OCZ Storage Solutions 社製のSATA3最上位モデル。
自社オリジナルのコントローラー”Barefoot3”を搭載する、東芝製MLCを採用した製品。
既に発売から一年半が経過したモデルだが、現時点でもSATA3接続タイプのSSDでは最速級の性能を誇る製品である。
本製品最大の特徴は、その性能もさることながら、更に凄いのは業務用並みの高信頼性だ。
コンシューマー向けとしてはほぼ唯一、突発的な電源断時にキャッシュ格納データを退避するPFM+という機能を搭載しており、その為の電力確保用キャパシタが内臓されている。
これらは主にRAID環境や、瞬停対策として搭載されるもので、業務用でも搭載例は少ない。
この機能、停電などでPCがシャットダウンしても、内臓されたキャパシタに貯めた電力でキャッシュ内に残るデータをNAND側に退避し、PCの復帰後にデータを戻してくれるため、UPSなどの予備電源がない環境でも、停電によるキャッシュデータ喪失が起こらない。
公称値は4Kランダムで、Read100000/Write95000 IOPS、シーケンシャルアクセス速度もSATA3の限界に近い、Read550/Write530MB/sを名乗る。
また、わざわざ悪環境(容量限界書き込み状態)におけるダーティー書込み速度までも公称しており、最悪の状況でも20000IOPSを下回らないと豪語する。
まあ、ダーティ書込みにおける数値はググりゃ出て来るので割愛。
以前、Intel750にてDiskベンチマークの定番たるCrystalDiskMark5にて、AMD環境だと正しい速度が検証出来ない(ベンチ方式の問題っぽいが)事が判ったので、今回は環境を二つ用意し、Intel Z77 と AMD A88X の双方で速度計測を実施している。
製品全景。SATA-SSDとしてはごく普通の外見だが、違いは持った瞬間に判る。
筐体が完全に金属製なのは勿論だが、驚いたのがその”重さ”だ。
明らかにSATA-SSDとしては最重量級で、製品仕様上でも実に115gと下手なHDDを上回る。
この重さの理由は、放熱のために筐体がかなりブ厚く作られているためだ。
裏面には、製品型番やシリアルなどの記載がある。
裏面の左上にあるのが、分解防止用のワランティシールで、分解するにはこれを剥がさないとネジが出て来ない。
ワランティを綺麗に剥がせるようなら分解しようと思ったのだが、このシールよく見ると「切れ目」が入っていて、剥がそうとした途端に細切れになる仕組み。
4000円以下のSSDなら問答無用で剥がしただろうが、コイツのお値段結構高いので今回は勘弁。
USBメモリバンドル版(パッケージ内に同封されている)ということで、東芝製の32GB-USBメモリ(右上)が付属するほか、3.5-2.5変換マウンタとミリネジ、保証書類が付属。
付属するUSBメモリはUSB2.0対応のもの。
速度については、2.0って時点でお察し。
CDM5計測で、Read 26.86 / Write 8.231(MB/s)なので、人にデータ渡す用かな・・・・
SATA3のSSDとしては、ほぼ規格限界クラスの性能。
冒頭でも書いた通り、今回はIntelとAMD双方の環境でベンチマークを取得した。
取得構成は以下の通り。
Intel
Core-i5 3570k
ASRock Z77-Pro3
DDR3-2133 8G x2
AMD
A10-7870K
MSI A88X-G45 Gaming
DDR3-2133 4G x4
どちらも、OSはWindows10の最新ビルドで、データドライブとして計測している。
以上が、Z77での計測結果。
ほぼ、SATA3の規格限界ギリギリまで速度が出ることが伺える。
大きいデータを連続して流した場合でも、書き込み速度が殆どヘタレない上に、4K周りの速度が非常に安定しているので、コントローラーの性能も、NAND自体の性能も非常に高いことが伺える。
また、ATTOの結果を見ると判るが、128KBまでのR/W速度がシーケンシャルと殆ど変わらないため、細かいデータの転送でも全く速度が変わらない。
流石は老舗というべきか。
Barefoot3コントローラーの性能は、間違いなくSATA3系最強の一つと断言していい。
続いて、AMDでの計測結果。
あらら、A88X-SATA性能の限界露呈かコレは。
AS-SSDでもIntelより、R/W双方で70MB/s前後劣るという結果が出たので、恐らくこの辺がA88Xの性能限界だと推測される。
ただ、大容量データでのベンチでも速度劣化は殆ど見られないため、SATA3コントローラー単独の限界であって、バス周りの問題でないことが救いか。
というか、Vector180が純粋に速過ぎるだけな気もする・・・・
DiskInfoはこんな感じ。流石に「ベンダ固有だらけ」ってことは無くて一安心。
動作温度も、ベンチ稼働中(32GiB取得時)で43℃。
ノンアクセス時は30℃前後まですーっと下がるので、肉厚筐体の恩恵は十分というところか。
信頼性と速度の両面で、現時点でも最強クラス。
OCZっていうと、かつて廉価だけども故障率の高い粗悪なSSDを大量にバラ蒔いた挙句、サポート悪いと一度は傾いたことがある。
それだけに、信頼を取り戻すには「高性能・高信頼性に、疑う余地のない製品」を出すほかない訳だが、VECTOR180はその二点において、十分に信頼を取り戻すに足る製品に仕上がっている。
問題は、やはり高性能なことと、取扱店舗数の少なさから「どうしても高値」になりがちなこと。
ただ、実は現在この960GBに限っては30000円を切る価格帯で販売されている。
MLC搭載の大容量SSD、それも業務用並みの高信頼性を誇るOCZ最上位モデルという点を考慮すると、TLC-SSDの大容量モデルより高いといっても、その差額分の価値は十分過ぎるほどにある。
特に、本製品は大容量連続書込みや、使用容量が限界近い状況でも「かなりの高速」を維持する事が出来るという特性があるため、システム利用・データ利用の双方で利点が満載。
SATA3でこれなんだから、次はNVMe接続のSSDで「もうちょい廉価」なのを出して欲しいところ。
PCIeカード型は以前から売ってるけど、そろそろ新作が見てみたいぞ。
-
購入金額
28,800円
-
購入日
2016年09月16日
-
購入場所
PC4U
ZIGSOWにログインするとコメントやこのアイテムを持っているユーザー全員に質問できます。