2014年作品。120分。原題 “Birdman Or (The Unexpected Virtue of Ignorance)”
あらすじ
かつては「バードマン」というスーパーヒーロー物の映画で大スターだった俳優リーガン。名声がすっかり過去のものとなった彼は、自分で翻案・脚本・主演を務める舞台で、演技者としての再起をかける。しかし初日が目前に迫っているのに、共演者にも満足できず製作費も底をつき始めるのだった…
いや~~~。
「昔ヒーロー物で名声を得ていたのに、その後はあまりぱっとしない俳優」を、「かつて『バットマン』シリーズで主演を務めた」マイケル・キートンが演じるという点と、どうやらこのバードマンは実は本当にスーパーヒーローで、実際に空を飛べたりするらしい、という点だけで、鑑賞に至った作品でした。
いや…なんか、カッコでくくられた部分も入れるとやたら長いタイトルとか、ジャケット写真とか、なんか不安はあったんですが、これが舞台演劇をメインに据えながら、麻薬中毒歴のある娘とか、舞台の上で無茶をする共演者とか、もうとにかく見ているとこっちが暗く落ち込みそうになってくるような映画でした。
あ、わたくし、コメディ映画と娯楽作、それに80年代辺りまでのB級ホラーとかが好きなもので。
「わざわざお金を払って考えさせられる」ようなアート系作品は苦手&好きじゃないんですよね。
ですから、こういうのが好きな人にはいいんだと思います。
考えたい人向け。
でまぁ、始めに触れた「バードマンは本当にスーパーヒーローらしい」という点ですが、これもいまいちリーガンの妄想なのか現実なのかはっきりとは描かれず、とりあえず気力を振り絞って観た感があります。
作品開始から1時間程度たったところで「……どうしよう……もうここで止めちゃおうかなぁ…」と悩んだのですが、その少し前から映画の「作り」自体は面白いのに気づいたので頑張って観ました。(^_^;)
そもそも「長回しのシーンが多いな~、俳優さんたちもセリフ覚えるの大変だな。あ、でも舞台みたいに時間軸に沿って演技が続くから、セリフさえ覚えちゃえば割とやり易いのかなぁ」とか思ってたんですよね。
そしたら、気が付いたら「長回し」どころじゃなくて、ヒッチコックの「ロープ」のように、あたかもワンカットで延々作品が続いているような作りになっていたんですよ。
少なくとも中盤からラスト近くにかけてはずっとそうでした。
「ロープ」という作品は、昔は「全編をワンカットで撮影した作品」みたいに言われていたんですが、大人になって初めて観てみたら、俳優の背中などで暗くなった画面を利用したりしてカット同士が繋げられており、「本当にワンカットではないんだけど、そう見えるように上手く作ってある作品」でした。
本作も同様に、俳優の背中だったり階段の暗がりだったりを利用する形で、同じようにワンカットに見えるようになっています。
あ、だから観ていて余計疲れたんだな、きっと。
息抜きやらコミック・リリーフもないし。
ということで、アート系作品、ものを考えさせられる作品、それからワンカットみたいに作ってある作品を観たい人にはお勧め。
でも絶対一般向けじゃないな、これは。
さて出演は、「バットマン」シリーズの他にも「ロボコップ(リブート版)」「ハービー 機械じかけのキューピッド」などのマイケル・キートン、「ハングオーバー!」シリーズや「ザ・マペッツ」などのザック・ガリフィナーキス(コメディ作品に出てる時と、見た目は近いんだけどイメージが全然違う)、「ファイト・クラブ」「グランド・ブダペスト・ホテル」などのエドワード・ノートン(考えてみたら、この人の出ている作品を観ると大体『失敗感』を感じるなぁ…)、そして「アメイジング・スパイダーマン」「ラブ・アゲイン」、そして近作では話題の「ラ・ラ・ランド」などのエマ・ストーン(この人はこの人で、基本的に大好きだし軽めの作品が多いんだけど、自分が演技できることを主張するためか、時々本作や「ヘルプ ~心がつなぐストーリー~」みたいな作品に出ますなぁ)などです。
とまぁ、この文章を書いた後で、今年のアカデミー主演女優賞をエマ・ストーンが獲得しました。作品賞の発表を間違えるというハプニングがあった今年のアカデミーですが、そのハプニングに対するストーンの対応も見事だったようです。
でもこの作品は絶対再観はしないな。
ぷるけんでしたぁ~~。(^-^)
(2017年2月鑑賞)
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購入金額
1,480円
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購入日
2017年02月頃
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購入場所
Amazon.co.jp
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