オーディオなんちゃってマニア道。
オーディオ道は入ると底なし沼であることがわかっているので、「なんちゃって」ですがそれでも一般の人から見ればずいぶん金をかけているかもしれません。
それもどちらかと言えば、作り手のこだわりのある(物好きな)、他メーカーが手がけないオンリーワンの(珍しい)ものに惹かれる傾向があり、一般的な「高級オーディオ」ではなくニッチな分野に飛び込みがち。
そんな自分が飛び込んだ新たな沼?
この世の中、何かを成し遂げようとするとカネがかかる。
自分の想いを形にする~それはイベントの企画だったり、本の出版だったり、新メニューの開発だったり、被災地への支援だったり、映画の製作だったり、人によってその「形」は様々だけれども、会場賃貸費や印刷費、食材の調達費や建築費、機材レンタル費などそれぞれにさまざまなカネが必要。
今まではメーカーやイベンターが先行投資としてカネを用意したり、自腹調達やパトロンの確保、街頭募金を行ったりすることで資金を確保してきた。
そこに最近出てきたのが「クラウドファンディング」という手法。今までの地域や知己に縛られた資金調達ではなく、インターネットを通じて広く全国(あるいは全世界)から資金を調達し、その資金を持って想いを形にする手法。出資者はその額によってあらかじめ決められたリターンを受け取る。
この手法の利点は比較的低コストの宣伝費で広く資金を集めることができること。無名のクリエイターや企画者でも予定成果を広くアピールできれば高額の活動費を得ることが可能。しかし、基本そのリターンの開示がネットを介したものになるため、「今はないもの」にカネを出す博打的要素があることがマイナスポイント。その企画者の信頼性や成果物の実現性、というそもそもの問題もあるが、成果物が「金の払い込み時点では存在しない」というのが「製品」に対してお金を払うわけではないので難しい。成果物が楽曲や映画の制作、本の出版などであればデモ音源/プロモーションフィルムの開示や小説・マンガ等の一部のネット掲載で「出来上がり」が想像しやすいが、食品や洋服など視覚・聴覚以外で「感じる」アイテムはその「賭け」の要素が高くなりがち。
そしてこの分野もまた。
オーディオ機器。スペックや外観はネットを介して伝えられても、「音」そのものは難しい。
その機器を通じて再生した音をネット上に置くことくらいはできるけれど、再生音を録音するときの変質もあるし、ネットのこちら側で受け取る側の再生環境もそれぞれ異なるので絶対に原音が再生されるわけがない。せいぜい世に広く出回っている製品と比較再生して、「あの製品より音が○○ですよ」という比較観点でのイメージが伝わればよい方。
今までもオーディオ系のアイテムでクラウドファンディングで資金調達をしたものもあるが、SEIUNシリーズやGeek Wave、HIFIMAN MegaMini、Shanling M1などほとんどがDAP系に偏っているのは「スペック(対応フォーマットやDACのグレードや数、本体サイズやバッテリー稼働時間など)」である程度性能が類推できるデバイスだからだと思う。
これが音の出口(=スピーカーやイヤホン)で、しかもメーカー(クリエイター)としては無名の人が手掛けるとなると著しく博打的要素は高くなる。大型家電店やイヤホン/ヘッドホン売り場で数機種試聴すればすぐわかるが、スピーカーやヘッドホン/イヤホンと言った出口デバイスは音の差が大きい。そしてより高いものが必ずしも自分の好みに合うとは限らないし、有名メーカーが自分の好きな傾向の音のデバイスを作るとも限らない。また大雑把な「メーカーごとの味/方向性/キャラクター」はあれど、複数シリーズを揃えるようなメーカーであれば「このシリーズは好きだけれど、こっちのシリーズは嫌い」ということも十分ありうる。それが他の製品を出していないメーカー(クリエイター)のもので、既存の同種の製品とは少し方向性が違うもの...ともなれば基本完全ギャンブル。リターンに対して投資する(=製品を出資者割引で早期入手する)というよりも、「想いを応援する」という意味合いが強くなってくる。
