レビューメディア「ジグソー」

オーダーメイド殺人クラブ、最終回は見事でした。春亜季の読み切りも良かったです。

good! (グッド) アフタヌーン 第43号 2014年 06月号 [雑誌]

今月も傑作ぞろい。

オーダーメイド殺人クラブ 辻村深月・及川由美
最終回は見事でした。
ヒロインは少年に殺人をオーダーメイドした。クラス内で異質な存在である少年は教師を父に持ち、人気女性教師と何故か一緒に歩き、芸術の才能が溢れていた。クラス内ではバカにした意味も込めてショーグンと呼ばれる少年は、ヒロインから殺害して欲しいと依頼を受ける。殺す・殺される事以外では、互いに無関係に生きていたであろう二人は何度も連絡を取り合い、休日に殺害計画を話し合う。
徐々に高まる自殺への決心。
自殺願望の生まれた少女は自分の死ぬ行為に目的を見出しているわけではない。死んだあと自分をどう思ってもらえるかが大事なのだ。普通の人間とは違うという自尊心がそうさせる。ほんのちょっとのシアワセで喜ぶ他人をみて辟易し、同様にほんのちょっとのシアワセで喜んでしまう自分自身にがっかりした。根拠のないふわっとした選民意識、そして許せない今の自分のクラス内での弱い立場。思春期の増大したストレスと向き合うにはあまりにも自己愛惜が強すぎた。少女の自殺に至る告白日記の最初のページはまるで小説のようだ。
「これは悲劇の記憶である」
夕焼けのきれいな川辺で、複雑な家庭環境に悩む少年にヒロインは笑顔で言う。「私を殺す場所はここにして」。少年はヒロインを殺して少年Aになってしまうのか。ヒロインは本当に殺してほしいのか。ラストの告白はぐっときました。

いとしのクレメンタイン 春亜季
久しぶりの傑作読み切りでした。
小さなクリニックで働く主人公の助手は女性型アンドロイド。少しずつ確実に人間に近くなる彼女に恋心を抱くが、彼女は自分を作ってくれた今は亡き主人公の父親に恋をしていた。ゆっくりと主人公の父親を思い出した彼女に、主人公は別れの言葉を心のなかで呟いた。

ウィッチクラフトワークス 水薙竜
主人公とヒロインの無くした過去の記憶を求めて実家に帰る。歓迎されない理由があり、こっそり向かったその先には一癖ありそうな本家の人たちがいっぱい居た。

亜人 桜井画門
頭のおかしいヤツしか居ない中で、一番キレキレだったのは佐藤ではなく戸崎の方だった。

夏の前日 吉田基已
美大生の主人公はいろんなものを吹っ切れさせるために別れ話を決意した。別れ話をした主人公のほうが涙するのはなぜなのか?

  • 購入金額

    700円

  • 購入日

    2014年05月07日

  • 購入場所

    amazon

20人がこのレビューをCOOLしました!

コメント (2)

  • kaerkiさん

    2017/11/09

    亜人、早く3クール目始まらないですかねぇ
  • プレカリアート真面目明さん

    2017/11/09

    コメントどうも、kaerkiさん
    亜人おもしろいですね、そしてアニメは儲からないのでやらないほうが良いんじゃないかなとおもったり。でも作って欲しいなと思ったり。

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