通称「パワーDINコネクター」です。
DIN規格の丸コネクターに似ていて「DIN」とまで言っていますが、DIN(ドイツ工業規格)に定義はありません。
ACアダプターのDC側に取り付けて機器への電源供給に用いることを想定した勝手規格でありながら採用する機器は多いです。
- DC 20V 7.5A (最大) 又は DC 30V 5A (最大)
- 4極
- ロック機構あり
- シールド部の外径 10.0mm、ピンの外径 1.5mm
- 対応するケーブルの外径:5.5mm(最大)
ロック機構の分、部品が8ピースあって組み立てがちょっと面倒なのと、ロック動作があるので当たり前なのだけど抜き差しの操作にちょっと手間がかかります。
(参考図)
挿入する際は、ただ挿すだけで良いのですがロックのアームが相手を乗り越える分ちょっと力がいります。
引き抜く際は、コネクターの外装を後方へスライドさせるとロックが緩む仕組みなので、スライドさせたまま抜きます。つまり、ケーブルを引っ張っただけでは抜けないので安全といえば安全ですが、接点自体のコンタクトがきついのかロックが完全に緩んでいないのかやはり力がいります。
あまり力がいるような仕組みだと、基板側のコネクター傷みが心配です。もっとも、これは今回のコネクターが安価品のため精度が悪いとか、コネクターのメーカー間の微妙は違いなのかもしれません。
4極あって、ピンアサインは設計者次第です(ピン番号の定義も?)。電流容量を確保するために2ピンを共通ペアで使うとか異なる電圧を混在させるとかも自由です。なので、使用現場に同一形状のコネクターのACアダプターがたまたま存在する場合には、挿し間違いに注意です。
機器の対応を間違わない限り、極が誤って挿さる心配はないのでその点はパワーDINのいいところです。
また、大電流に対応していることに合わせてスリーブやカシメ部分も太めのケーブルが通せるようになっています。細いケーブルに取り付ける場合は、断線防止と操作性向上のためにスペーサーを入れるなどの工夫をしたほうがよいかもしれません。
(コネクタプラグ・嵌合面)
ちなみに、DC電源の供給には、丸型 外径 5.5mm のコネクターが広く普及していますが、電流に限度があったり(製品により4A程度まで)、ロック機構がなかったりします(多少の工夫のある製品もあるが、それでも抜けるときは抜ける)。とはいえ、構造がシンプルで扱いやすく、安価で助かります。
例えば・・・
http://akizukidenshi.com/catalog/g/gC-06712/
こちらのスキャナーのために専用ACアダプターを入手できなかったので、一時本体から電源線を引き出して他の電圧電流の適合するアダプターを使用していました。今回、アダプターのコネクターをパワーDINコネクターに付け替えて専用品同様に使用できるようにしました。
ピンアサインは、1: +24V、2:NC、3,4:GND でした。
10個で ¥ 865 + 送料 = ¥ 1,094
(千石電商では、@273円(おそらく同一品)
https://www.sengoku.co.jp/mod/sgk_cart/detail.php?code=6AFK-RGE2
組み立て方と寸法図のリンクあり)
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購入金額
109円
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購入日
2018年06月26日
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購入場所
Aliexpress
タコシーさん
2018/06/26
見かけなくなりましたね 私の今の機器ではフィリップスとシノロジーのNASに
5ピン(2+3) , 4ピンの電源コネクターに使っています
ステレオのDINコネクターは真ん中の黒いコネクターがごっそり抜けると
線材半田が面倒でした 周りは金属で真ん中はプラスティックで抜けやすいものでした。
ちばとどさん
2018/06/27
身の回りでコネクタの種類は増やしたくないものですが、いやおうなくいつの間にか増えます。
DIN規格はかなり古い規格なのだと思います(調べてませんけど)。多芯なのにハウジングのスペースが狭いとか、接点ピンの抜けやすさとか、手作業で加工をすることを想定している割には使いにくい接続方法ですよね。
コネクタって、挿しやすくて抜けにくい、けど抜きたいときにすっと抜ける、接触が確実で、信号線ならノイズに強く、電力線なら小さくても大電力とか・・・ものづくりについてまわる永遠の悩みです。あらゆるものがコードレス、無線化される日まで。