レビューメディア「ジグソー」

久々のギガバマザー

ギガバイトのX99製品では上位※にするマザー。G1ゲーミングシリーズではなく「Designare」というワークステーション寄りを意識したブランドに位置する。個性的なビジュアルと多機能マザーでありながらATXサイズに収めているのもポイント。

※Broadwell-Eにあわせて登場した中では最上位だがHaswell-Eにあわせて登場した既存モデルにはもっと高額なものもある。

 

とはいえ税別50000円というお値段はキツいものがある。もちろん相応のスペックを供えているが、そこまでの機能は必要無いという人も多いはず。更に機能は削られるがデザインや基盤の一部が近く値段が安く発光部がより多いGA-X99-Ultra Gamingの存在もある。

自分も正直スペックも予算オーバーだし下位モデルや他社マザーも候補にあったのだが、コイツの個性的なデザインにつられて購入してしまった。しかしコストを考えると別のでもよかったかなーという感は未だに残っている。

 

デザインにつられたので内容は主にビジュアル面です。このマザーを生かすような構成してません

 

(11/28日 PCIexpressスロットのカードの組み合わせで不安定になった件と対策を追記)

更新: 2016/10/29
パッケージ内容

SATAケーブルが高そうだぞ!あと箱がかっこいいぞ!

上位モデルだけあって箱はでっかい。そしてフォーミュラーカーのワイヤーフレームがカッコイイ。

 

窓付きで蓋の裏側にはアピールポイントとなるM.2のカバー部分が。

付属品はそこそこ多いがゲーミングモデルに比べると控えめ。どうせならDESIGNAREなロゴステッカーとかつけといてほしかった。

 

標準的なものに加えてThunderboltで画面出力する時の短いDPケーブル、無線LANアンテナ、SATAケーブルとSATAケーブル用のラベル、面ファスナー式のケーブルタイ。CPU用の電源補助ケーブル。

そして他社マザーにあったピンヘッダをまとめるヤツだが…ギガバイトのは形式が異なり枠状の部品にカチリとはめ込んで使うタイプ。ピンヘッダそのものを延長するやつは基板上からの張り出しが大きくなってしまうのだがこちらはそれがなくスッキリ。

SATAケーブルは普通の黒いヤツかと思えばなんと布製の編みこみスリーブタイプ(!)。これ普通に買ったら結構高い。L字とストレート3本づつの6本はうれしい。

IOパネルも一見普通のものにみえて厚手でガッチリとしたチタンカラータイプ。飾り気はないが高級感があってステキ。

CPU用の補助ケーブルは8pin最大3本を纏めて接続できるようになっている。普通は8pin1個で動作に問題はないのだが、OCを行ったり多コアのXeonを接続する時用のものだろう。

ちなみに他社製X99マザーにもCPU給電補助は見られて、例えばASUS X99A-IIの場合8pinに加えて4pinを基盤自体に実装している。

 

更新: 2016/10/29
デザイン性

その名もデザイナーだが好みは判れる 自分は一目ぼれ

今年冬に発売された同社製Z170上位Gamingモデルと同じ、白いヒートシンクをベースとした派手なデザイン。

同じ白でもASUSのそれとは異なりかなりロボットアニメ的というかアクが強いので好みは判れるのだが正直このビジュアルが自分のツボで海外イベントの写真を見ただけで欲しくなってしまった。

ただ今回のDESINAREは赤・白ではなく青・白なので幾分大人しく感じる。GIGABYTEといえば青基盤のマザーのイメージがあり初自作も青のギガバマザーだった自分には嬉しい。

電源周りのヒートシンクの上に8pin電源がある。先述の通り補助ケーブルがつくのでマザー自体は一般的な8pinのみ。

真っ先に目がいくのか拡張スロット部にあるカバー。このカバーは金属製だ。中身は後述。

後部側のカバーはプラスチック。斜めのライン部にLEDが仕込まれている。

 

