これまで使っていた、Nikon D800Eは、3,630万画素の撮像素子を持ち、ローパスフィルタレスのデジタルカメラで、特段不満はなかったのです。
なんでも無難に撮影してくれますし、ちょっと重いのを除けば文句はありませんでした。
なので、D810が出ても触手は動きませんでした。
しかし、今度のD850は、4,575万画素です。
なんと1,000万画素近くの画素数アップ、ISOも自動で64~25,600迄、更に102,400迄増感可能です。
今回の、D850は、ポップアップストロボが無くなりましたが、Nikon D3を使っていた頃のストロボで、Nikon 2機種,Panasonic 1機種持っているので問題ありません。
行っちゃおうかな?と思って新宿のマップカメラを覗きました。
丁度、私が所有している24-70mmのズームレンズが付いた展示品がありましたの触ってみました。
現在使用しているD800Eとの比較ですが、持ってみての重量バランスは問題なし。本体自体が若干重くなっているのですが、気にならないレベルです。
軽くレリーズボタンを押すと…静かです。
シャッター音がとても静かになっていました。
これまで使っていた、D3/D800Eはシャッター音が結構大きく、舞台撮影等では気を遣っていました。(静かなシーンではシャッターを押しづらい)
ここにカメラが居るぞ~!って主張するのです。
それに比べて、D850は割と静かです。ミラーショックを含め振動も少なく感触もすこぶる良かったです。
店員さんに、どの位待つの?
と聞いてみると、今のペースで商品が入荷し続けたと仮定して約1ヶ月とのこと。
D800Eの2ヶ月待ちに比べれば良い方かもしれません。
ついでなので、取り敢えず予約しました。
還暦を過ぎ、そろそろじっくりと腰を据えて風景でも撮ってみるか?
と考えていた矢先だったので、まあ、いいか!てな、具合です。
レンズやストロボ等のアクセサリの資産があるので、中々他社のデジカメには移れませんが、同じメーカーであれば、ボディを買い替えるだけでレンズやアクセサリが問題なく使えるので、ある意味コストパフォーマンスが良いと思います。
結局、カメラの入荷連絡があったのは、予約注文から1.5ヵ月後のことでした。
個装箱は派手な金色ですが、思ったより小型でした。
付属品は、本体以外には、バッテリ,バッテリ充電器,USBケーブル,CD-ROM,ストラップ,マニュアル類です。
バッテリは、D800Eと共通で使えますので、D800Eの予備バッテリをD850の予備バッテリとして使います。
ボディデザインは、毎度見慣れた如何にもニコンというデザインです。
グリップ部分の赤のアクセントラインも受け継がれています。
正面から見ると、余り関心のない人が見れば同じに見えると思います。
ポップアップストロボが無い分、ストロボ関連操作スイッチが無くなっています。
背
面は、意匠面では結構異なりますが、大きな違いは、液晶面です。
D3/D800Eでは、液晶は固定でしたが、D850は液晶面が動かせます。
チルト/シフトが可能なので、ローアングルやハイアングル等、ファインダーを覗けない撮影では有効です。今回はタッチパネルも搭載されています。
コンパクトデジタルカメラでは当たり前の機能なのですが、デジタル1眼レフカメラでは未だ少ないのではないかと思います。
インターフェイス関連では、細かな違いはありますが、大きく変化することがないので、マニュアルを読まなくても操作できます。
側面には、外部入出力インターフェイスが並んでいます。
上からヘッドフォン,マイク,USB 3.0 micro B,mini HDMIと並んでいます。
撮像素子は、4,575万画素のニコンFXフォーマットで、ニコン初の裏面照射型CMOSセンサを搭載しています。
D800E同様、ローパスフィルタレスの仕様です。
感度は、ISO 64~25,600迄自動切り替えが可能で、ISO 32相当,ISO 102,400相当の減感/増感が可能です。
リバーサルフィルムを思い出させるISO 64は、懐かしさすら感じます。
ISO100からISO64にしたからと云って、格段画質や撮像画像が変わるかというと分からないレベルだと思いますが、気分的には高画質になった気分です。
画像処理エンジンは、ニコンのフラッグシップ D5と同じ、EXPEED 5です。
静止画に関しては、最大記録サイズが8,256 x 5,504ピクセルと、8Kを超えるサイズです。
動画に関しては、UHD 4Kの30p/25/24pで撮影が可能で、8Kを超えるタイムラプス撮影や、フォーカスシフト撮影にも対応しています。
連写に関しては、ボディ単体で約7コマ/秒で、別売りのマルチパワーバッテリーパックとバッテリパック等の追加で、約9コマ/秒までアップします。
これまで、D800Eでは結構遅かったので、ボディ単体の約7コマ/秒でも充分速く感じます。
また、ライブビューモード(ミラーアップします)に設定すると、サイレント撮影に設定することが可能になります。
