Battery Management System(BMS)です。
Li-ion(リチウムイオン)バッテリーでは、過充電・過放電は、温度異常(発煙・発火)、バッテリー劣化・損傷の原因となるので、充放電中の電圧管理は頻繁かつ厳密に行う必要があります。
BMSには電圧管理を一括して任せることになるので、慎重に選定した上、入手後・使用開始時、暫くの間は各状況における実電圧値や発熱量のチェックが必要です。
#パワーウォール #powerwall
仕様(販売webページより (環境温度25℃のとき)):
7つのセル(並列バンク)を、個別に監視し、電源側・負荷側とバッテリーの接続のON-OFFを行います。
過充電防止:
充電時、どれかのセルが4.2V(以上)に達するとアレイ全体に対する充電を停止します。
仕様では4.17V~4.25Vの範囲で発動することになっていますが、手元の実機では4.25V近くまで充電が継続されます。
バランス動作による放電または負荷側からの電力消費により、すべてのセルが4.18V(仕様値は不明、観察しているとそれくらい?)以下になるまで充電は再開されません。
バランス動作:
セルがそれぞれ 4.18V に達するまでバランス動作(ダミー抵抗による放電)を行います。
バランス電流は小さく(仕様には50mAとあるが、実際のバランス電流は未検証)アレイの規模やバッテリーセルの状態によっては他にバランサーを接続する必要があります。
過放電防止:
放電時、どれかのセルが2.75V(以下)に達するとアレイ全体の放電を停止します。
仕様では、2.67V~2.83Vの範囲となっています。
外部からの充電により、x.xxV(仕様値は不明)以上に上昇すると放電可能状態となります。
最大電流:
充電時8A、放電時20A です。
Li-ionの18650セルは、1セルあたり1A程度までの充放電が可能なので、セルの最大電流近く流すような急速充放電を目指す場合、10セルくらいの並列バンクで構成されたアレイまで対応できるはずですが、ゆっくり充電、ゆっくり放電という設計方針であれば、並列バンクが40セル~80セル(アレイでは280セル~560セル)くらいの規模には対応できると見込んでいます。
市販のBMSは、放電時40A、充電時100A くらいの規模までは完成パーツとして容易に入手でき、この「マイ・パワーウォール プロジェクト」でめざしている家庭用のバッテリーシステムにはこのタイプで十分です。さらに大規模な充放電システムの場合は、BMSに相当する装置を独自に設計するか、充電コントローラーでBMSが内蔵されている機種を選定する必要があります。
接続(販売webページより)
バッテリーアレイ、充電コントローラ(電源)、負荷の3者を接続するとき、バッテリーアレイから見て、プラス極は共通に接続(単純に分岐して電源と負荷のプラスに接続)、マイナス極はこのBMSを経て電源と負荷のマイナスにそれぞれ接続します。BMSがバッテリーの過充電または過放電を検知することによってマイナス側のそれぞれの接続をON-OFFするしくみです。
8極のコネクタ(ハーネス)は、バッテリーアレイの並列バンクの電圧監視兼バランス動作用です。
結線する順が指定されていて、
- バッテリー側
- 電圧監視ハーネス
- 充電側(電源)、放電側(負荷)
の順で接続し、外す場合は逆の順で行います。間違うと壊れるかもしれないと注意書きがあります。
CC-CV方式とBMSの兼ね合い
Li-ionバッテリーは、CC-CV方式で充電するのが一般的です。
充電時、充電目標電圧(または近傍)に達するまで一定の電流を保って(定電流で)充電し(CC充電=constant current)、充電目標電圧に達した後は、その電圧を一定時間保ち(定電圧で)(CV充電=constant voltage)充電を終了します。
適切な例えかどうか自信がありませんが、タイヤに空気を入れる場合に似ているかもしれません。タイヤにある程度の量の空気をいれるとペチャンコだったタイヤが車や自転車の自重を支えたられるくらいのサイズ(外形)になる過程が CC充電で、そこからさらに空気を入れて所望の圧にして十分な弾力・硬さにしていく過程がCV充電に相当すると言えるかもしれません。
CC-CV方式による電流電圧のコントロールは、充電コントローラ(チャージコントローラ、DC-DCコンバータと呼ぶ場合もある)で行います。
充電コントローラがCCからCVへ切り替わり、さらにCVが終了した頃にBMSが充電をちょうど終了するのが理想ですが、このタイミングが合わない場合、十分はな充電ができないとかセルの劣化の原因となりますが、悪条件が重なると過充電から発火の原因となる可能性もまれとはいえあります。
つまり、個別のセルに着目すると、すでに充電目標電圧に達しているのにCCからCVへの切り替えがされずCC充電を継続してしまったり、充電目標電圧に達していないのにCVへ切り替わったり、いきなり充電が終了する場合が考えられます。
その対処としては、適切な設定が正確にされたBMSか、設定をユーザーが変更できるBMS(製品が存在するか不明)を選定するか、充電コントローラの設定をBMSの設定に合わせて調整することになるかと思います。
ただ、CC-CVの切り替えタイミングや充電目標電圧は、安全範囲ならば幾分上下があっても一応充電はできるようなので現物に合わせて充電コントローラ側で設定を詰めていくというアプローチでよさそうです。
入手
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このBMSは、日本ではまだあまり普及していない電動バイク(電動アシスト自転車ではなく、フルタイムモーター駆動で、原付バイクくらいの大きさ)に相当するe-bikeのバッテリーパックに組み込んで使用するのを本来の目的とするパーツのようです。このシリーズで大きいものでは、60V 16S 40A 程度の製品も入手できます。
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購入金額
0円
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購入日
2017年06月頃
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購入場所
Aliexperss
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