cybercatがそんな気持ちで出資したプロジェクト「木のヘッドホンをつくりたい」。
-部分的にではなく全体をまるごと木で形作り、天然ならではの温もりを感じられる、そんなヘッドホンです。 多くの楽器やスピーカーが木で作られているように、木は音楽に愛された素材です。 そんな木ならではの美しい音色を追求し、肌触りや匂い、木目がひとつひとつ違うところまで、木の魅力を最大限に引き出すように徹底的にこだわり抜きました。-(クラウドファンディングKonohazuk該当プロジェクトから抜粋引用)
スピーカーには木質系素材が使われていることが普通だが、ヘッドホンでもさほどに多くないが皆無ではない。ハウジングは無垢材の削りだし...とは言っても今までそういうヘッドホンがなかったわけではなく、古くはJVCやオーテク、最近ではMezeやGradoの海外勢までこの手法を採る。一定の効果があるので複数のメーカーが手掛けるのだろうが、このジャンルのすべてを席巻するほどのメジャーな存在にならないのは、製品均一性や重量、防湿など様々な問題があるからだろう。
一方ヘッドバンドまで木、というのは確かにほとんどなく、その分難易度の高さもうかがわせる。
そんな中、この無名メーカーの木製ヘッドホンに投資する気になったのはこのヘッドホンにかけた想いと設計思想に共感したから。
・楽器やスピーカー、コンサートホールの反響板に使用される木の音との親和性に着目
・国内材料(岩手県産ブナ)使用、国内加工
・森を護る活動(利用促進⇒森の整備/一般社団法人more treesへの寄付)
..と「木」を愛するメーカーであることが感じ取れたから。
そして決め手はこのメーカーKonohazukの別部門が「楽器メーカーである」ということ。
その楽器メーカーは「beating」。元々オーディオ用スピーカーの試作開発にかかわっていた工房が立ち上げた、カホンを中心とする木製楽器のメーカー。カホンやウッドボンゴ、ウッドシェイカーなど、楽器に張られた弦や皮が鳴るのではなく「それ自身が鳴る」楽器を作る工房ゆえに、木の鳴りをうまく引き出すのではないかと。
そんな「想い」に賭けてみたわけ。
この時募集していたファンディングタイプはリターン別に5種。
・ミニマル・パッケージ(本体以外何もつかない/1年保証)
・スタンダード・パッケージ(木箱入りで2年保証×2回の無償修理)
・プレミアム・パッケージ(スタンダード・パッケージに本革製コードホルダー付き)
・オーダーメイド・パッケージ(プレミアム・パッケージにオーダーメード刻印)
・ダブル・パッケージ(スタンダード・パッケージ×2の一括割引)
当初予定価格34800円に設定されていたヘッドホンが、支援者には1台当たり20000円から33000円で提供されるというプラン。自分的にはオーダーメイド・パッケージが平常価格からの値引き率が大きかったのでそれを考えたが、限定数5は支援者募集当日の支援だったにもかかわらず売り切れ、そこで24000円のプレミアム・パッケージで支援。
その後このプロジェクトは20日ほどで目標額の200万円を達成し、最終的に2016年4月末までの約1か月半で約260万を集めて終わった。
その後はひたすら「待ち」の日々。
元々は2016年の7〜8月出荷がアナウンスされていたが、
・仕様変更(ケーブル固定からリケーブル対応可能に)
・付属品追加(キャリングケース付属に)
・外注のイヤーパッドの生産遅延(ここだけタイ産で、国王崩御の影響を受けたらしい)
・組み込み作業遅延
で結局予定から約半年遅れ、出資からはほぼ1年後の2017年3月に実物入手。
