古くから使われてきた汎用オペアンプIC「4558」です。このICは各社から生産されていましたが、今回紹介する新日本無線のものが今でも容易に手に入ります。
今回紹介するものは低ノイズ選定品のDグレードで、他に後ろのDが1つだけの無印グレード(一般品)もあります(1つ目のDはDIP品であることを表しています)。
古典的な音質
どちらかというとまったりした音質です。最近の石と比較すると音が曇って聞こえますが、設計が古いのでこれは仕方がないでしょう。
それでも、古くからオーディオ用に使われてきたようにオーディオ用として使えないわけでは決してありません。ただ、ハイファイではないということだけです。気のせいかNJM4580と比べてややドンシャリに近いかもしれません。
興味深いことに、後の改良版であるNJM4580の過渡波形にはオーバーシュートが出るのに対し、NJM4558はなで肩の波形になります。
過渡応答(A=11 Vin=200mVp-p f=100kHz Rfb=10kΩ 位相補償なし 10:1プローブのみ接続 ガラエポユニバーサル基板)
(12/30追記)15Ω負荷(セメント抵抗)時の過渡波形を以下に掲載します。
過渡応答(A=1 Vin=200mVp-p f=100kHz Rfb=0 位相補償なし Rl=15Ω ガラエポユニバーサル基板)
電池駆動には不向き
電源電圧は±4~±18Vまで対応しています。ポータブル機器(電池駆動)に使うには電圧がネックになるでしょう。ただ、DIPの2回路品なのでその点は使いやすいです。
電流は、グラフから計算すると600Ω負荷に対して20mA程度出るようです。
音の出る回路「以外」用
オーディオ回路に使った場合、それなりの音は出ます。しかし、現在ではOPA2134やMUSES8920といったもっと高音質でコスパに優れた石がありますので、よほどのコスト重視(コスパ重視に非ず)でなければあえてこの石を選ぶこともないでしょう。
オーディオ以外に使った場合、安価であることが強みです。両電源さえ確保できればいろいろな用途に使えます。
あってないようなもの
24V駆動のcMoy回路では、外気温28.9℃に対し、30.6℃までしか上昇しません。
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購入金額
50円
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購入日
2015年頃
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購入場所
デジット
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