世の中で言われている「体に良い」とされている食べ物のほとんどはマーケティングの結果で、科学的に証明されたものではない。例えば、農林水産省と厚生労働省は白米を1日3〜5杯食べることを推奨しているが、事実は白米は1日2〜3杯で糖尿病のリスクが上がりはじめる。これは、農家のための忖度であると本書では言っています。
本当に体に良い食べ物とはいかにして決められるのか?本書で紹介しているのは、様々な研究論文やその論文をまとめた論文を元に科学的に体に良い影響があると証明されている食べ物を紹介してます。また、その逆に体に悪い影響があると証明されている食べ物も。
本書では食べ物を下記に5段階に分けています。
- 健康に良いということが複数の信頼できる研究で報告されている食品。
- ひょっとしたら健康に良いかもしれない食品。少数の研究で健康に良い可能性が示唆されている。
- 健康へのメリットもデメリットも報告されていない。
- ひょっとしたら健康に悪いかもしれない食品。少数の研究で健康に悪い可能性が示唆されている。
- 健康に悪いということが複数の信頼できる研究で報告されている食品。
この本では「納豆」でさえ2番です。これは研究の元になるのが欧米(特に米)の研究が多く、その文化圏の食品がよく研究対象になるためということでもあります。
ただし、5番のカテゴリだからといって、1口食べたら悪影響があるわけでもなく、ある程度のリスクを考えつつ量や頻度を調整し、自分の好きもの食べた方がいいとも本書では言っています。つまり、食事は体に良いかどうかだけではないってことですね。
全体を通して、根拠に論文が参照されていて、読もうと思えば元の文献を自分で解釈できます。ただし、100以上の膨大な数ですが。
また、本の最後のコラムに「どのようにしたらインターネットで正しい健康情報をみつけられるか?」と地味ですが割と重要なコラムがあり、マーケティングに踊らされるなという著者の熱意を感じました。
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購入金額
1,620円
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購入日
2018年07月頃
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購入場所
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