進捗報告が定期的にされることと、その遅延の理由が明かされることであまり心配はなかったが、こういうものは「いつまでに欲しい」と決まっているものはムリだなと。
なぜか革製コードホルダーだけが先着したが(製造元直送?)本体の方も数日後には到着した。
木の香りがする箱を開けると、まず新たに付属となったキャリングケースが見えるが、その下には本体が鎮座。木の薫りとともに、オーディオ「機器」というには柔らかい色と曲線が目に飛び込んできた。
内容物は本体、着脱可能ケーブル(1.5m、3.5mmミニプラグ)、ソフトケース、取扱説明書(下図でRUSTYDARE本革製コードホルダーは別送)。
とにかくナチュラル仕上げの本体が美しい。とぅるっとぅるの仕上げのユニット、焼き印で入れられたメーカー名、継ぎ目のない木のヘッドバンド、丁寧な仕上げのヘッドバンド内側のクッション...手作り感がスゴイ。
イヤーパッドを外してみると、パッドを支える部分と言うような外から見えないところもプラ部品や金属系素材でなく、木。
ユニットは破損防止のため比較的容易に取れる。
ケーブルも柔らかく取り扱いしやすい。両端とも金メッキ仕様で、DAP側の3.5mmステレオミニプラグはL字。
プレミアム・パッケージにしか付かないRUSTYDARE本革製コードホルダーは想像したのより若干大きく、これを付けて屋外で使用する、というのは若干ヘヴィだが片付けるには木の本体とのマッチングも良い色合い
...と外観の仕上げは上々。
で、まずすぐ聴いてみたが.かなりレンジがナローに聴こえたので、例によってミクWalkman
に繋いで段ボール箱に放り込んで、バッテリー切れるまで再生⇒充電⇒また再生...と断続的にまる1週間音楽を鳴らし続けてエージング...果たして化けたのか?
...というか、このヘッドホン、装着の仕方で結構音が変わる。
タイプとしては「オンイヤー」「密閉型」。この組み合わせ、結構「装着」に対して神経質かも。耳を覆うオーバーイヤーではなく、オンイヤー型は耳への当て方の自由度が高い(逆に言うと遊びが大きく定位置に決めづらい)。そしてオンイヤーなら良くあるのがオープン型だが、これは密閉型。つまり基本耳に密着させて使う。耳の上に載せる(実際には左右から「挟む」だが)形式なのに密着が必要というのが難しい。
自分で持つ者の中では多関節インイヤーイヤホンBang & Olufsen A8
のように、うまくスイートスポットが見つけられないとオイシイところがわからないカンジ。木のヘッドバンドの反発力による緩やかな押さえと、上下の移動距離に比べて上下左右の振り幅があまりない構造で、上手く鼓膜にダイレクトに音を届ける位置を見つけるのが難しい。
cybercatはイヤホンのレビューでも何度か書いているが、下向き耳道。逆側(外側)から見ると、いわゆる耳の穴からやや前方上に向かって耳道が鼓膜まで伸びているカンジ。そのため?「耳」の中央に耳の穴がない(かなり下目)。
最初「耳」の中央に位置するようにハウジングを置いてみたが、これだと下が抜けてイマイチ。
ヘッドバンドの「曲げ」の反発力で創り出す側圧が密着させる力のすべてであることと、自分の耳道が下向き開口であることが影響しているのか、少しユニットを下目に伸ばして、(極端に言うと)耳の終わったあご骨あたりまで届く感じにまで深く掛けるのが自分にとってのスウィートスポットだった。
調整幅がやや少ないのでドンピシャの位置を探し出すのが時間がかかった。...がこれが見つけられるかどうかで、結構評価が変わる機種だと思う。
ベストポジションが見つけられたので音の評価だが、当初現在のメインDAPであるONKYO DP-X1A
のみで評価しようと思っていた。...というのもこのイヤホン、少し能率が低いみたいで(インピーダンスは32Ω)、他のイヤホン類では目盛「130」程度で十分な出力を得ることができるDP-X1Aのヴォリュームを、160中150まで上げる必要がある曲もあったので、今まで評価してきたAstell&Kern AK120BM+