サイレントモードでは、ほぼ無音での撮影が可能で、モニタ画面が一瞬ブラックアウトするので撮影されたと分かりますが、ライブビューモードのみなのが惜しいです。
ミラーアップが前提なので、ファインダーは使えませんが、メカニカルシャッターを使わないので、シャッター寿命の延長にもつながります。連写時にも有効です。
これであれば、舞台撮影で静かなシーンでも気兼ねなくシャッターを切ることができます。
サイレントモードでは、フルサイズで約6コマ/秒で撮影が可能で、DXモード(撮影サイズが3,600 x 2,400に制約され中心部分が撮影されるので、約860万画素で装着したレンズの焦点距離が約1.5倍になります)では、約30コマ/秒の撮影ができますので、ベストショットに遭遇する確率が上がります。
用途に応じて、画角を選択できるのは良いと思います。
撮影メディアは、従来通りのSDカードと新たにXQDカードが装着できるダブルスロットになります。
SDカードは、UHS-IIのSDカードにも対応し、高速読み書きが可能になります。
UHS-IIカードでの最速カードは、300MB/s程度のものがあります。
私は、特価での購入で150MB/sの128GB UHS-II SDカードを使っています。
また、XQDカードは、Nikon D4からニコンのフラッグシップモデルで採用になった高速読み書きが可能なフラッシュカードです。
XQDカードは、PCI Express 2.0で接続されるもので、現状販売されているXQDカードはスペック上でリード440MB/s , ライト400MB/sのものが最速です。
SONY製カードをSONY製リーダー/ライターに挿して計測しても、記載通りの速度とは程遠い速度でした。
D850は、ダブルスロットで同時に2種類のカードを挿すことが可能で、1枚のカードが一杯になったら2枚目にデータを記録することが可能な他、撮影の度にJPEG+RAWの2種類のデータを別々のカードに記録することもできます。
その他、TIFFファイル形式での書き込みにも対応しています。
RAWファイルに関しては、12bit/14bitRAWの他、非圧縮,可逆圧縮,非可逆圧縮が選択でき、JPEGも圧縮率に応じて、FINE,NORMAL,BASICから選択が可能です。
オートフォーカスに関しても、フォーカスポイントが153点で、AEセンサもフラッグシップモデルのD5と同じものが使われています。
シャッターユニットは、ニコンデジタル一眼レフカメラでは初となるシャッターカウンターバランサーを搭載していて、先幕とバランサーを逆方向に走行させて振動を打ち消すようです。
ミラーアップとリモコンやタイマー撮影を組み合わせて撮影の頻度が減りそうです。
シャッターボタン周りでは、これまで、MODEボタンがあった場所に、ISOボタンが配置されています。
ISOボタンは、D800Eではボディ左側のダイヤル上面に配置されていましたが、D850では、その場所にMODEが配置されますので、入れ替わった感じです。
未だ使い込んでいないので判りませんが、ポップアップストロボが無くなった分、感度変更変更の利用頻度が上がると思われるので、ISOボタンがシャッターボタンの近くに配置されたのは良いと考えています。
電源レバーをONの位置からさらに右へ回すとイルミネータースイッチがONになります。D800では、現状のステータスが表示される小型液晶のバックライトが点いていましたが、D850では、その他に、各種ボタンのバックライトも点きます。
個人的には、舞台撮影等で便利そうです。
細かな変更はまだあるかもしれませんが、操作性に関する変更はこの位だと思います。
背面(液晶モニター面)のボタンに関しては、ファンクションボタンや "i"ボタンが追加されています。また、オートフォーカスのフォーカス位置を選択するサブセレクターが追加されて、AE-L/AF-Lボタンが無くなりましたが、AE-L/AF-Lボタンは、ファンクションボタンに登録することもできます。
チルト対応の液晶モニターは、可動領域が広く、タッチパネルも搭載し、メニューの操作性も向上しました。
これまの高画素撮像素子を搭載したデジタル一眼レフでは液晶画面は固定されたものが多かったのですが、このモデルを機に変わるかもしれません。
D850では、Wi-Fi/Bluetooth Ver.4.1にも対応していて、スマートフォンアプリケーション SnapBridgeを使うと、撮影画像の自動転送などが行えます。
スマートフォンからSnapBridgeを起動すると、最初に、スマートフォンとD850は、Bluetoothで通信をはじめます。(左画面)
次に、カメラのリモート機能を選択すると、スマートフォンはD850とWi-Fiで通信を始めます。
左画面は、リモート画面で、様々な設定を行って、シャッターをリモコンで動作させることができます。
右画面は、撮影後再生画面をカメラからスマートフォンに転送し、表示することができます。
先日購入した、コンパクトデジタルカメラ Panasonic DMC-LX9のような機能です。
