リニアテクノロジーの1回路入りオーディオオペアンプです。
透明感がある
積セラ(CH特性)の33pFで位相補償をかけたところ、OPA2134と比べて大人しくなり、それでいて透明感があるように聞こえます。
……と、思いましたが改めて聴いてみるとOPA2134並かな、と思いました。一度発振させたのが原因かもしれませんがあまり区別がつきませんでした。
過渡応答(A=11 Vin=200mVp-p f=100kHz Rfb=10kΩ Cfb=33pF 10:1プローブのみ接続 ガラエポユニバーサル基板)
なお、この波形は非反転増幅でも11倍の時の波形です。試聴に使用したcMoyアンプではゲインが3.1倍程度になっているのでよりリンギングが大きいことが考えられます。
位相補償無しの場合は……これは発振します。ボリュームのつまみを回すとノイズが聞こえます。この時点で嫌な予感がします。発振を承知で試聴すると、位相補償した時より透明感が劣ります。その後電源を切るとき、豪快なポップノイズが聞こえました。
位相補償を47pFにすると、33pFの時より透明感があるように感じます。OP44よりくっきりしているように感じます。
位相補償68pFでは、透明感がありつつも、47pFの時より大人しくなったように感じます。
(12/30追記)15Ω負荷(セメント抵抗)時の過渡波形を以下に掲載します。見ての通りリンギングがひどいので対策が必要でしょう。
過渡応答(A=1 Vin=200mVp-p f=100kHz Rfb=0 位相補償なし Rl=15Ω ガラエポユニバーサル基板)
位相補償が必須
この石は1回路用です。ステレオで使うには同じものがもう1つ必要です。
位相余裕が無いので、外付けで位相補償してやらないと発振してしまいます。ボルテージフォロアでの使用は厳禁です。データシート上は、位相が反転する20MHz強の点で2dB程度のゲインがあります。
非反転増幅で11倍にする回路でテストしたところ、リンギングが収束する様子はあるのですが到底追いついていません。
あまり発振するので入力側にまではみ出てしまっています。
過渡応答(A=11 Vin=200mVp-p f=100kHz Rfb=10kΩ 位相補償なし 10:1プローブのみ接続 ガラエポユニバーサル基板)
ソケット実装の置換え用には、別のソケットを用意し、コンデンサを半田付けし、その上からさらに変換基板を……と、面倒な上に場所を取ります。石自体もDIPの1回路品なので場所を取ります。はっきり言ってとっかえひっかえする用途には向きません。
電源電圧は±4~±18Vで使えます。±18Vで使用する場合は、ヘッドホンアンプに十分な電流は出るようです。
OP44と遜色なし
透明感がある石ですが、これは1回路入りであること、外部補償を前提とすることを考えると、コストパフォーマンスという観点からはOPA2134より見劣りしてしまいます。ただ、実力はあるのでそれを見越して十分候補に入るでしょう。
改めて聞き直すと、適切に位相補償をすればOP44と遜色ない音質が出るようです。
位相補償しないと爆熱……
24V駆動のcMoy回路では、位相補償33pFの時外気温29.7℃に対して表面温度38.5℃まで上昇しました。触ると熱さを感じます。
位相補償無しの場合はというと……発熱が収まる気配がなく温度が上がり続け50℃に達しそうだったのでがないので扇風機とクーラーを点けたところ、48.2℃で安定しました。
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購入金額
745円
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購入日
2016年06月10日
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購入場所
マルツ大阪日本橋店
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