では十分に鳴らしきれないだろうと考えたから。
しかし、一通りDP-X1Aで評価した後AK120BM+で鳴らしてみると、このヘッドホンの出力特性とAK120BM+のオイシイ所のかみ合わせが良く、意外に聴感上の音量が取れた。そこで、今までイヤホン・ヘッドホン類はその多くをAK120BM+で(もしくは改造前のAK120で)評価してきたこともあるので、それとの比較の意味もこめて、今回は同じ曲を二つのDAPで評価することにした。
まずはcybercatの「音」評価盤、吉田賢一トリオのハイレゾファイル、“STARDUST”から「Never Let Me Go(わたしを離さないで)」。
この曲は右にピアノ、左にドラムス、中央にベースという定位だが、このヘッドホンではシンバルがとてもリアルに響く。まずDP-X1Aではライドシンバルの揺れと、フットクローズハイハットがひときわ目立つ。ベースは通常部分ではあまり目立たないが、ベースソロの部分ではボディある音。一方DAP単体の味付けとしてはより高域寄りのはずのAK120BM+では、ライドシンバルのシズル感とハイピッチチューンのタムの音が良い。ベースソロの沈み込みはあまりないが、スネアのブラシがグルーヴィー。
もう一つの定番曲、PCM24bit/96kHzから起こしたFLACファイル、“Utada Hikaru SINGLE COLLECTION VOL.1+2 HD”から宇多田ヒカルの「First Love」
は、本来低いところまできれいに伸びているはずのDP-X1Aでもベースの沈み込みはない。ただ低次倍音のあたりは充実しており、やや腰高ながら大きな破綻はない。中央で鳴るスネアのリヴァーブは控えめでヒカルの声も淡泊。盛り上がったところできこえるタム回しの響きはイイカンジ。AK120BM+はギターがまず美しい。弦の金物感がアリアリ。ヒカルの声のリヴァーブは大きめだが、ベースは控えめで柔らかい。なんにせよ金物系が美しく、右chのハイハットの刻みが目立つし、グロッケンのような音も澄んでいる。
オーケストラ系楽曲、「艦これ」オーケストラアレンジ“艦隊フィルハーモニー交響楽団”(by 交響アクティブNEETs)
のラストを飾る「鉄底海峡の死闘」。勇壮でダイナミックなこの曲のスケール感はこのヘッドホンでは表せない。どちらのDAPを用いても低域の絶対量はないが、DP-X1Aでは「響き」のようなものがあり、あまりこぢんまりした感じには聴こえないのが救い。AK120BM+はやはり中高域の美しさが際立っており、スネアの刻みやシンバルが綺麗にきこえるのと、和笛のようなフルートの震えがリアル。
ガッツリと硬いジャパニーズフュージョン、T-SQUAREの「RADIO STAR」
は、ゲストプレイヤーであるベーシスト&ラッパーのJINOこと、日野賢二のプレイが聴き所だが、組み合わせ的にはイマイチ。DP-X1Aはベースはグイグイ前には出てこないが最低限はあり、タムの響きやハイハットのタッチやピアノソロが心地よいが、ノリの良さは薄い。一方AK120BM+はベースが抜けないのがさらにノれない。ただ高音域のヌケは良く、コンプかかったギターはパーカッシヴだし、EWIの響きもよい。
古典ロックEaglesの「Hotel California」
はあまり上下に広くない音とヘッドホンの帯域が合っているのか、意外に相性が良い。DP-X1Aではシンバルレガートの広がりが良い。左のハイハットと右のギロの幅も広く、左右の分離が良い。ラストのハモりのギターソロではバックのものも含めてすべてのギターが分離よく聴こえる。AK120BM+では左右のパーカッションが広い!シンバルレガートはきれいに広がり、エレキギターのカッティングや、12弦ギターの響きが美しい。これはAK120BM+の空間表現の圧勝。
