三洋電機から発売されていたパワーオペアンプICです。端子が5本しかないことからわかるようにこれは1回路品です(2回路では8本、一般に n 回路オペアンプには 3n+2 本の端子が必要です)。PNP差動入力で、出力段はプッシュプルダーリントンです。
パワーオペアンプとは文字通り大電力が必要なときに使い、ヒートシンクを取り付けるための穴が開いています。パワートランジスタに使われるTO-220パッケージと端子の数以外は同じです。
なお、三洋の半導体事業はオンセミに売却されています。
意外と聴ける……と思ったら
安価な石ですが意外と聴ける音質です。μA741に似た感じでしょうか、ロー寄りな感じがします。
波形が三角波になっていますが、スルーレートが足りないためです。

過渡応答(A=11 Vin=200mVp-p f=100kHz Rfb=10kΩ 位相補償なし 10:1プローブのみ接続 ガラエポユニバーサル基板)

過渡応答(A=11 Vin=200mVp-p f=10kHz Rfb=10kΩ 位相補償なし 10:1プローブのみ接続 ガラエポユニバーサル基板)
聴ける音質かなと思っていたらボルテージフォロワ(負荷15Ω)だと発振していました。

過渡応答(A=1 Vin=200mVp-p f=100kHz Rfb=0 位相補償なし Rl=15Ω ガラエポユニバーサル基板) 出力のスケールは1V/div
パワーデバイスだからしょうがない
使い勝手が良いとは言えません。ZIPと呼ばれるパッケージでピン配置がてれこになっており、しかも1.7mmピッチという変則的な間隔になっているためです。ユニバーサル基板では使いづらいと思われます。
今回はハーフピッチユニバーサル基板で変換基板を作りましたが、変則的なピッチを1.27mmピッチに入るように調整したり、穴に入るように太すぎる端子を削ったり大変でした。あとで気づいたのですが斜めにすれば入るのでした。
公称1Aの出力ができます。ただ、ユニティゲインでは安定しなくなるのはまずいかもしれません。電源も±15Vを前提にしています。
確かに安上がりなんだが
安価なパワーオペアンプですが、発振しやすいらしくこの石はボルテージフォロワで負荷を駆動するような使い方には向かないようです。また、オーディオには向きません。ただ、パワートランジスタでバッファするよりも安く済みます。
パワーデバイスにしては少ない
室温26.0℃、24V駆動の状態で、ヒートシンクの温度が29.2℃まで上昇します。ヒートシンクを付けたため放熱がしっかりしていることと、ヘッドホンなので電流が少なくて済むため、発熱が少なくて済むと思われます。
室温20.8℃のときにモールド部分で再計測すると、22.5℃までしか上がりませんでした。
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購入金額
130円
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購入日
2016年11月18日
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購入場所
千石電商大阪日本橋店


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