レビューメディア「ジグソー」

原子力工業用に作られた、旧ソビエト連邦最強の6SN7互換球

知る人ぞ知る、6SN7互換最強の真空管。
MELZ(MOSCOW ELECTRO LAMP FACTORY)が旧ソビエト連邦軍向けに原子力工業用として製造した管で、他の6SN7やロシアの6N8Sとは一線を画す精度で作られています。

1578にもいくつか種類があるのですが、その中でも最上位に位置するのが、“HOLEY PLATE”と呼ばれる、プレートに穴が設けられたこのタイプ。
6SN7の最高級品といえば、Tung-SolのRound PlateやRCAの5692、あとはBrimarのCV1988などが挙げられますが、海外の評価に於いてはそれらを凌駕する高評価を得ていることも。

ヤフオクで35,000円で販売している方がいますが、流石にそれは高価すぎなので、eBayで出品されていた2本で送料込み18,000円のNOS(New Old Stock)品をポチってみました。
数は少ないのですが、放出品がロシアなどを中心に流通しています。
今回はウクライナからの発送だったので、大丈夫かな…と思っていたのですが、無事届いたのでホッとしています。


NOS品だけあって、とても綺麗。
メタルベースは中国の管に多く採用されており、見た目ビミョーかなと思っていたのですが、そこは流石ロシア最強管、非常に精度の高いメタルベースで、とても高級感があります。
中華な球のメタルベースって歪んでるんですよね…。
6N8Sによく見られるT型プレートですが、プレートに空いた穴が特長的です。


うーん、見ていて格好いい。
見るからに作りが丁寧なのが分かります。
プレートはベース部分からトップマイカまで貫通した太いロッドで支えられており、5692同様高い耐振動性を確保しているように思われます。


トップマイカには、放熱のためのフィンが取り付けられています。
マイカは金属板でしっかりとサポートされており、強度もバッチリです。
さすが高い信頼性が求められる原子力工業用の管だけあります。


アンプに取り付けてみました。
メタルプレートですが良い味だしてます。
それにしても、音良さそうですね…

というわけで、早速聴いてみましたよ!
いやーーーー、凄いですわ、これ。
今までのRCAの6SN7初期型も芯がしっかりしていて力強さがあって好きだったのですが、こちらは繊細さが遙かに上で、とてもクリアで澄んだ音がします。
遙かにワイドさが増した感じで、前面に出てくるイメージというか。
これは良い買い物をしました。流石に2本で35,000円は微妙ですが、1本1万円以下なら大いに有りだと思います。

6SN7はPhilipsやSilvania T型プレート、エレハモなどいくつか試しましたが、あまり劇的な差が出ることが無い感じでした。
でも、この1578は圧倒的ですね…。エージングが進めばもっと凄い事になりそう。
ロシアというと、安価だけどばらつきが多く、でもタフな管というイメージがありますが、旧TeslaやこのMELZといった、きわめて品質の良いメーカーもあるので奥が深いですね。

これを聴いたら、Teslaの6CC10も欲しくなってきました…w

  • 購入金額

    18,000円

  • 購入日

    2016年09月23日

  • 購入場所

    ebay

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