アナログデバイセズのCMOSオペアンプです。1回路版はAD8655です。メーカーでは「業界最小のノイズ」と謳っています。
透明感に秀でている
「業界一低ノイズ」を謳うだけあって音に透明感があります。5V駆動のOPA1652と比較しても透明感が一段上です。同じく5V駆動のLME49720HAと比較した場合、相対的にLME49720HAのほうがおとなしく、AD8656のほうがきらびやかな印象です。
過渡応答(A=11 Vin=200mVp-p f=100kHz Rfb=10kΩ 位相補償なし 10:1プローブのみ接続 ガラエポユニバーサル基板)
(12/30追記)15Ω負荷(セメント抵抗)時の過渡波形を以下に掲載します。
過渡応答(A=1 Vin=200mVp-p f=100kHz Rfb=0 位相補償なし Rl=15Ω ガラエポユニバーサル基板)
実は車載グレードの石
この石は2回路入りですが、表面実装品のみがあります。秋葉原や日本橋筋の然るべき店には変換基板も置いてあるでしょうから併せて買いましょう。SOIC(1.27mmピッチ)なのでまだ手半田でも実装できなくはないです。
電源電圧は2.7V~5.5Vです。絶対最大定格は6Vですが、私は気づかず24V電源を印加してしまい1個破壊してしまったことがあります。データシートを読まないあわて者は私のような目に遭います。
ユニティゲイン安定、rail-to-railでオフセット電圧も小さいためいろいろな用途に使えます。応用範囲として「オーディオ」はもちろんのこと、「車載・衝突防止」とも書かれています。それだけの品質があるということです。現在の工業製品としての電子機器ではほぼすべて表面実装のチップが使われていますから、この石が表面実装品として発売されるのも必然です。
出力電流は電源±2.5V、信号0.5V時公称220mAとものすごい数字が出ています。計算上の出力インピーダンスは2.27Ωと、cMoy回路(但し5V駆動)のようなオペアンプで直接イヤホンをドライブするような使い方にも耐えられるでしょう。
かなり優秀な石
500円台の、しかも2回路入りの石でありながら車載グレードで、オーディオに使えば音質も良く、出力電流にも余裕があります。そのため、ポータブルアンプを自作するとなるとこの石がまず候補に入るでしょう。
低電圧の割には若干発熱しやすい
5V駆動のcMoy回路では、外気温29.4℃に対して表面温度が32.2℃まで上がりました。低電圧とはいえ小さいぶん発熱しやすいのでしょうか。それでも熱くなることはありませんが。
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購入金額
515円
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購入日
2016年06月09日
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購入場所
デジット
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