最近巷ではロープロファイルスイッチを使用したメカニカルキーボードが話題になっていますが……
サンワサプライが運営する直販サイト「サンワダイレクト」も、ロープロファイルスイッチ採用のスリムメカニカルキーボードを発表しました。
それが今回レビューする「400-SKB057R」を含む400-SKB056・400-SKB057シリーズです。
そして、テンキーレスモデルの「400-SKB057BL/R」
※製品画像は公式サイトより引用
いずれもサンワダイレクトでのWEB限定品で、リアル店舗での取扱は無いようです。
テンキーの有無と赤軸・青軸の組み合わせで計4種。
その中からテンキーレス・赤軸な「400-SKB057R」を選びました。
私的にはテンキーは邪魔なだけなのでテンキーレス仕様があれば、当然そちらを選びます。
テンキーがあるとキーボードとマウスを行き来する右手の距離が大きくなるのが嫌なんです。
そもそも普段キーボード使用していてもテンキーを多用する場面がありませんし。
数字入力自体は行いますが、メインキーで十分事足りてますしね。
キーボードにテンキーは絶対に必要だと言う方もいらっしゃいますが、実際にそこまでテンキー使いますか?と言う感じです。
メインキーの数字キーで数字入力するのに慣れてないからテンキーの方が、と言う人が大多数な気がします。
勿論テンキーが必要な方はテンキー搭載モデルの方を選べば良いと思います。
ただテンキーレス仕様もちゃんと用意してくれているのは嬉しいですね。
無理やり押し込んだ変態コンパクト仕様のキーボードは多々あれど、フルキー配置からテンキー部のみを切り落とした、まともな配置のテンキーレスキーボードって選択肢が無いに等しいのが現状ですから。
さて、後は軸の選択。
赤軸か青軸か。
海外物に多いのが青軸ですね。
カチッとしたクリック感が爽快な反面、打鍵音が喧しくなります。
そして最近日本で流行りの赤軸。
クリック感が弱く柔らかい押し心地で青軸に比べ打鍵音も静かです。
※軸の説明画像は公式サイトより引用
今回のロープロファイルスイッチでは試せていませんが、通常のMX軸で打鍵を試した限りでは一番手にフィットしたのが赤軸でした。
これまでも赤軸のメカニカルキーボードを愛用している事もあり、今回も赤軸を選択しました。
今回ロープロファイルスイッチの「400-SKB057R」を使うにあたり、通常のMX軸のメカニカルキーボードを使い比べて、違いなどに触れつつレビューしていきたいと思います。
薄型で素直な配置のテンキーレス
先ずはパッケージ。
WEB販売専用と言うことでシンプルなパッケージになっています。
開封した所。キーボードの上に乗っているのは取扱説明書。
上の写真の中央部分の白っぽいものは、透明ラベルに赤字でPULLと書かれていました。
これを引っ張るとキーボードがスッと楽に取り出せました。
こういう細やかな心遣いは嬉しいです。
そして内容物。一緒に写し忘れましたが、先程出てきた取扱説明書も内容物の一つです。
下の写真はキーボード本体と、接続用のUSBケーブル。
ケーブルのコネクタ部分は金メッキ仕様のようです。
キー配置は以下の通り。とても素直なテンキーレス配置です。\(^o^)/
キーボードは同梱されているType-A-MicroBのUSBケーブルを用いてPCに接続します。
キーボードの上部にMicroBのUSBポートがあります。
チルトスタンドを倒せば低く、立てれば若干の傾斜が付きます。
私的にはチルトスタンドは立てた方が打ちやすいですが、この辺りは好みですね。
チルトスタンドを立てた状態をキーボード上部方向から。
メカニカルなのに薄いっ!パームレスト要らず
今回のロープロファイルスイッチを使用したメカニカルキーボード 400-SKB057R の特徴は、何と言っても薄型(ロープロファイル)のメカニカルスイッチを採用している事。
また、それによりキーボード本体の厚みが非常に薄くなっている事だと言えます。
と言う訳で、通常のMXスイッチなキーボードと比べてみたいと思います。
比較対象は現在愛用しているROCCATのRyos TKL PRO。
では、どれくらい大きさが違うのか。
横幅
横幅を比べた所。
キー周りに余白があるRyosの方が大きいですが、キー本体部分のサイズは変わらないことが解ります。
つまりキーピッチは通常のMX軸と変わらないサイズが確保されている訳です。
通常サイズ19mmのキーピッチが確保されている事で、乗り換える際に違和感を感じること無く、手の動きは今までのままで使えるのが良いですね。
Ryosの幅は40cm程度。
対する400-SKB057Rは……
35.4cm程度。
左右の余白がカットされていることで5cm程度コンパクトにまとまっています。
高さ
次はキーボード全体の高さ。
Ryosはベース部分の後方高さで4cm程度。
キートップまで含めると5cm程度でしょうか。
対する400-SKB057Rはベース部分の後方高さで1.3cmくらいですかね?
