レビューメディア「ジグソー」

入手までの年月が長過ぎると、それに対して持っていた幻想との落差を感じてしまう。というだけではないポイントが幾つか……。

  • by
    L2さん
  • 2018/09/10
  • (更新: 2018/09/10)

1993年発売のソフト、という事ですが。

年代までは、はっきりと覚えてはいないですけれども、よく覚えているのは、雑誌広告に載っていた菊地通隆さんのイラストの綺麗さ、煽り文。

 

「風と海の聖伝承

 理想郷(ノイギーア)に広がる

 新次元アクションRPG」

 

イースから火が点いた、と思われるアクションRPGに連なる雰囲気を感じましたし。

Xakシリーズと同じ作家さんの絵に期待感が、凄く有った事が思い出されます。

 

発売当時は、学生時代でして、大好きなジャンルの歴史ストラテジーや、非アクションなRPGを追っかけるだけで予算は一杯一杯。

もしくは、格闘ゲームの著しい台頭で、予算が出来ても、アクションRPGの購入に回す事がありませんでした。

また、初めてパソコンを入手した時期でもありましたので、PCソフトへの予算配分の傾倒が半端ない事になっていたのです。

更新: 2018/09/10

斬新なコンセプト、なんだろうなぁ。と思うものの、マーケティングには反映されず

前項に書いたように、

パッケージイラストやキャラクターデザイン的なものは菊地通隆さんでして、そのイラストを用いた広告というか、チラシ? は、むっちゃ壮大な気配の煽り文が書かれていたのです。

そして、そのチラシには、

音楽は、高橋幸宏さん、

ストーリー監修は、会川昇さん、

デザインワークスは、森木靖泰さん。

とも書かれている訳です。

 

L2さんとしては、今の今まで、購入する機会は何度かあったのかもしれませんが、「アクションRPGはそんなに得意ではないからなあ…」という気持ちと、お値段の釣り合いがあんまり取れなくて、見かけては見逃してきました。

ブレーキを掛けていたのは、イースシリーズのようなアクション巨編なのだろうな、という想像。

自分で購入して、プレイしたのはハイドライド3とかハイドライドSPECIAL位でしたし、

未来神話ジャーヴァスでアクション性のあるRPGに対する苦手意識が大いに植え付けられた(笑)こともあって、長期間に渡ってプレイし、クリアまでやり遂げられる自信が無かったのかも。

 

そういう想いなどを交えた何十年か越しの遭遇と躊躇を何度か経て、購入する事になりました。

大正義250円。

安いというのは、何にも代え難い、かもw

(そういいつつ、ただただ積みゲーを増やす人なのですが)

 

その結果、想像と現実との間に、大きな乖離を感じて、とてつもないガッカリが……。

という展開だと、割とドラマチックだったのかもしれないのですけれど。

そういう身構えをあんまりしないで、さっくりとプレイしたので、じわじわと味わいつつあります。

 

まあ、この位でいいかな、と序盤のつもりで中断して、攻略記事を検索してみた所、既に、物語が折り返していた衝撃は、大きかったですがw

 

さてさて、ゲームとして、一番癖があるな、と感じるのは、操作性に難がある(L2さんの個人的な感想ですが)ということでしょうか。

画面越しに斜めから見下ろしている形、つまり、クォータービューではあるのですが、奥に向かっての障害物などの高さが分かり難く、その見た目のままで、奥行きが平面的に作られているように感じまして。

私としては、その視覚との差で操作性がちょっとアレな感じを覚えます。

特に、中盤ステージでの足場をジャンプで移動する場面。縦横で異なる軸合わせの感覚もさることながら、奥に向かって飛び移る時に、移動する足場の高さと飛び移る先の高さがどうなっているのか、実行してみないとおぼろげにしか分からなかったのは、ツラかったですね。

(横軸で飛んでくる敵の攻撃を避ける時にジャンプした結果、その敵よりも縦軸で奥にいる敵の横軸攻撃に当たっているように感じたのは、気の所為だったでしょうか。SFCだから、その辺りの処理が混線していた可能性は否めない。と、信じ込んでしまっている錯覚かもしれませんが)

 

全体的にサクサクと進んで、サクサクと死んで、サクサクとやり直して、気が付いたらクリアしている。(オープニングから実際に敵と戦闘開始されるまでの飛ばせないやり取りを除けば)

というような感じの印象です。

ただし、上述のような足場の高さの分かり難さを克服してきたら、という感じですけれども。

 

クリア後に、クリアタイムと順位が表示されることで、ゲームのボリュームが意図して圧縮されているのだな、と、当時の子供達は考える事が出来たでしょうか。

20分弱でクリアして、一位になれるかどうか、というアクションRPG。

私が、発売当時に購入していたら、「お金返して」と思ったのではないか、と想像されます。

昨今のブームでもある長時間掛かるハズのゲームにおいてすら短時間のクリアタイムを競うという概念のRTA(リアルタイムアタック)ですが、それを公式として設定しているのは、未来過ぎた先取りだったかもしれません。

 

何よりも、広告から感じるイメージとのギャップが大きすぎる。

嘘はついていないけれども、ゲームでの売りの部分以外にスポットを当てている感じでしょうか。

もしくは、ゲームのコンセプトに対して用意された設定やストーリーが必要以上過ぎた、のかも。

 

今、こういう繰り返しプレイでタイムアタックを推奨するようなコンセプトのゲームは、「○○秒で世界は滅ぶ」「一歩で一歳老化する呪い」「数分滞在するだけで生命力を失う魔界」というような設定で、元々、一回一回のプレイが長くならない事を知らしめる設定が付いていて、納得した状態で遊ぶように誘導しているかなあ。

 

この作品発売時には、設定やストーリーは壮大だったり、重厚だったりする事が好まれていたように私は考えていますので、生まれてくるのが早過ぎた作品なのかもしれません。

その意味では、買わないで居た私自身の判断に感謝したいと思います。

  • 購入金額

    250円

  • 購入日

    2018年07月09日

  • 購入場所

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