レビューメディア「ジグソー」

SMBで2chから4chで倍速を狙う

DELL製の、サーバー向けQuadPort-LANアダプタです。

先日、Liva Zで効果絶大だったSMB multi channelにより、ファイルサーバとメインPC間のデータ転送速度を、出来るだけ安価に高速化する目的で購入してみました。

 

入手先はヤフオクで、送料含めて3000円弱。

商品自体は中古という触れ込みだったんですが、使用感ゼロで状態は良好でした。

本来はDualNICのチップである、broadcom BCM5709を二基搭載してQuadのカードに仕立てた代物で、カード長はNICとしては結構長いです。

 

コンセプトとしては、以前ちょもさんから譲ってもらったHPのNC380Tに近いですが、あちらよりは小さいというか、NICとして常識的な大きさで収まっています。

 

というか、NC380TはPCI-XをPCIe変換してDualとかいう、猛烈に無茶な代物なので、こっちよりも遥かにぶっ飛んではいるのですが・・・・

 

とりあえず、このカードをサーバー側へ搭載、メインPCには同じBCM5709を1チップのみ搭載したDualNICを追加し、オンボードのAquantia AQtion、Intel I211の各1Portで4chを確保しました。

 

まあ、実はAquantia AQtionが5G対応のNICなので、こいつを動かせる環境があればSMB4chよりも速いはずなんですが、今のところ「対抗側に10GのLANカード」が必要なので除外。

10GのLANカード、安くても二万超えてますからね・・・・

 

なお、今回RSS multi キュー数がIntel I211のみRSS2chのため、RSSが有効だと4chで動作しなくなるという不具合にぶち当たったことから、RSSを無効化しています。

なお、以前Liva Zにて「RSS有効」でないとSMB multi channelが動作しない旨を書いていますが、実際には「Windows8以降同士で、全てRSS有効、もしくは無効の状態」であれば、SMBは動作することを確認しています。(下小川どん、情報感謝)

 

なお、そのためのコマンドですが、

 

netsh int tcp set global rss=disabled

 

を、コマンドプロンプトから管理者実行してください。

ただし、この設定を行うとCPU処理のコア分散がオフになるので、一つのCPUコアに負荷が集中する傾向を招きます。(RSSが負荷分散機能)

処理能力に問題のあるCPUでやると問題起こすことがありますので、ご注意。

 

このへんの設定が済んだら、後はぶすぶすとLANケーブルをすべてのポートに挿して、同じハブに繋いでやればOK。

設定はすべてDHCP接続で、ホームグループによるファイル共有を使用しています。

更新: 2017/04/05
ネットワーク性能

怒涛の400MB/s超え

とりあえず、上記の設定にてファイル転送をテストしてみました。

送信側のファイルサーバーは、HP-P420に2TBのSATA-HDDをx8-RAID5したストレージを、受信側のメインPCは、Intel 750SSDを使っています。

 

各ストレージの速度については、下記レビューを参照して下さい。

 

 

 

んで、結果はこちら。

受信側動作状況

 

送信側動作状況

 

・・・・400超えたよ(汗)

今までサーバーのストレージについては、容量はともかく速度については「自己満足っつーか、ただのネタ」でしか無かったんだけども、これならネタでなく実用です。

 

試しにネットワークドライブとしてマウントし、CDMを取得してみましたが、こちらでも400MB/sを超える速度を叩き出しています。

冗談抜きで、ローカルに繋いだHDDよりもファイル操作や展開における体感速度が早いです。

更新: 2017/04/05
総評

ケーブルがのたうつ覚悟があるなら、やって損はない。

SSDの登場以降、ストレージ速度が加速度的に上がっているのとは対照的に、ネットワークの速度は長く1000Base-Tから切り替わることがなく、頭打ちの状態が続いています。

10GbpsのNICが登場してから数年経つというのに、機材の価格は下がる様子もなく、既に「理論値だけならばWifiのほうが早い」という状況です。

 

しかし、業務用や大規模なネットワークでは導入困難(不安定化の原因になる)ではあるものの、家庭内LANやSOHOといった用途ならば、SMB multi channelはネットワークの速度を大きく稼げるという点で、割とお手軽な手段と言えます。

 

無論、まともな値段でこのカードを買ったならコスト的に疑問な訳ですが、オークションなどで安価に入手出来るため、比較的敷居は低いと言えるでしょう。

 

 

ただ、このカード「LANカードだけど割と立派なヒートシンクが付いている」事からも分かるように、LANカードとしてはかなり発熱は大きめです。

 

今回、カード冷却用にPCIスロットファン(サイズのPC aircon)を増設して対処しましたが、そうした冷却への配慮無しだと、安定した動作は望めないかもしれません。

 

また、速度の代償として「4chだと2台だけで8本のLANケーブルの配線」「ハブを8Port分占領」という、配線どうやって収めりゃいいんだろう的な問題も生じますので、そこらへんの覚悟のある方は是非とも一度お試し頂きたいと思います。

 

いや、ほんと快適ですから。ケーブルがPCの背面でかなり”のたうつ”けど。

  • 購入金額

    2,960円

  • 購入日

    2017年04月05日

  • 購入場所

    ヤフオク

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