音飽和系デレマス曲、洲崎綾の「ヴィーナスシンドローム」
は、DP-X1Aではこの上下限があまり伸びきっていないが左右に音像が広いこのヘッドホンには意外なほど合う。あやちゃんの声は大きくきちんと中央に定位し、左右に散らされたリバースサンプリングシンバルの音も広く駆け回る。ブリッジ冒頭のツリーチャイムのキラキラした音もよく聴こえるし。AK120BM+は左右に駆け回るシーケンスパターンや左右の端で鳴るクラッシュシンバルが横の広さを感じる。あやちゃんの声がきれいめで上品。本来音飽和気味のバスドラも音量は下がるものの、ちょっとクリップ気味の音色が目立つ感じでノリはよい。
そのあやちゃんの沁みるオリジナル曲「空」。
いままで評価曲でなかったが、ピアノの伴奏の上に声が大きめで録られていて、生ギターとエレキギターが寄り添うこの曲を何の気なしに聴いて見たらメチャクチャ合ってる。この曲をDP-X1Aで聴く場合はイヤホン/ヘッドホン次第では歌とバックのバランスがイマイチの場合もあるが、このヘッドホンではあやちゃんの声が真っ芯によく聞こえ、生ギのアルペジオが美しい。さらにそれを上回るのがAK120BM+との組み合わせ。AK120BM+とKonohazuk H3はこの曲を聴くのには最高の組み合わせの一つかも。あやちゃんの声とバックのバランスが絶妙でどちらもきちんと主張していながら互いの邪魔になっていない。左chの至近距離から聴こえる生ギターのアルペジオの時とストロークの時で異なるタッチノイズが恐ろしくリアル。ツリーチャイムやタンバリンが空間を渡るのが美しい。
今回の発見としては、ヘッドホンのキャラクターと合いそうな「空」のようにアコースティックであまり上下に帯域が伸びていない曲は当然?として、音飽和系のビート優勢デレマス曲の過剰な部分を適度に「いなして」聴きやすくしたり、下の充実度がさほどではないこのヘッドホンでどうかと考えたピラミッド型音場の古典ロックでバツグンの左右の広さを感じたりと意外な組み合わせであっても良い感じに仕上がるものもあった。その一方、テクニカルでキレのあるフュージョンやオーケストラのように上から下まで要求する楽曲だとちょっと苦しい感じで、合う曲と合わない曲の差が激しい印象のヘッドホンだった。
今回クラウドファンディングにより、オーディオ機器開発の支援(と購入)をしてみた。
今までいくつかの分野で支援を行っているが、思い通りのリターンがあったものから、イマイチだったものもあった。「音」というとらえどころがなく、個人の嗜好が強く反映する分野に関する支援も実は初めてではないが、今回に関しては出来上がり(外観や各所の動き)は当初想定よりむしろ良かった。ただ「音」に関してはある特定の分野、曲ではハッとするくらい良いものもあれば、価格を考えればもう少し...という部分もあったのが正直なところ。
このヘッドホンの特徴を列挙すると
○横に広い音場でかすかな「響き」を感じる
○中~高音域のリアルさ、女性ヴォーカルの一部の曲はとても良い
○生ギターのピッキングやシンバルのアタックの鋭い立ち上がりと「鳴り」が生々しい
○中低音にやわらかなピークがあり、ベースラインは追える
●重低音域はなく、高音域も伸びきってはいないカマボコ型の周波数特性
●フィッティングのベストポイントを見つけるのが難しい。
●ヴォーカルの帯域によってはバックに埋もれる(曲により合う、合わないが激しい)
という感じのもの。
特に曲やDAPとの「相性」があるヘッドホンであり、廉価帯クラスのヘッドホンでもないので「価格見合いか」というと、マッチングが悪いDAPを使ったり、曲を聴いたりしている人からは、厳しい評点になると思われる。
