70年代後半に発売された電卓です。今の基準では「中型」に属します。当時の正価は9800円という情報があります。下位機種としては10桁のS-1があり、8900円だったそうです。
この電卓は殆どの現行品と同様の算式電卓です。かのカシオミニも、途中から算式入力になっています。
DIPのLSIを使用
現在ではほとんどの電子機で表面実装のICやLSIが使われていますが(抵抗に至ってはケシ粒のように小さいチップ素子です)、これは70年代後半の電子機器なので、まだDIPのLSIが使わています。これは日立のHD38401Aで、データシートがないので詳細は不明ですが、どうやらキヤノンにも供給されていたそうです。
単3電池4本を使用
電源は単3電池4本か、ACアダプタを使います。ACアダプタの型番はAD-4145で、出力は4.5V300mAです。「電圧が違うのでは?」と思うかもしれませんが、実際には電池の電圧は一定ではなく、最終的に0.9Vまで減少します。CMOSロジックは使用電圧範囲が広いとはいえ(電圧からしてTTLではないでしょう)、少し奇妙です。
事務用電卓として必要な要素はある
事務用電卓の要素である「桁区切り表示」「丸めセレクタ」「定数計算機能」「マークアップ計算」「増減率計算」「アドモード」を搭載しています。
丸めセレクタは浮動(丸め処理なし)、切り上げ、四捨五入、切り捨てに対応し、桁数も0桁(整数に丸める)、2桁のほか、1桁、3桁、4桁、6桁に対応しています。アドモードにはケタ数スイッチの操作で入れます。
なお、総計機能はありませんが、ちゃんとメモリ機能があります。
算式入力である
事務用電卓の特徴である「大きめの0キー」「00キー」「大きい+キー」「バックスペースキー」を搭載しています。
定数計算、マークアップ、増減率についてはカシオ独特の方式ではなく、シャープやキヤノンと同様の操作方法です。定数除算は被除数と除数が入れ替わりません。「MU」キーに相当するものは「⊿%」と刻印されています。
この電卓は算式入力です。年配の経理経験者などを除き、ほとんどの人は算式入力しか使ったことがないでしょうが、私の場合は加算器式に慣れているため「=キー」を押す場面で間違って「+キー」を押すことがあります。どちらのキーを押すべきか考えなければいけないので困ります。但し、伸び率計算に限っては算式入力のほうがやりやすいです。加算器式ではどうしてもワンアクション多くなります(加算器式に慣れている私が算式電卓を使うのはこういう場合です)。
小さくてもVFD式
蛍光表示管を使用していますが、明るさは暗めです。ただ、FN-20に比べて見劣りするというだけで、使用には差し支えない明るさです。単純に発光面積が小さいことと、単3電池駆動で電流が少なめなのが要因とみられます。
負号は桁数にかかわらず左端に表示されます。これは回路やプログラムが単純になりますが視認性には劣ります。
なお、カシオによくある+-×÷の表示はありません。
-
購入金額
1,280円
-
購入日
2016年01月08日
-
購入場所
ヤフオク
ZIGSOWにログインするとコメントやこのアイテムを持っているユーザー全員に質問できます。