定番の単電源オペアンプです。デジットで10個300円で売っていました(1個だと40円)。LM358は各社から発売されていますが、安売りしていたのはSTマイクロ製でした。
なお、STマイクロのDIP品は廃止品です。
オーディオに向かない
LM358の特徴として、両電源ではクロスオーバー歪が発生します。クラシックなどクリーントーン系の曲では、聞くに堪えないノイズが発生するため全く使えません。一方、ポップ曲などディストーション系の曲だとあまり気になりません。メタル曲では全く気になりませんでした。
但し、BUF634でバッファした場合は歪が出なくなります。LM358自体の負荷が軽くなるため歪が出にくくなるのかもしれません。とは言っても、スルーレートが低くなまくらな音になるのでわざわざバッファしてまで使うこともないのですが……

過渡応答(A=11 Vin=200mVp-p f=10kHz Rfb=10kΩ 位相補償なし 10:1プローブのみ接続 ガラエポユニバーサル基板)

過渡応答(A=1 Vin=200mVp-p f=100kHz Rfb=0 位相補償なし Rl=15Ω ガラエポユニバーサル基板)

過渡応答(A=1 Vin=200mVp-p f=10kHz Rfb=0 位相補償なし Rl=15Ω ガラエポユニバーサル基板)
上側マージンには注意
単電源オペアンプなので、単電源使用時でも下はGNDまで使えますが、上はVCC-1.5Vまでしか使えないので注意が必要です。上もVCCまで使う必要があるなら、LM358よりずっと高くなりますが、rail-to-rail特性のオペアンプが必要です。
電源電圧は3V~30Vまでで使用できます。5V駆動であれば3.5Vまで、3.3V駆動であれば1.8Vまで使えます。マイコンのADCに使う際は上のマージンに注意が必要です。また、重い負荷を駆動するとクロスオーバー歪が出やすいので注意が必要です。
電流出力は十分あるようですがクロスオーバー歪のためオーディオには向きません。
なお、この石は発振しにくいようです。
安価で使いやすい
マイコンのADCの前処理に使うなどの用途では、手軽に手に入って便利です。
VCC側マージンが気になりますが、それを気にしないなら安価で使いやすい石です。安定性があるのも評価点です。
また、消費電力が少ないため発熱が少なくなり、その点でも優れています。
低電力の石
消費電力が少ないので発熱も少なくなります。24V駆動のcMoy回路では、外気温24.6℃に対しパッケージ表面は25.6℃まで上昇しました。
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購入金額
30円
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購入日
2015年頃
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購入場所
デジット
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