拡張スロットやメモリスロットは最近流行りの金属カバー付。強度云々もそうだがビジュアルが強そうだ。

チップセットヒートシンクは特にアクが強いデザイン。自分は好き。

更新: 2016/10/29
機能性

がっつり山盛り 使いきれる気がしない

ATXサイズのX99マザーの場合メモリスロットやCPUとの兼ね合いで拡張スロット部をATX標準の7段分から1段減らして6段分にしているモデルが多いのだが、このモデルはがっつり7段用意している。

ASUS X99A-IIと並べると判り易い。更にスイッチチップを使用し3waySLIをX16動作で実現させるパワーファイター。

最上段から…

 

PCIexpress x16(3.0)最下段と帯域共有 最下段にカードを挿すとx8動作

空き

PCIexpress x1(2.0)

PCIexpress x16(3.0) U.2と帯域共有 U.2使用時はx8動作

PCIexpress x4(2.0) SATAExpressと帯域共有 SATAE使用時はx2動作

PCIexpress x16(3.0) M.2と帯域共有 M.2使用時はx8動作

PCIexpress x8(3.0) 最上段と帯域共有

 

ただ最近のトレンドはGPU2枚までのSLIやCFXなのでSLIをがっつりやりつつx16動作スロットがもう1つ欲しいとかでない限りスイッチチップを持たない下位モデルで十分。

ストレージ周りも(無駄に)U.2を2個搭載しちゃっているので帯域排他が複雑。

M.2スロットは例のカバー下にあるので装着時はネジ止めされているカバーをはずす。

カバーの下はこんな感じ。M.2スロットの他にボタン電池・M.2接続の無線LAN基盤がある。またボタン電池の隣にはスイッチチップが実装されていてチップセットヒートシンクがもぐりこむような形。このカバー「グラフィックボードからの熱をおさえる」という事なのだが、最近のM.2SSDの発熱と隣のスイッチチップの発熱でこのカバー下がサウナ状態になる未来しか見えないのだが…

せっかく金属カバーなのだから熱伝導シートでも付属させてM.2SSDの熱を放熱させるようなカタチにすればウケそうなのに。そんな事はない単なるカバー。

基盤自体は重装備なのだが背面パネルは意外とUSBが少ない。というかサンダーボルトとか積みたかったせいかUSB自体は下位モデルより少なく合計7個。

USB3.0が5個にUSB3.1が1個、USB3.1TypeCが1個だ。USB3.1はThnderboltを兼ねたIntelチップ制御というのが売りの1つだがこれも対応機器がげふんげふんDPポートはVGAからの映像信号をThnderboltで出力するための入力専用ポートだ。

またPS/2ポートも1つ備えているのはいざって時ありがたい。無線LANは今時の11ac対応かつBluetoothも内蔵。LANはIntelのデュアル(i218vとI211)、オーディオ部はRealtek ALC1150。

内部ピンヘッダはUSB3.0含め下部に集中。フロントオーディオにTPM、USB2.0と3.0はそれぞれ2*2ポート分搭載でフロントもばっちり。

一方この価格帯のマザーによくついている多機能なオンボードスイッチやPOSTコード表示機能は無くそういう意味では見た目に対して地味。POSTコードくらい欲しかったかな?

またデュアルBIOSが搭載されていて緊急時はそちらから自動復旧するのだが、全自動設計なので扱い方は判りにくい。なぜか一度(OCあたりを弄っていてリセットかけたせいだろうが)勝手にバックアップ側から復旧して初期化されてしまったことがあった。

更新: 2016/10/29
光り具合

実は下位モデルより光る部位が少ない上に…

さて派手なビジュアルの通りLEDイルミネーション機能がついている。

発光部は…

マザー上部のIOパネルカバー

 

