■これはなに?
変態端末開発に定評のあるABIT社(ほめてます)が世に送り出した世界最小最軽量のPHS。
正式名称は「ストラップフォン2」ですが、かたちはどこからみてもフリスクです。大きさもちゃんと同じように作ってあるんだとか。力の入れるところが謎。
余談ですが、この会社は同じ時期に「固定電話型PHS」「ハート型PHS」「窓があくとメールが送信されるPHS」などを発売しておりました。このトンガリまくった開発商品ラインナップは今見ても惚れぼれします。ちゃんと儲けでてたのか心配です。
超小型ボディに詰め込まれた夢と現実。そこそこ頑張ってるとは思うけど。
・小さいは正義!独特のデザインと他機種の追従をゆるさない軽量ボディ。
フリスクケースと同じ大きさの電話は見た目とってもキュート。本物のフリスクシールを貼ればパット見は見分けがつきません。
特に女の子受けはよろしいらしく、必ずといっていいほどどこで売ってるの?て聞かれます。そのあとPHSなんだよって言うと目に見えてテンション下がるのはご愛嬌。
・割りとがんばってるバッテリ持ち。普通に使用して3日は持つ感じ。
メールを日に数十通受信。数分通話を5回以内の使用環境だと丸まる3日電池が持つか持たないかくらいの省電力性。
小さいバッテリの割には持つほうかなと。やれることが少ないのと省電力のPHSという規格のおかげですな。
・割りきった機能。メールと電話だけあればよし。
カメラやブラウザなんてありませぬ。かろうじてアラームと電卓があるくらいであとはなーんにもできません。
そういうマルチな事には全然期待してないので、結果電池持ちが良くなるからこれはこれでよかったのかなと。
ハードもソフトもちょっと残念。メイン電話としては辛いか。
・マイクが遠くてこっちの声が届かないよ……。
スピーカーを耳に当てるとマイクが遠くてこっちの声が小さい。かといってマイクを口元に近づけると相手の声が聴こえない。結果大声でフリスクとおしゃべりしている怪しい人の出来上がり。あまりに不便でいつもイヤホンマイクを使って電話してました。メインの電話としては致命的かもしれません。
・感度はあまりよろしくない。頑張ってはいるんだけどね。
ただでさえ基地局の間引きが始まっているという噂のPHSという規格。筐体が小さいのでアンテナも弱いんでしょうね。電波感度は良くないです。一応2cmくらいの可愛らしい外部アンテナをのばせるのだけどあまり効果なし。特に手で包んでしまうと格段に通話品質が落ちます。結果フリスクを「つまんで」お話する怪しいスタイル(通称L持ち)必須。いただけません。
・メールの送信文字数が1024文字しかないのってどうなの?
受信は2バイト文字で10,000文字受信できるのに対し、送信は何故かその1/10の1,024文字しかできない謎仕様。なにが不便ってメールの転送がちゃんとできないんですよこれだと。
特にURLが入っているようなメールだと、ブラウザがないこの機種ではどうにもならんので他の端末に転送するしかないのだけど、そのままフルフルに転送できないもんだから必要な箇所だけコピペして転送しなきゃいけないという辛い仕様。これはソフトウェアの方ですぐ改善できると思うんですがねえ。
・メールの選択削除ができないってそりゃないよ。
メールまわりでもう一つ辛かったのがこれ。僕はPC宛のメールを全て転送してこの端末で読んでいたのだけど、内蔵メモリが小さいからこまめに既読メールを消してたんです。でも他の端末で当たり前にできる「複数選択して一括削除」という項目がないんですな。これには困った。
最初は一通づつポチポチ消していたのですが、後で面倒になって放置するように。結果大事なメールもところてん式に消えていってしまうという悪循環が。これが一番使っててストレスポイントでした。残念賞。
とにかく小さいが全ての端末。
合コンで見せびらかすのはいいかもだけど、毎日使いには正直つらい端末でした。
ただ評価したいのはこういった「変態端末」がちゃんと企画を通して商品化された背景なんだと思います。
PHSは斜陽だからもう無理かもしれないけど、今後も一芸に秀でた端末をどんどん出していってほしいです。
※後日談
こないだポケットに入れてバイクに乗ってたらなくしてしまいました。どうもどこかに飛んでいったようです。
知らない人がみたら電話のおもちゃにしか見えないんだろうなあ。
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購入金額
7,000円
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購入日
2016年06月15日
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購入場所
ヤフオク
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