実は丸1年も前に買ったイヤフォンですが、あまりに音質にがっかりしてしまってレビューを掲載していない事に気付きました。
JVC KENWOODのヘッドフォン・イヤフォン・スピーカーでは、振動板として一般的なコーン紙や薄膜金属等ではなく、木を薄膜加工(このHA-FW7の場合は50㎛)した、ウッドドーム振動板を採用している製品群があります。
これらはWOODシリーズと銘打たれて商品化されていますが、金属振動板の製品よりも価格的に上位に位置付けられることが多くなっています。
イヤフォンのWOODシリーズとしてはHA-FW01/02/03というシリーズが用意されていて、HA-FW03は比較的オールラウンド型で好印象、最上位のHA-FW01は駆動力の高いアンプで使えば価格に見合った高音質という印象があります。そこでシリーズ最下位のHA-FW03のさらに下の価格帯で、ウッドドーム振動板を気軽に体験できるという製品として用意されたHA-FW7が気になり、買って使ってみることにしたのです。
中古購入品ですが、付属品等は完備していました。
これなら金属振動板の方が良い
冒頭の文章で書いているように、使ってみてあまりにひどかったため、すぐに不要品箱(通称イヤフォン墓場)に放り込んでしまっていました。
このときに試聴に使ったのは、Astell&Kern AK100IIやONKYO DAC-HA300ですが、空間は狭くレンジ感もなく、一音ごとの質感も低いという救いようのない音にしか感じられなかったのです。率直に言って、これよりもまともな音を出す5千円以下の製品などいくらでもあると言い切れるほどでした。
最初はほぐれていないのかと思い、取り敢えず60時間程度エージングしてみたのですが、特に大きく変わる様子は見られなかったので諦めてしまったのです。
しかし、このシリーズ最上位のHA-FW01のようにアンプ(またはプレイヤー)を替えることによって大化けする可能性が無いとも言えません。そこで当時は所有していなかったAstell&Kern KANNで再度試聴してみることにしました。
しかし、結論から言ってしまうとKANNでも印象は全く同じでした。メリットを見出すことが難しいこの音は、エージング不足でもアンプの駆動力不足でも無く、この製品本来の音質であるということです。
販売店の展示機で比較してみた限りでは、金属振動板を採用した廉価モデル、HA-FD7の方が出てくる音はずっと好印象でした。HA-FD7なら価格なりの音なのに、より高価なHA-FW7がこれほどひどいとは予想できなかったほどです。
確かに私自身、このWOODシリーズ全般にどうしてもしっくりこない部分は感じているのですが、先代シリーズのHA-FX850など買って後悔はしない程度に納得できるものもありました。しかしHA-FW7にはそういったポジティブな要素を見出すことは不可能でした。
どうしてもウッドドーム振動板を使ってみたいという理由があるのであれば別ですが、そうで無ければ同社製品であれば一般的な振動板のHA-FD7か、素直に他社製品を入手されることをお薦めしておきます。同社のWOODシリーズ製品であれば、最低でもHA-FW03を買うべきです。
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購入金額
5,918円
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購入日
2017年06月09日
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購入場所
ソフマップ
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