マザー下部のオーディオ部カバー・M.2スロットカバー・チップセットヒートシンクのナナメのライン(これらには拡散用の半透明樹脂仕込んであるようで満遍なく光る。

そしてXMP使用時のみXMPの文字が光る。

全てRGBLEDで好きな色に光らせる事ができる。設定はBIOSとOS上のソフトウェアどちらでもOK。輝度も高くしっかり目立つ…のだがきになる点が結構ある。

 

1.価格的には下位扱いになるGA-X99-Ultra GamingのほうがLEDが多い

GA-X99-Ultra Gamingは基盤の半分くらいが同じでスイッチチップや無線LAN、M.2カバー等が無く1万円以上安いモデルなのだがこちらのほうがゲーミング扱いということで拡張スロット部のLEDが12個(Designareはカバー下の2個のみ)、電源部にも3個追加され、極めつけはメモリスロットの間に半透明樹脂を使用した光るラインが。Designareとコンセプトが違うから差別化したのだろうがどうせ5万円と高価なマザーにするならLEDもこっちにつけといてよ…買う時すっげえ悩んだよ。

 

2.BIOS側とOS上のソフトで設定齟齬が出る&片方でしか設定できないモードも

何故かBIOS上と制御ソフトで項目が異なり、例えばソフト上でオーディオ連動かつ色が変化する設定(ソフト側でしかできない)にしても再起動の度にBIOS上の設定…オーディオ連動の場合色固定に戻ってしまう。

 

3.他社マザーに比べて発光制御が貧弱

ASUSのX99A-IIと比べられたのだが、発光箇所こそ多いもののASUSのほうが発光パターンの選択肢が多く、部位毎に流れるような発光ができたりするのだがGIGABYTEはシンプルであまり遊べない。

更にサウンドカードやUSBサウンドを使用した時もASUSならオーディオ連動モードが使える(MSIも使えるらしい)のだがGIGABYTEはオンボードサウンドからの音しか拾えないようでサウンドカードを挿すとオーディオモード使用不能。

 

4.カバー部のLEDの配置何も考えてないだろ

最早笑ってしまったのがコレ。このマザーM.2のカバーがデザイン上の特徴でパッケージでもそこをアップにするくらいアピールしているし発光ポイントの1つ。

ここにM.2SSDを装着してみましょう。

LEDがSSDに隠されて2割も光らない。

結局(どうせ熱も気になるし)スロット側にM.2SSDつけちゃったからいいんだけどこれは予想外のオチだったわ。

いやそもそもマザーの基本性能に関係するとこじゃないしそもそもキニシナイ人も多いんだけど、このマザーは結構おおっぴらにイルミネーション機能を推しているだけに笑える。

 

まあそもそもこのカバー部分って2スログラボつけたら見えないけどな。

 

というわけでイルミネーション機能を期待するならメモリ部も光るGA-X99-Ultra Gamingや、制御部が強いASUSやMSIの製品を狙うのが個人的にオススメ。

更新: 2016/11/29
総評

それぞれの機能は魅力的だが全て必要な人がいるかというと…

とまあ「スイッチングチップを装備したx16動作スロットの多さ」「U2が2基」「豪華なLANやサンダーボルト」「(突っ込み所は多いが)個性的なデザインと発光ギミック」などなどそれぞれのスペックは凄い。それら全てが必要な人が居るかは判らないが…

 

例えばワークステーション的に帯域が必要なら他社のWS系もあるし、SLIなら2-wayまでが主流になるのでこのマザーの3-way対応はオーバースペック。発光ギミックなら下位のUltlaGamingが上位互換だし発光パターンの自由度では他社の方が強い。そしてU2やサンダーボルトに至っては対応機器が少なすぎる。多機能の代償として消費電力も高めで最小構成でもidleで100Wオーバー(機能が少ないモデルだがASUS X99A-IIは85W程度…省電力機能を使えば更に低下)。

 

