実は私自身、オーディオ製品としてBOSEの製品をあまり高く評価はしていません。スピーカーの101シリーズは音も存在自体も面白いと思っているのですが、ヘッドフォン・イヤフォンの類いについては全く評価はしていませんでした。一応かつて買って使ってみた結論ではあるのですが…。
ただ、近所のアウトレットモールに期間限定ショップとしてBOSEが出店していて、そこで主要製品の試聴が出来るようになっていたのですが、そこにあった製品を一通り聴いてみた中ではSoundTrue OEやSoundSport IEは、価格相応というにはやや足りないものの、思った以上にきちんとした音が出てくるという印象は受けました。特にSONY WALKMAN NW-A16で聴けばまずまずというところでした。Astell&Kern AK100ではあまりぱっとしない印象でしたが…。
先日SENNHEISER MX685 SPORTSのレビューでも記述しましたが、街中を歩きながら使うイヤフォンは、遮音性が低く周囲の状況をきちんと把握できることが音質よりも遙かに重要だと考えています。
その上で音楽が快適に聴けて、タッチノイズが気にならず、耐久性に優れていれば文句なしというところです。MX685 SPORTSは耐久性は悪くないのですが、装着が意外とシビアでタッチノイズもそこそこ多いという辺りは不満でしたが、総合的に見てウォーキング用としてはコストパフォーマンスは良い方だと思い、先日スペアパーツ代わりの1本を買い足したわけです。
ところが、本日開催のAmazon Prime Dayで、まさにウォーキング・ランニング特化型モデルともいえるBOSE SoundSport in-earのチャコールだけが安売りに出てきていましたので、MX685 SPORTSに残る不満点を解消してくれる存在となり得るか、試してみようと思い購入してみました。
音質はそこそこだが、スポーツ特化は伊達では無い
しかし、注文した当日にいきなり届くとは思っていませんでした。Amazonプライムの底力を感じます…。
かなりの安売りでしたが、きちんと正規流通品であることが判るアフターサービス申し込みシールが貼付されています。
個人的にはこのチャコールカラーは結構良いと思うのですが、これだけが安売りだったということは人気が無いということでしょうか。
内容物は冊子類とキャリングポーチ、StayHearと呼ばれる特殊形状のイヤーチップとなります。StayHearはサイズごとに配色が異なっていて、容易に見分けがつくように配慮されています。
さて、今回は前述のNW-A16の他、ウォーキングするときに組み合わされるSONY WALKMAN NW-M505で試聴してみましょう。
以前使っていたin-earは低域の厚み以外は何も取り柄がないと思うほどひどい音でしたが、今回のSoundSport in-earは比較的バランスは整っていて、音楽をごく普通に楽しめる水準にまとまっています。ただ、高域方向がかなり緻密なNW-A16で使うと、どうしても金属系の音の質感の低さは気になります。
NW-M505では、この本体自体がそこまでの音質ではありませんので、粗は目立ちにくくなりますが、全体的にややこもったような、抜けの悪い音となってしまいます。とはいえ、我慢できないほどではありませんが。
先日来取り上げている、5千円前後クラスのカナル型と比べてしまうと、さすがに音質的には太刀打ちは出来ていないと思います。ヴォーカルなどは意外といい線なのですが、やはり低域・高域ともに帯域の端の方になるほど質感の低さは気になりますからね。
これらよりも1クラス下といわれれば、そんなものだろうと素直に納得してしまいそうな音です。ただ、以前の製品と比べれば音質に対して不快感を感じる部分はかなり無くなってきましたので、常用にもある程度は耐えそうです。
もっとも、この製品に期待しているのは純粋な音質ではありません。音質はほどほどで良いので、歩きながら、あるいはランニングしながら使った場合に快適であるかです。
まず感心するのは、ケーブルのタッチノイズがきわめて低く抑えられているということです。MX685 SPORTSでは結構気になる程度に動いても、タッチノイズが不快に感じるということはありませんでした。
また、StayHearの形状が素晴らしいということなのでしょうが、装着時には軽く耳に載せる程度であるにもかかわらず、頭をかなり激しく動かしても全く位置がずれないのです。外すときにそれほど力がいるわけではありませんから、この辺りはBOSEらしい緻密な計算が活かされているということでしょう。
以前のin-earはケーブルの皮膜の弱さも指摘されていたのですが、SoundSport in-earでは強度も大幅に増しただけでは無く、汗に対しての強さも追求したとのことで、この辺りは実際に使い込んでみないと結論は出ませんが、強度にも期待は持てそうです。ちなみに汗への対応という意味では、イヤフォン本体も防滴構造となっていて、汗程度の水分には十分耐えられるとのことです。
というわけで、音質だけならさほど満足感は高くないのですが、実用性の方にはBOSEらしい緻密さが発揮されていて、十分に魅力的な製品に仕上がっています。スポーツ用であれば周囲の音が聞こえやすいというのは大事な要素ですし、開放型かつスポーツ用という数少ない製品として、その存在価値は十分に高いものがある製品です。
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購入金額
5,590円
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購入日
2016年07月12日
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購入場所
Amazon
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