従来は、SDカード型のWi-Fiカードを使ってスマートフォンと連携していましたが、D800Eでは、非対応だったためこのような機能を使うことはできませんでしたが、今回は無事使うことができます。
従来のデジタル一眼レフは、銀塩時代のカメラのメディアをフィルムからフラッシュメモリに置き換えて、画質向上を目指してきましたが、今後はハイグレードモデルであっても、コンパクトデジタルカメラに搭載されているスマーフォン連携アプリをはじめとした使い勝手向上の機能が追加されていくのでしょうか。
ファインダーはD800Eの視野率約100%で倍率約0.7倍から、D850では視野率約100%で倍率約0.75倍へアップしました。
視認性向上が図れ老眼の入った私には有り難い機能向上です。
視野率100%は使い慣れるともう視野率100%以外のカメラを使いたく無くなります。
デジタル一眼レフカメラとしては、極々一般的な機能です。
上記写真は、D850で撮影した写真ですが、画面中央の黄色い四角で囲んだエリアを等倍にしたのが、したの画像です。
4,575万画素の凄さを感じました。
シャッター速度や測光モード,露出補正に撮影モード、一応一通りは揃っていますが、私の場合、絞り優先のピンポイント測光モードで撮影することが殆どです。
アングルを決める前に、測光して、レリーズボタンをホールドしたままアングルを決めシャッターを切ります。
なので、多機能でも個人的には余り嬉しくありませんが、以下に今後使ってみようと思う機能を列記しました。
フォーカスシフト撮影は、カメラが自動的にピント位置を移動させながら連続撮影する機能です。
フォーカスシフト撮影した画像をPhotoshopで合成することで、大きな絞り値まで絞り込まずにパンフォーカス写真を生成することができます。
基本的には、コンパクトデジタルカメラ Panasonic DMC-LX9のフォーカスセレクトと同様の機能ですが、DMC-LX9では、解像度が4Kに限定されていました。
レビュー用のコンテンツ作成には充分な機能ですが、D850では4,575万画素で可能なので、風景撮影などで威力を発揮しそうですが、photoshop等のアプリケーションが別途必要になります。(DMC-LX9はカメラ本体でフォーカスエリアを指定してJPEG画像を生成します)
インターバルタイマー撮影では、8Kタイムラプスムービーの制作が可能な機能です。
これも、インタバル撮影を行うだけで、静止画を撮影するだけなので、別途アプリを用意してムービー化することができます。
動画機能では、4K UHD/30p動画撮影が可能です。4Kが撮影できるカメラは増えていますが、クロップ撮影となってしまいレンズの画角が生かせないものが多いのですが、D850では、FXフォーマットのまま4K撮影できるので、一眼レフカメラ用レンズの特性を生かした広角撮影が可能になります。
高画質を生かせる高ビットレートでの記録が可能です。
デジタルカメラでの動画撮影は29分59秒までですが、30分を超えるとカメラではなくムービーとして税金の課金等が行われるので、どのメーカーのどのデジタルカメラでも30分以上連続撮影できるものはありません。
まだ充分使い込んでいないので、ファーストインプレッションを中心にレビューを書きましたが、大型の高倍率光学ファインダーや、4,575万画素のイメージセンサーを搭載し、高速連写も私にとっては充分速く、撮影アングルの自由度が増すチルト液晶画面とタッチパネル操作。高性能/高機能と使い易さを兼ね備えたデジタルカメラです。
飛び抜けた特徴は無いのですが、高画素数の高画質撮像素子に支えられ、非常にバランスの良い撮りやすいデジタルカメラです。
また、これから5年位は使い込んで行きたいと思います。
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購入金額
359,640円
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購入日
2017年12月02日
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購入場所
マップカメラ
takamizuさん
2018/01/16
Picardさん
2018/01/16
発売がアナウンスされた時から気にはなっていたのですが、D800Eにさして不満もなかったの上に、予約殺到で商品供給がままならないことも知っていましたので、そのうち買おうかな?と漠然と考えていたのですが、店頭に行くとダメですね。
予約注文してしまいました。
結局、予約から商品を手に入れるまで、一か月半も掛かってしまいました。
師走の入手だったので、まだ余り撮れていませんが、手持ち撮影での手ブレが少ないような気がします。
kensanさん
2018/01/17
御購入おめでとうございます!
Picardさん
2018/01/17
相変わらず品切れなのでしょうか?
店頭で、サイレント撮影をしてみると、結構インパクトがあります。
無音でシャッターが切れるので、面白いです。
長く付き合っていけるカメラだと思います。