レビューメディア「ジグソー」

Comply併用で大化けする

先日から開催されていたAmazonのCyber Mondayセールで極めて安く売られていた、JBL REFLECT MINIを買ってみました。カラーバリエーションごとに値段が少しずつ異なっていたのですが、その中でも最安値だったグリーンを買っています。

 

以前同じJBL製スポーツイヤフォンのyurbudsの製品を2つほど取り上げましたが、yurbudsと比べるとREFLECT系の方がスポーツ対応度が抑えめとなる代わりに音楽のリスニングに向くというイメージです。

 

 

 

 

 

 

 

イヤーピースは通常タイプのシリコン製(S/M)の他に、スポーツ利用時にズレにくくするスポーツイヤーピースが添付されています。普段使いが考慮されているという辺りがyurbudsとの大きな違いといえるでしょう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ただ、スポーツタイプのイヤーピースがMサイズのみという辺りは若干不満です。折角のずれにくい形状も、サイズが合っていなければ台無しですからね。まあ、スポーツイヤーピースは無視して、通常のイヤーピースで試聴することにしましょう。普段使いならこちらでしょうから。

更新: 2016/12/12
総評

実はかなりのポテンシャルを秘めている

それでは、とりあえずFOSTEX HP-A8に接続しての試聴です。さすがに普段このクラスのヘッドフォンアンプと組み合わせることはあまりないと思いますが…。

 

 

 

 

 

 

試聴ソースは、定番の

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

辺りのほか、まだ未登録ですが打ち込み系として「Infinite Synthesis 3 / fripSide」など、他のジャンルも含め多数を使っています。

 

 

標準添付のイヤーピースで使った際の印象としては、端的に言って「音が軽くやかましい」です。中高域から上が極端に強く出て、非常に疲れやすい音という印象でした。もっとも、これは理由は明らかであり、標準添付のイヤーピースの耳への密着度が悪いためです。そこでいつも通り手持ちのイヤーピースを色々試してみました。

 

まずは高域がやかましい製品にマッチすることが多い、SONY製ノイズアイソレーションイヤーピース、EP-EXN50Sです。

 

 

 

 

 

これは確かに効果はあるのですが、何となく本来のJBL的な活きの良さが失われる傾向があります。良くも悪くも平凡な方向にシフトしました。

 

そこで次に耳との密着度に着目してSpinFitです。

 

 

 

 

 

本来高域不足の製品とマッチすることが多いイヤーピースですが、構造的に耳との密着度が向上することが特徴となっていますので、或いは化けるかもという期待があったのです。

 

すると標準イヤーピースと音の出方自体は似ているのですが、音場の密度が大きく増し一気に価格帯が上がったかのような変化があります。とはいえ、高域のやかましさが気になり、疲れる音という辺りは変わりません。少なくともここまでDavid Garrettのヴァイオリンが聴いていられるような音ではありませんでした。

 

 

そこで高域過多のイヤフォンに有効なことが多い、Philips Fidelio S2添付のComplyに替えてみます。

 

 

 

 

 

 

この組み合わせでは、高域方向の聴き辛さはかなり解消されます。ただ、意外と中低域の密度が薄く、刺激は抑えられているものの薄っぺらい音と感じてしまいます。とはいえ、これまでの組み合わせの中では最も無難であり、この水準であれば外出時に使っても良いかというところまでは来ました。ただ、もう一声何とかならないかという感覚が残ります。

 

 

 

 

 

 

折角Complyの詰め合わせがありますので、今度はこれを使ってみました。結論から言うとこの中でベストマッチだったのは、Sタイプ、つまりスポンジ素材のものでした。ウレタン素材のT系よりも自然に耳に収まってくれるようで、少し中高域にピークがありロックを明るめに鳴らす、JBLのゼネラルオーディオ機器によくある音という印象にまとまりました。この音であれば5千円前後クラスのライバル製品と比べても質・バランスは良好です。

 

そして最後にふと思いついてComply S-200を装着したまま、SHURE掛けにしてみたところ、何とこれが効果覿面でした。薄さが感じられた低域方向も丁度良いところまで量が出て来ましたし、ヴォーカルや弦楽器の質も大きく向上します。最初に出て来た音と比べればまるで別物ですし、まさかこのイヤフォンでDavid Garrettのヴァイオリンをごく普通に楽しめるという水準の音が出てくるとは、全く予想出来ませんでした。若干中高域のピークに由来する華やかさは残っていますが、この程度であれば個性で済ますことが出来る程度です。

 

 

恐らくComplyを試さなければごく普通の格安品という印象で終わっていたと思うのですが、Complyを組み合わせたときの化け方が気になり色々と試した結果、価格を大きく超える水準の音に辿り着いてしまいました。さすがに低域のスケール感など、より高価な製品より劣る部分はありますが、5千円前後クラスの中に混ぜても、劣るどころか頭一つ抜けていそうな音が出ています。

 

この製品がここまでのポテンシャルを秘めていたことに、驚きを禁じ得ません。処分価格で売られているとすれば、イヤーピースを色々付け替えて楽しめる人には文句なしのお薦めです。

  • 購入金額

    761円

  • 購入日

    2016年12月10日

  • 購入場所

    Amazon

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