また現在Amazonではスタンダード・パッケージ相当のものが27800円で販売されている(直販は29800円)。ファンディング当時では22000円での提供だったので現在よりも約6000円安く手に入れられた勘定だが、もともとは予価34800円だったので、出資者リターンの「お得度」という意味では少し落ちてしまったのを、面白くなく思う向きもあるかも(⇒われらの投資が完成製品を値ごろな価格で提供できることになったと礎となったという面はあるものの)。
そのあたりの製品に対する/あるいは/投資に対する「コストパフォーマンス」という点では若干厳しくならざるを得ないが、その響きある音は一部の楽器ではハッとするほどリアルで、聴く人をぐいっと音楽に惹きこむ力がある。
志に惚れて手に入れたけれど、音も十分惚れうる内容のヘッドホンでした。この支援は...成功?かな。
【仕様】
装着方式:オーバーヘッド
ハウジング構造:密閉型
イヤーパッド:オンイヤー
コード:1.5m・L型ミニプラグ
重量:120g
駆動方式:ダイナミック
ドライバー口径:φ40mm
再生周波数帯域:20Hz-20KHz
インピーダンス:32Ω
最大入力:1,000mW(IEC)
【クラウドファンディング プレミアム・パッケージ内容】
本体、着脱可能ケーブル(1.5m、3.5mmミニプラグ)、ソフトケース、取扱説明書、木箱、RUSTYDARE本革製コードホルダー、2x2 保証(保証期間2年×2回の無償修理)
「Konohazuk H3 イメージビデオ」
超高域はないが、高域の金物系の柔らかさが美しい
金物系が耳触り良く澄んでいる。目立っているのにどぎつくない、独特の感じ。
独特の響きをもつ中域は、人声や打楽器系にすごく合うことがある
打楽器系のアタックや響きが柔らかく、ヴォーカルは潤いがあり耳に心地よい。
ズンズンくる重低音はない
低音が押してくる感じは皆無。ただ、ベストポジションを見つけられれば、ベースの低次倍音域はきちんと聴こえるので、ベースラインは確実に追えるが。
素晴らしく広い左右の空間と空気感
窒息感皆無の左右の広がり。耳のそばで鳴る楽器と左右の空間に消える残響が美しい。
-
購入金額
24,000円
-
購入日
2016年03月10日
-
購入場所
Kibidango(クラウドファンディング)
北のラブリエさん
2017/04/25
cybercatさん
2017/04/25
ただ、ハウジング部は特に塗装も厚塗りじゃないので、経年変化も含めて楽しむものなのかなと。
hidechanさん
2017/04/25
こりゃ本気モードのレビューだな(*´▽`*)
と楽しく拝見させていただきました^^
木製ヘッドホンは独特な温もり感(プラシーボ効果もあるかも)があって面白いのですが、
それをクラウドファンディングでとなると、途端に博打感が増えますね@@
人柱になる先駆者がいない分、どうなるのかのワクワク感と、出した金額に見合うものが来るのかのドキドキ感!
調整機構のハウジング部分まで木製って所は、かなりの気合を感じました@@
木の部分は蝋引きで好みの色を付ける事も出来そうで、色々と面白そうなヘッドホンですけど、
本当に応援する気持ちがないと、中々手が出せませんね><
全部木だから、経年変化が音色にももう少し影響が出て来そうで、色々と面白そうなヘッドホンですね^^
harmankardonさん
2017/04/25
cybercatさん
2017/04/26
>レビューを開いた瞬間に『タイトル画像がある!』
>こりゃ本気モードのレビューだな(*´▽`*)
すっかりばれてーら(^^ゞ
>クラウドファンディングでとなると、途端に博打感が増えますね@@
そうですね。この前に実はもう一つ音モノ系をやっていて、そっちはさほどではなかったので結構ドキドキしましたが、汎用性は低いながら輝く部分があって良かったっす。
色合いの変化は期待ですね。
cybercatさん
2017/04/26