所持する音楽データに対する私利私欲...イヤ私情私見あふれるコメント、音楽の杜。こういった分野のものは「好み」ですし、優劣を付けるのもそぐわない気がしますので、満足度の☆はあくまで私的な思い入れです。同じ歌でも歌い手によって、受ける印象が大きく異なる場合があります。それアレンジやキーが同じでもその歌い手の声音だけではない個性が反映されるから。それをもっと推し進めて、同じ旋律、アレンジながら、配役に合わせて歌詞と歌い手を変え、光と陰を表現した作品をご紹介します。
「芋づる式洲崎綾 Part4」。Webラジオのキャラクターの面白さと天使の歌声のギャップ萌えですっかりファンになった洲崎綾(あやちゃん/ぺっちゃん/あやっぺ)関連。12月といえば恒例のイベント月ということで、この半年で増えてきた彼女の直接参加した作品や楽曲、ラジオCDなどから、イベントグッズなどまでと芋づる式に関連アイテムをまとめてご紹介するシリーズレビュー。
「トリニティセブン」。シナリオライター/ラノベ作家のサイトウケンジが原作を書いたマンガ「トリニティセブン 7人の魔書使い」をベースとして創られたアニメ。普通の高校生だったアラタは、一緒に暮らしていた「従姉妹」の聖(ひじり)が世界の「崩壊現象」に巻き込まれて消えてしまったのを救うために魔道士になることに。そのために魔道を学ぶ王立ビブリア学園に入学したアラタは「魔王候補」とされる。彼の周りに集う7人の「秘奥義」を極めた女魔道士とともに「崩壊現象」のナゾに挑んでいく...と言うものだが...
このアニメ、深夜帯。1人の主人公に7人の「女」魔道士...というハーレム展開。当然お約束のラッキースケベもww
アラタも含む魔道を習得しようとするものは、自分の「テーマ」を決めてその魔道を研究していく。その「テーマ」は七つの大罪にちなんだ魔道の分類がされていて、その分類は「書庫(アーカイブ)」と呼ばれる。アラタの「テーマ」は「支配(インペル)」で「書庫」は「傲慢(スペルビア)」に属する。
アラタが魔道士としてメイガスモード(魔道書を使って変身した状態)になると、周りの魔力を「支配」しそれを打ち消す力を持つようになる。それを使うとそれを受けた相手の着ているものが破けてしまうというwww(別名「すっぽんぽん魔術」←アラタ命名)
そんなアニメであやちゃんは、「書庫」は「怠惰(アケディア)」に属する「テーマ」は「停滞(スタグナ)」を研究する魔道士で、トリニティセブンの一人にして自ら魔王候補になり「崩壊現象」を引き起こしてトリニティセブン全員の魔力を奪おうとしたが、その時の敗北で「超高速の世界」に居残ることとなるリーゼロッテ(リーゼ)=シャルロック....ではなく、その双子の妹のセリナ=シャルロックを演じた。
セリナは魔王となろうとしたリーゼとは対照的に普通の感覚を持つ少女であり、闇に往く姉を救いたいと思っている。...とは言っても魔道学園に所属するからには一般人?ではなく、「書庫」は「怠惰(アケディア)」に属する「テーマ」、「束縛(リガーレ)」を研究する学生でもある。新聞部に属していて、いつも持ち歩いているカメラで、姉のいる「超高速の世界」をカメラで「停止」させて、リーゼの意識を自身の肉体に「束縛」させることに成功したりする活躍も見せる。
そんな双子の姉妹を演じた東山奈央(リーゼロッテ役)とあやちゃん(セリナ役)が歌ったのがエンディングテーマ「その4」、「ReSTART "THE WORLD"」。「その4」というのはこのアニメ、1クール12回しかなかったのに、4つもエンディングテーマがあり、トリニティセブンの面々が2人組になってそれぞれ担当した。第7、9、11話に流れたエンディングテーマの担当がリーゼに加えてその妹セリナというわけだった。
魔道を極めるために学友(=トリニティセブン...とは言っても魔道士の至上命題は自身の魔道の追求なので一般的な「お友達」関係はそこにはないのだが)から魔力を奪おうとしたリーゼとその姉を異空間から現実に連れ戻したいと思っているセリナ。双子ながらかなり指向が違う二人が歌うのが、「ReSTART “THE WORLD”」。リーゼが昏い歌詞を、セリナが明るい歌詞を歌っていて、一部ではハモっているのだが二人の歌っている歌詞が違うという凝った造りの歌。
