近年、日本のシンガー/ソングライターである徳永英明が数々の名曲をカバーしたアルバム「VOCALIST」シリーズを発表していましたが、実はアメリカの大御所歌手であるバリー・マニロウが同じような企画のアルバムを制作していました。
但し、バリー・マニロウの方は
・The Greatest Songs Of The Fifties
・The Greatest Songs Of The Sixties
・The Greatest Songs Of The Seventies
・The Greatest Songs Of The Eighties
・The Greatest Love Songs Of All Time
という形で、最後のラブソング集を除き年代別で制作されています。今回取り上げるのは、私自身が最もなじみ深い80'sをカバーした作品となる、The Greatest Songs Of The Eightiesという作品です。
なお、この作品はBMGから日本盤が発売されていたのですが、現時点では入手困難となっているようで、結局Amazon経由で米国の業者から中古盤を輸入して手に入れました。
ちなみにプロデューサーとしてクライヴ・デイビス(ARISTAレコードの創業者)の名前がクレジットされていますが、この人は元々コロンビアレコードの社長を務めていて、レコード複数枚セットのアルバムの発売価格を巡ってシカゴのメンバーと大喧嘩したという逸話があります。まあ、これは4枚組を1枚分の値段でと言い出したシカゴ側が無茶すぎたと思いますが…。
元の歌唱のレベルが高いものが多いので…
収録曲は以下の通りとなっています。なお、括弧内は原曲を歌っていたアーティスト名です。
1. Islands in the Stream (ケニー・ロジャース&ドリー・パートン)
2. Open Arms (ジャーニー)
3. Never Gonna Give You Up (リック・アストリー)
4. Have I told You Lately (ヴァン・モリソン)
5. I Just Called to Say I Love You (スティーヴィー・ワンダー)
6. Against All Odds (フィル・コリンズ)
7. Careless Whisper (ワム!)
8. Right Here Waiting (リチャード・マークス)
9. Arthur's Theme (Best That You Can Do) (クリストファー・クロス)
10. Hard To Say I'm Sorry (シカゴ)
11. Time After Time (シンディ・ローパー)
12. I've Had The Time of My Life (ビル・メドレー&ジェニファー・ウォーンズ)
バリー・マニロウ自身もソングライターとしての実績も豊富で、日本でもお馴染みの「コパカパーナ」などは彼の自作曲ですが、ここでは「VOCALIST」の徳永英明と同様にシンガーに徹しています。
彼の代表曲として知られる「悲しみのマンディー」からは30年以上経過した時点でのアルバムですが、その歌声は当時から殆ど変わっていません。歌唱力には当時から定評がありましたので、この作品でも安定した歌唱力を見せつけています。
とはいえ、上記の曲目をご覧いただけば、原曲をご存じの方であればおわかりだと思うのですが、原曲アーティストに特徴的かつ実力の高いシンガーが揃っているのです。これだけの顔ぶれを並べてしまっては、さすがにバリー・マニロウといえども原曲を凌ぐような仕上がりとなっている曲はあまりありません。
アレンジの妙と高い歌唱力で充分聴かせる作品になっていますが、やはり原曲の良さが際立ってしまうというのが率直な感想です。
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購入金額
326円
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購入日
2016年05月02日
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購入場所
Amazon
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