レビューメディア「ジグソー」

ジャンクだが音質評価に問題なし

何となく寄ったじゃんぱらで、ジャンク品となっていたMDR-1ADACを見つけました。

 

説明によると部品脱落による破損ありだが、現時点では音は問題なく出るというものでした。その説明だけでは要領を得ないので、現物を見せていただくと事情はすぐに解りました。正直結構なリスクは感じたのですが、何となく面白そうだったのでジャンクとしては結構高額だと思いつつも購入してきました。

 

 

 

 

 

付属品は外箱の製品写真や型番が書かれた巻紙以外は全て揃っています。デジタル接続用のケーブルが

 

 

・USB標準A (PC接続用)

・microUSB (Android端末接続用)

・Lightning  (iPhone/iPad接続用)

・WM-PORT (WALKMAN接続用)

 

 

と計4本も用意されているため、ケーブルの本数が結構目立ちますね。

 

 

 

 

 

 

 

このように外観を確認した限りでは、美品といえる状態のものです。では何がジャンク品となった理由だったのでしょうか。

更新: 2016/08/09

問題点はハウジング固定ネジが脱落して振動板を傷めていたこと

3枚目の写真を拡大してみましょう。

 

 

 

 

 

判りづらいので赤丸をつけておいたのですが、ビスがここに見えているのです。このビスが振動板に食い込んでいて傷つけてしまっていること、使っているとより状況が悪化する可能性が高いこと、壊す覚悟が無いとビスを撤去出来ないことから、ジャンクで売ることになったという説明でした。

 

 

私自身、これを上手く除去出来るという自信は無かったのですが、最悪の場合はこのまましばらくは使えるだろうと割り切って買ってきた訳です。

 

更新: 2016/08/08
音質

MDR-1R系とはかなり異なる傾向

まず、イヤーパッドを外せばこのネジにアクセスすること自体は容易です。

 

問題はこの類のヘッドフォンのドライバーユニットは、極めて強力な磁石を利用しているということです。ビスがアルミ製なら良かったのですが、生憎鉄製であり、がっちりとくっついてしまっていました。

 

そうなるとなるべく端の方の強度がありそうなところまで少しずつ動かして、後は外す際に振動板が破れない事に賭けるしかありません。振動板は一般的に極薄の樹脂膜であり、完全に無傷で剥がすのは不可能だと思いますが…。

 

 

 

 

 

結構大きなへこみが出来ていますが、これは私が分解する前から出来ていたものです。横の方にある小さなへこみが新たに出来てしまったものですが、意外と少ないダメージで済みました。少なくとも普通に音楽を聴いていて問題があるようには感じられない程度に収まっています。

 

 

ちなみに張り付いていたビスはハウジングを固定しているもののうちの1本でした。自然に外れる可能性は低いでしょうから、前オーナーが分解しようとして失敗したのではないかと思います。

 

 

さて、前述の通り音質に目立った影響は出ていないようですので、じっくりと試聴してみました。

 

アナログ接続時の環境は最近ヘッドフォンの試聴で使っているこの組み合わせです。

 

 

 

 

 

 

試聴相手は当然シリーズ初代の標準モデル、MDR-1Rです。

 

 

 

 

 

試聴ソースはこの辺りを使っています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

まず、一聴して明らかなのは傾向が大きく変わったということです。

 

MDR-1R初代は高域方向の解像度や透明度は素晴らしく、低域方向も割合軽快なものの、バランス的にはややかまぼこ形に感じられます。中域部分に独特の張り出しがあり、ソースによってはこれが籠りに感じられる場合もあるのです。

 

ところがMDR-1ADACではこの特徴的な中域部分の張り出しは全く感じられなくなり、むしろやや低域寄りのバランスとなっています。高域の質自体はそれほど大きく進歩していないと思うのですが、中域の量が減ったことで見通しが良くなり、透明度が上がったように感じられます。

 

一方で量が増えた低域はやや抑えが利かない甘い音となってしまっている傾向がみられます。ベースの太さは大幅に増すのですが、芯がぼやけて明瞭度がやや落ちたように感じられるのです。低域の表現に限っていえば、個人的には手持ちのMDR-1系ではMDR-1RBT MK2がベストという印象です。

 

 

もっとも、どちらか1本をメインで使うという考え方であれば、よりHi-Fi感が増したMDR-1ADACの方が好ましいのではないでしょうか。中~高域にかけては明瞭になり、よりわかりやすい音になっていますからね。

 

 

そしてこのモデルの最大の特徴は、D/Aコンバーターとデジタルアンプを内蔵しているため、デジタル出力対応機器から信号を入力することで、直接自分自身のアンプで音を出すことが出来るという点です。

 

このデジタルアンプの音質水準は、ほぼ全てのスマートフォンや大抵のDAPよりは上で、上位のポータブルアンプやDAPよりは劣るというものといわれています。そこで、こちらとデジタル接続して試聴してみました。

 

 

 

 

 

 

意外なことに、NW-ZX1にアナログ接続したときよりもはっきりと音質は良くなります。特にNW-ZX1で不満が出やすい低域方向の質の悪さが随分改善されるという印象を受けるのです。高域方向の濁りのなさも特筆出来るものでしょう。

 

もっとも、部分部分だけを評価すればかなり高水準ではあるのですが、それでも出て来ている音そのものがそこまで高水準かといわれれば疑問が残るのも事実です。この辺りがいかにもSONY製のオーディオ機器だと納得してしまう部分でもありますが…。

 

ポータブルアンプ無しで外出時に楽しめる音としてはかなりの高水準。ただ、優れたDAPと例えばこの辺りのヘッドフォン

 

 

 

 

 

 

 

を組み合わせてしまうと、出てくる音の魅力はそちらが上回るというのが、色々聴いてみた上での結論です。

 

 

比較的低価格かつ大げさにならない組み合わせで、一定以上の水準の音が得られるという辺りが最大の魅力というべき製品です。特にiPhone辺りと組み合わせるのであれば効果は絶大でしょう。

  • 購入金額

    7,980円

  • 購入日

    2016年08月06日

  • 購入場所

    じゃんぱら

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