またGIGABYTEは他社に比べてUEFIや付属ソフトウェアのレスポンスがいまいちで洗練されきってない感もある。特にソフトに関してはなんか妙に分散化されていて「BIOSの1項目をいじるためだけのソフト」とかがある始末。必要な分だけ入れられるといえばそうなのだが。

しかしこれだけの多機能をE-ATXではなく一般的なATXサイズに収めているのもケースを選ばないのでいいし、何より現状動作自体は安定していているのでOK。

 

今の所問題らしい問題は「帯域を共有している最上段と最下段にグラボとサウンドカードを挿すとサウンドカードの動作が不安定になった」というだけ。ほかのカードは問題がなかったし場所を移動すれば解決。

※グラボをPCIexpress3.0対応のものにしたところ更に問題が起きたのでレビュー末に詳細追記

 

まあ結局「見た目が気に入った」のだから値段が高かろうが使いきれないスペックだろうが少々扱いにくかろうが消費電力が高かろうが許せちゃう。自分が気に入るかって大切。…人にこれオススメするかって聞かれたらしないけどね。

 

 

余談だが最初の個体は挙動がおかしく半日で起動不能になってしまったので初期不良で交換になった。現在の個体はバッチリ安定しているので問題なし。

 

更新: 2016/11/29

PCIexpressカードの組み合わせによる不安定について

上で”「帯域を共有している最上段と最下段にグラボとサウンドカードを挿すとサウンドカードの動作が不安定になった」というだけ。ほかのカードは問題がなかったし場所を移動すれば解決。”

と書いたがそれ以外の組み合わせでも不安定になったり他のカードの挙動が怪しくなったりしたので追記。

PCIexpress3.0動作のグラフィックボードを使ったところサウンドカードの位置を変えようが不安定になった…USB機器が切断されたりグラフィックドライバが応答停止したりサウンドカードの音が途切れたりと明らかに拡張カードを含めて切断されているような挙動。

何故か「Windows正常終了後時間が経ってから起動したときのみ発生」して再起動や終了直後に起動したときは問題なく動作する。

 

BIOSの省電力設定やブート関連をいじったりカードの組み合わせを変えたりOSの再インストールしたり電源ユニットを変えたりとにかくまあやるだけやった。その上必ず起きるわけじゃないのでとにかく特定まで時間がかかったのだが、今落ち着いてる対処は…

 

UEFIのsystemタブ内Miscellaneous Settings→PCIe Slot ConfigurationをデフォルトのAutoからPCIe2.0にするというもの。PCIe3.0だとダメ。

今回の構成は「グラボが3.0 SSDが2.0 サウンドカードが1.0」という大混載スペシャルだったので自動設定がうまくいかなかったのかもしれない。

だとすればPCIe2.0動作だったGT710時はスロットの変更だけで不安定が消えたのも納得がいく。

 

またこの設定を2.0にしたら性能が下がるんじゃないかと不安になったが「起動時の動作モード指定」なだけなのかOS起動中はグラフィックボードもGPU-Z等で見る限りPCIexpress3.0動作になっていてスコアの変化もない。

まあ必ず発生するわけではない挙動で再発するかもしれないがとりあえず落ち着いたのでコレで。

  • 購入金額

    54,126円

  • 購入日

    2016年08月28日

  • 購入場所

    Tsukumo 本店

コメント (5)

  • まこりんさん

    2016/10/29

    このデザイン。
    すっごく新幹線に見えてしまう(笑)
  • Takahiroさん

    2016/10/29

    ケースのサイドパネルはまさかの自作・・・・・ですか?
    このMBはU.2ポートが標準ってのがいいですねー
  • 下小川さん

    2016/10/30

    新幹線…それだ!白に青ラインだ!!!

    U.2が2ポートは豪華です!マザーで予算使い果たしちゃったんで繋ぐもの買えないですが(おい
    一通りの規格が並んでいるんで長く使える…といいな?

    サイドパネルは自作というかデザインと絵を業者さんに預けて彫刻してもらったものですね。ケース本体よりお金かかってますw

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