さらにこれにはリーゼパートの歌詞を発展させてリーゼ役のなおぼう(東山奈央)のみが歌った「ReSTART “THE WORLD” (Logos Art Form in Dark)」とセリナ側の発展系であやちゃんがソロで歌う「ReSTART “THE WORLD” (Logos Art Form in Light)」という別ヴァージョンもあった。従ってCDには最後のカラオケも含めて4曲同じバックトラックの曲が入っているのだが、歌入りの3曲はそれぞれ印象が異なる。
1曲目の「ReSTART “THE WORLD”」はそのエンディングテーマで、最近では打ち込みリズムであってもここまでエレドラ(モノホンのSIMMONSらしい)を前面に押し出して生ドラムとかけ離れた音色の曲は珍しいので、その刺激的な音色の高速16ビートがまず印象的。メインキャラ=トリニティセブンであるリーゼを演じるなおぼうの方が当然?いいパートをもらっているので、あやちゃんは基本追いかける歌唱側。導入からしゃくりなどのテクニックを駆使して力強く歌うなおぼうに対して、素直な感じのあやちゃんの歌唱は若干弱いが、役柄(メインキャラと準メインキャラ、魔王を目指した強力な魔道士と成績は優秀ながら魔道学園の一学生の違い)からはそれでよいのかな。実はこの曲、あやちゃんが先に歌入れしたようなのだが、双子とはいえかなり性格も指向も違うので、なおぼうもあえて「寄せなかった」とか。
2曲目の「ReSTART “THE WORLD” (Logos Art Form in Dark)」は、1曲目をさらに推し進めた感じで、力強く歌うなおぼうが一人になってさらに全体のスピード感が増したという印象。歌詞も元曲の「ReSTART “THE WORLD”」では♪確かに在った過去(きのう)/繋がっていた手から翻れ落ちる砂の雫/崩れるのは未来(あした)?/繰り返してしまうの/計算されるだけの終章(エピローグ)/You can chose either way of darkness or light./運命の輪が廻りだしたそのとき/全てが変わってくの/解析(アナライズ)なんてできないYour Fate/ReSTART “THE WORLD”(Re-BRAND “THE WORLD”)/望みは変わらないわ/いつまでも此処にいたいから・・・/「闇を掴むの」「光掴むの」/開かれた翼はね/奇跡を読み解く鍵(コーデック)/永劫と一瞬を抱きしめ繋ぎ止める「時の欠片(Piece of Time)」♪という感じだったもの(リーゼ歌唱/セリナ歌唱/二人歌いは無着色)が♪確かに在った過去/それさえも棄て去った・・・翻れ落ちる砂の雫/時を停めなければ/繰り返してしまうの/計算されるだけの終章/You can chose either way of darkness or light./運命の輪が廻りだしたそのとき/奪ってしまえばいい/解析なんてできないYour Fate/ReSTART “THE WORLD”(Re-BRAND “THE WORLD”)/望みは変わらないわ/壊さずに此処にいたいから・・・/闇を纏い掴むの/漆黒の翼はね/終わりを読み解く鍵/永劫と最愛を抱きしめ・・・繋ぎ止める「時の欠片」♪とより昏く、しかも「停滞(スタグナ)」を連想させる言葉に置き換えられている(リーゼが歌うにあたって青字の部分が置き換えられている)。
これに対して3曲目の「ReSTART “THE WORLD” (Logos Art Form in Light)」はあやちゃんがそれまで歌っていなかった出だしの旋律などを歌うのでものすごく印象が異なる。素直なセリナを表現するためか澄んだ声で歌っており、力強さよりも透明感を感じる歌唱。歌詞も♪何処へ行ったのだろう/繋がっていた手から/翻れ落ちる砂の雫/崩れるのは未来?/そう信じていたんだね/計算されるだけの終章/You can chose either way of darkness or light./もう一度巡り逢えたらきっとね/全てが変わってくの/解析なんてできないYour Fate/ReSTART “THE WORLD”(Re-BRAND “THE WORLD”)/願いを託したのは/いつまでも信じているから・・・/きっと光掴むの/開かれた扉はね/奇跡を読み解く鍵/迷わずに一瞬を留めて、繋ぎ止める「時の欠片」♪と姉との再会を信じ、のちに姉の精神を自分の体に束縛することで現実世界に還すことができた「束縛(リガーレ)」を研究するセリナのストーリーが入っている(橙字の部分がセリナ版オリジナル)。