キートップまで含めても2.3cmくらい。
2.3cmって言うと、Ryosのベース部分の手前の高さくらいですよね……薄いっ!
今度はキーの高さ。
Ryosは1.7cmくらいでしょうか。
400-SKB057Rは7mmくらい?MX軸の半分程度ですね。
奥行き
最後に奥行き。
Ryosは23cmくらい。パームレストが付いている分、奥行きは大きめです。
対する400-SKB057Rはパームレストもなく最小限。
僅か13cm弱しかありません。その差は10cmにも及びます。
横に並べてみると、Ryosはファンクションキーとメインキーの間が広めなのが解ります。
設置
これを実際に設置するとどうなるのか。
先ずはRyos。奥行きに隙間が無く目一杯使っている感じです。
400-SKB057Rに置き換えてみると……その差は一目瞭然。
実際に使用する際にはキーボード手前に手のひらが乗りますから必要面積としては大幅に減る訳ではありませんが……見た目の圧迫感は無くなりましたね。
再度並べて比較。斜め横から見てみると高さの差が歴然としていますね。
突き合わせてみると、Ryosのパームレストの先端の高さと、400-SKB057Rの手前部分の高さが同じくらい。
これならパームレスト不要ですよね。
軸を拝見
せっかくなのでキートップを外して軸の状態を見てみます。
キートップは下から持ち上げるようにすれば簡単に外せます。
公式サイトの商品ページではキースイッチそのものの素性については触れられていませんが……
と言う訳で、キースイッチ自体はKailhロープロファイルスイッチ(Kailh軸)だと思われます。
ちなみにKailhはCherry MXの互換スイッチを作っている事で有名な、中国Kaihua Electronics(カイフアエレクトロニクス)の商品シリーズ名です。
現状では未だ出始めなので交換用のキートップの入手も難しそうですが、通常のMX軸のように色違いのキートップとかが出てくると面白そうですね。
Nキーロールオーバー
ゲーミング用途向けを強く謳っている訳ではありませんが、しっかりとNキーロールオーバーにも対応しているようです。
実際にNキーロールオーバーがどこまで効くのか「4Gamer Keyboard Checker」で試してみました。
ただ残念な事に64bit版Windows10では同ツールが動作しなかったので、64bit版Windows10上で動作させているVM上のWindows7で動作させて確認を行いました。
SSを撮ることが出来た結果では同時に37Keyまで認識していることが解ります。
実際にはもっと多くのキーで同時認識可能なようですが、キーボード押しながらAlt+PrtScrでキャプった為、操作上の限度で以下のような結果になっています。
まぁ、普通に考えて37キーも同時に押さないとダメな自体は無いので十分過ぎる結果だと言えます。
静かで使いやすい
では実際に常用した場合にどうなのか?
