPS3003の制御が追い付いていない印象を受けます。
逆に負荷をOFFにしたときは、5.35V程度のピーク電圧が発生します。
↓5V出力の設定で、2Aの負荷ON/OFF。 負荷ON時の電圧低下も3.72V程度(決して小さくはありませんが、3A負荷との比較ではかなりましです)であり、何より短時間で5Vに復帰しています。
負荷OFF時のオーバーシュートは3A時とあまり変わりません。
動的な負荷変動に弱いとはいえ、オーバーシュートはないのでそこは良かったです。
参考までに、負荷をかけた状態での起動時波形も...。
↓5V出力、3A負荷です。やはり立ち上がりが直線的で遅いです。
↓続いて5V,2Aです。やはり立ち上がりが早いです。こういった波形を見ると2A程度で使うのがいいのかなと思います。
Amazonで完成品の安定化電源を購入すると、中国製でも1万以上はすると思うので、家に20Vくらいの使わなくなったACアダプターが転がっている人はこのモジュールを購入して100均のケースにでも組み込めば安価な安定化電源が作れると思います。
さっそく100均ケースに組みこんでみたのですが、結構大きめのケースが3個セットで¥100というものを購入したためか、意外とケースの強度が低くて若干後悔しています...。
ケースの空きスペースにケーブル類を入れています。
さらに、持ち運ぶときにはケースを2段重ねにすればロータリーダイヤルの保護にもなります。
使用する際は、ケースにあけた穴からケーブルを引っ張り出します。写真ではフタを外していますが、取り付けて使用できます。
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購入金額
3,809円
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購入日
2019年01月14日
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購入場所
Amazon
jakeさん
2019/03/07
aPieceOfSomethingさん
2019/03/07
コメントありがとうございます。
入力電圧も40Vくらいまで対応しているので、ほとんどのACアダプタで使用可能だとおもいます。
モジュールだけでケースがないのがひと手間必要で残念ですが、意外と使い勝手も良い感じです。
ただ負荷をかけた時の立ち上がり波形を見てみると、3Aは少し荷が重いかも..。と思いました。
2Aくらいならば余裕なんですが。
このあたりは使いこなしとも言えますが、日本製の電源よりは少し無理をした設計なのかな?と思います。