このこんがらがった歌詞をうまくまとめあげたTECHNOBOYS PULCRAFT GREEN-FUNDのメンメンと性格も方向性も胸の大きさも違う双子の姉妹を演じながら歌ったおふたり、ご苦労様でした!という感じ。
付属のDVDはTV放送時のエンディングのノンテロップ版。リーゼとセリナが操る魔術は数字を使った「数秘術(ロゴス・アート)」なので出だしはモノクロの画面で空から数字が降り注ぐといったようなシブさなのだが、途中からカラフルポップな絵に変わり、トリニティセブンの面々が紹介される。そして後半ではアラタの「すっぽんぽん魔術」を喰らったていで衣服が破れて下着姿になったトリニティセブンがwwww(←お約束)
曲調としては打ち込みバリバリで自分の「好み」のジャンルとは言えないんだけれど、二人の表現型の差とモザイクのように絡み合った歌詞を解きほぐしながら聴くのが結構興味深く、意外に繰り返し何度も聴いている楽曲です(実はハイレゾ版も持っていたりして...)。
【収録曲】
<CD>
1. ReSTART “THE WORLD”
:リーゼロッテ=シャルロック(CV東山奈央)&セリナ=シャルロック(CV洲崎綾)
2. ReSTART “THE WORLD” (Logos Art Form in Dark)
:リーゼロッテ=シャルロック(CV東山奈央)
3. ReSTART “THE WORLD” (Logos Art Form in Light)
:セリナ=シャルロック(CV洲崎綾)
4. ReSTART “THE WORLD” (Instrumental)
<DVD>
1. TV animation 「TRINITY SEVEN」 non credit ending ~ReSTART “THE WORLD”~
「ReSTART “THE WORLD”」
「ReSTART “THE WORLD” (Logos Art Form in Dark)」
「ReSTART “THE WORLD” (Logos Art Form in Light)」
主人公のリーゼ(なおぼう)に比べると弱い
準主人公のセリナとしてはある意味当然だが...
チッョト残念
「聴」つか、歌詞を味わってほしい
「世界」を描き出しながら、陰のリーゼと陽のセリナの気持ちをよく表している。
歌詞を漢字含めて味わってほしい。
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購入金額
1,555円
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購入日
2016年02月13日
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購入場所
hmv
れいんさん
2016/12/15
ンツ見える気配がしたのですが!?
cybercatさん
2016/12/15
この姉妹だけ見えてないw
hubbleさん
2016/12/16
アニメの主題歌は、奇抜なものが多い印象ではありますが、この曲もなかなか印象的ですね。
正確には最初に知ったのはこの曲ではなくて、SHaVaDaVa in AMAZING♪なんですが、初めて聴いた時に、あまりにも印象的すぎて。
そして必然的にこの曲にもたどり着くわけですが、やっぱり印象的で、どんなアニメやねん?と気になった次第です。
cybercatさん
2016/12/16
4つのエンディングはそれぞれかなり印象が違いますが。
自分は声優⇒歌(この曲)⇒本編と入ったんですが、結構楽しめましたね。
来年の映画も見に行くつもりです。