使用する上で気になるのは打鍵音ですね。
打鍵音についても簡単ではありますが、比較用のRyosでの打鍵と合わせて動画にしてみました。
なお、動画の後半では400-SKB057RのLEDバックライトの発光パターンも収めています。
MX赤軸が カチャカチャなイメージなのに対し、400-SKB057Rの打鍵音はカタカタに近いイメージです。
底打ちすると煩いのは同じですが、キーの高さが薄い分400-SKB057Rの方が自然に撫で打ちが出来て静かに感じます。
まぁ、Enterキーをついついターン!と底打ちしてしまうのはお約束です(w
LEDバックライトの発光パターンはFnキーとファクションキー等の同時押しで切り替えられます。
特殊キーは丸の中に発光パターンのイラストが入っている記号が付いたキーになります。
ファンクション1~4。
ファンクション5~8。
F1~F5までは自分で設定したパターンの切り替え。
F6が波打つようなパターン、F7が押した場所を中心に広がっていくパターン、F8は左上から右下に向けて光が移動していくパターン。
ファンクション9~12。
F9が押したキー全てが光るパターンで、F10が全てのキーが点滅するパターン、F11は常時点灯。
F12はF1~F5にパターンを割り当てる際の設定キーになります。
そして、ー(ほ)で輝度がダウン、^(へ)で輝度がアップ。
Pauseのは自分で割り当てたパターンをリセット。
PgUpで点滅速度がアップ、PgDnで点滅速度がダウン。
そしてカーソルキーでF6の光の波が流れていく方向を切り替えることが出来ます。
F6の波やF8の一定方向へのパターンは正直使い所が難しい気がしますが、自分で設定するパターンであれば、特定のゲームで良く使うキーに割り当てることで視認性を高める事も出来ますね。
私的には部屋の明かりを暗めにしている時に低輝度常時発光にして使うのが利便性が高くて重宝しています。
写真だと分かり辛いですが、低輝度だと丁度良いくらい、高輝度は目が痛くなる程に過剰に明るいです。
重量
400-SKB057Rの重さも確認しておきましょう。
キーボード単体だと499gでした。
USBケーブル込みで533g。
一般的なメカニカルキーボードには重いものが多いので、かなり軽く感じますね。
だからと言ってキーボードが動きまくるかと言えば、普通に使っている分には動かないですね。
使う場所にもよりますが、裏面のゴム足がしっかりと滑り止めの役目を果たしてくれているようです。
汎用なようで汎用品では対応が難しいUSBケーブル
キーボードとPCを繋ぐためのUSBケーブルはコネクタこそType-AとMicroBの一般的な組み合わせなのですが、MicroB側に少々クセがあります。
上の写真でお解りかと思いますが、コネクタ部分の後ろのカバーの部分が細身になっています。
キーボード側のポート周りが、このカバーのサイズぴったりになっているため、その辺に転がっているType-A-MicroBのケーブルで繋ごうとしてもキーボード側が刺さらないんですね。
まぁ、そうそう断線することも無いとは思いますが、せっかくケーブルが抜き差し可能になっているにも関わらず、汎用的なケーブルが使えないのは少々残念な気がします。
勿論、サイズ的に合うものもあるとは思いますが……その辺に余ってるケーブルを気軽に流用と言うわけには行かないようです。
期待していた以上に使いやすいが……
キーボードとしての打ち心地は良いですね。
流石に通常のMX軸程の爽快感はありませんが、しっかりとメカニカルスイッチである事は感じられます。
パンタグラフやメンブレンと比べればワンランク上の打ち心地ですね。
ロープロファイルキースイッチ採用で全体的に薄型になっていることで、パームレスト無しでも快適に使える、と言うかパームレストが不要になった事は利点としては、かなり大きいです。
また周囲の余分な部分をギリギリまでカットしてコンパクトになっている点もGoodです。
反面、メカニカルスイッチ採用キーボードの宿命と言うか、キーボード自体の値段が高めになるのは痛い所ですね。
メカニカルキーボードを使い慣れている層からすれば全然安いんですが、普段メンブレンやパンタグラフと言った安価なキーボードを使っている人達から見ると、かなり敷居が高いのは否めません。
実際に使ってみれば良さが判るので、決して高くは無い事も判ると思うのですが……
如何せん、今回の400-SKB057RについてはWEB限定販売品のため、量販店等でサンプル品を触って確かめる事も出来ないのも敷居を高くする要素の一つですね。
逆に言えばWEB限定品にする事で無駄なコストを省いて、ここまで価格下げている、とも取れるのですが……
普段どのタイプを使っているかで基準になる価格帯が天地の開きがありますしね……
でもメカニカルキーボードに興味はあるけどゴツすぎて尻込みしていたような人にはピッタリな商品だと思います。
薄型のメカニカルキーボードは未だ出始めなので選択肢も少ないですが、これからその選択肢が増えてくれることを期待したいですね。
勿論、今買うのなら400-SKB057Rは、かなり良いと思います。
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購入金額
0円
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購入日
2018年02月15日
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購入場所
サンワダイレクト(レビュー用に提供して頂きました。)
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