先日この製品の下位モデルである、MASTER & DYNAMIC ME01については、以前レビューを掲載しました。
元々このME01は、同じ特売に出ていたME03が売り切れてしまったため、妥協の産物として購入したものでした。音質も意外なポテンシャルの高さこそ感じられたものの、ハウジングの余計な反響によると思われる中高域のやかましさがあり、ノイズアイソレーションイヤーピース(SONY EP-EXN50S)併用で辛うじて常用に耐えるかというものでした。
ところが、ME03が次のセールでも売り切れた時と全く同じ値段で出てきているのを見つけてしまうと、ME03の方に俄然興味がわいてしまいます。そんなわけで、改めてME03の方を入手してみたというわけです。
パッケージの意匠などは、ME01と殆ど変わりません。革製のキャリングケースも同等品ですね。代理店であるアユートの直販価格ではME01とME03とで3,400円差ですから、パッケージ内容で差を付けるほどの価格差ではないということでしょう。
最初からこちらを選ぶべき
ME01と明確に差があるのは、ハウジング背面部分の構造とデザインです。
ハウジング背面部がメッシュ状になっているのです。とはいえ、どちらも構造としては密閉型となっているわけで、このメッシュの意味はあまり理解できませんが…。
試聴はME01と同じ環境で行いました。
据え置き環境が上記の組み合わせ、ポータブル機器は以下のいわゆるポタアンです。
一瞬音を出しただけで、ME01との差は明らかです。実はデータを見る限りME01とME03では同一のドライバーを搭載しているとしか思えないのですが、出てくる音は明らかに別物です。
ME01で気になった中高域部分のうるさく感じられるピークは殆ど感じられず、標準添付のイヤーピースでもきちんとバランスが整っているのです。TOTOをはじめとするロック系の楽曲では少しアメリカ西海岸系の乾いた感じの音にはなるのですが、それがタイトな音楽では心地よく感じられます。
David Garettのヴァイオリンの質感はさすがにELECOM EHP-BA100には負けますが、5千円クラスの実力モデルであるAuglamour R8やCo-Donguri雫よりは上であり、ロック系を心地よく聴ける製品としてはむしろ健闘している部類でしょう。
意外と音質差が出やすい南條愛乃のヴォーカルでも、ME01や上記ライバル製品よりははっきりとワンランク以上上の表現を見せてくれますし、概ね大体のソースを水準以上に聴かせてくれる製品といえます。
強いていえば、ジャズ系のやや重めなベースなどはさすがに軽くなってしまいますが、それはこのような製品に求めるべき要素ではないでしょう。少なくとも私が普段DAPで聴くソースは概ね不満なく鳴らしてくれました。
元々ME01との価格差がさほど付いていないことから、興味はあってもそこまで期待していなかったのですが、その予想は良い意味で裏切られました。実売価格5千円前後で、標準添付のイヤーピースでこれと言って不満が出ない程度の音を出してくれた製品は滅多にありませんでしたからね。全体的なバランスはAuglamour R8も近いのですが、ME03の方が一音ごとのリアリティーなどで大きく上回っていますので、音楽を聴く楽しさに大きく差が付きます。
イヤーピースについては現時点ではME01で使ったノイズアイソレーションイヤーピース、SONY EP-EXN50Sを使っています。ME01のように音質が劇的に変わるわけではないのですが、標準状態で少し明るさが強い音が、より落ち着きを見せ万能さが増します。
eイヤホンの会員向けセールでは最近よくこの価格で出てくるようになりましたので、文句なしにお薦めです。さすがに直販価格の22,200円ではお買い得感はありませんが…。
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購入金額
5,980円
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購入日
2016年09月16日
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購入場所
eイヤホン
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